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「海」の詩

海の青のふち。その白をなぞって進んでいた。なにか答えはないかと探すが、そもそも問われてなどいない。問題なんてない本当はない僕たちは、だけど問題がないと生きていけないと思う生き物で、だから足を生やして、手を生やして、目を埋め込んだんだ。冷たいという感覚だけに全てをゆだねてしまっていい。ここから生まれて、またここへ還るだけ。食べて寝るだけ、起きて歩くだけ。座って喋るだけ、愛して失うだけ。言葉を歩かせて、疲れさせる。そうしてからっぽになった頭の中にきみを寝かせるんだ。そうやって僕は深い眠りへと、つくんだ。


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