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オーガニックを冠して10周年。 私たちの旅はまだ始まったばかり

IKEUCHI ORGANIC代表の池内です。

さかのぼること10年前。2014年3月1日に、池内タオルは、IKEUCHI ORGANICへと生まれ変わりました。

2013年は、私の父が池内タオルを創業してから60周年を迎えた年です。その節目に、これからの60年を見据えて、ブランドのあり方を見直したいと思いました。

そこで、D&DEPARTMENT代表のナガオカケンメイさんに、ブランドのCI(コーポレート・アイデンティティ)をお願いしました。池内タオルが歩んできた道と、これから実現したい未来。私たちの想いを汲み取りながら、ナガオカさんは新しいブランドの名前やロゴを考案してくれました。

こうして誕生したのが、IKEUCHI ORGANICという名前と「I」のロゴマークです。

ナガオカさんは地球や太陽をイメージしながら、このマークを作ってくれたそうです。実は「I」の横棒の部分はまっすぐのラインではなく、地球の球体から割り出した「I」なので、ものすごく拡大すると円に沿ったラインになっています。

イケウチ式オーガニックの 「I」 、今治の「I」 、愛(あい)媛の「I」 、インターナショナルの「I」。イケウチ式のオーガニックを追求し、それを今治から世界へと発信していく。こうした大きな夢を抱いて、IKEUCHI ORGANIC はスタートしています。

同時に、企業名もIKEUCHI ORGANICへと変えてしまいました。こちらの方がしっくりくると感じたからです。

ただ、これは会社のあり方を大きく変える決断でもありました。

池内タオル時代は、自社ブランドにおいてはオーガニックコットンにこだわったものづくりをしていましたが、一部の法人向けの製造ではレギュラーコットンを使用することもありました。取引先の様々な要望に応えることは営業として重要ですし、経営的にもそのほうが安定します。

ですが、オーガニックを社名に冠しているのに、オーガニックでない商品を製造することは、明らかに違和感があります。そうした矛盾から、レギュラーコットンを使用したものづくりを一切取りやめる決断をしました。取引先各社にその旨を伝えさせてもらい、場合によっては他のタオル会社を紹介させてもらいました。

もし池内タオル株式会社の中にIKEUCHI ORGANICがある状態を選んでいたら、自社ブランドとは別に、今でもレギュラーコットンを使ったものづくりを続けていたかもしれません。ですが、オーガニックを社名に冠することで、それ以外の選択肢は消えました。

そして、IKEUCHI ORGANICと名乗ることで、私たち自身も変わらざるを得ませんでした。

どんなにオーガニックな商品を扱っていても、それ以外の部分がおざなりになっていたら、そのポリシーはお題目だけのものになってしまいます。IKEUCHI ORGANICという社名には、私たちの会社自体がオーガニックであり続けたいという想いも込められています。

この10年間、オーガニックとは何かを常に考え、新しい取り組みや様々な見直しを行ってきました。まだまだな部分も多いですが、「最大限の安全と最小限の環境負荷」という企業理念のもと、自分たちが理想とする姿に少しずつ近づいてきている感覚があります。


世界中の何処にもないストアを目指す

IKEUCHI ORGANICとなった2014年3月。今治以外の場所では初となるフラッグシップストアとして、南青山に東京ストアをオープンしました。

正直、東京ストアをオープンさせた時は、お店を維持できるか不安に思う気持ちもありました。物件のオーナーさんからも「骨董通りで5年契約なんて、本気ですか?」と言われて、「絶対に続ける覚悟で頑張りますから」と伝えたことを覚えています。

ストアのオープンにあたり、一番こだわったのは体験型ストアにすることでした。

タオルは使い心地が一番大切です。タオルに触れた時の触感は気持ちいいか。何度も洗濯した後の状態でも、使い心地に変化はないか。それを実際に確かめながら、自分にピッタリのタオルを選べる場所を提供したいという想いがありました。

そのため、ストアの店舗デザインはナガオカさんに全てお任せしましたが、洗濯乾燥機をカウンターに組み込んでいただくことだけは絶対条件としていました。本当は、シャワールームを設けて、タオルの感触を全身で確かめられるようにしたかったのですが、水回りとスペースの関係で断念しました。

オーガニックの心地よさが体験できる、世界中の何処にもないストアを目指す。そうした想いでオープンを迎えました。

(▲)オープン直前のFacebook投稿。商品が並ぶ前の店内

また、ストアをオープンした目的に、私たちのものづくりのコンセプトをお客さまに直に伝える場がほしいと考えたこと。そして、お客さまからのフィードバックを直にいただける場所がほしいと考えたこともありました。

やはり、ものづくりにおいて重要なのは、商品を実際に使ってくださるお客さまの声です。

お客さまと接していて、すごくありがたいと感じるのが、IKEUCHI ORGANICのお客さまは忌憚のないストレートな意見を言ってくださることです。

いいものはいいと褒めてくれる。一方で、「ここは良くない」と思ったら、ハッキリとその旨を伝えてくれる。そうしたお声をいただくことで、ものづくりを次のステップへと進めることができます。

新商品の発表がある度に東京と京都のストアに足を運び、お客さまと直に接する機会を持つようにしていますが、体力が限界に達するまで、この活動は続けていきたいです。


世界最高峰の熱量で見守ってくれるファンの存在

今年の3月で、IKEUCHI ORGANICとなり、東京ストアもオープンから10周年を迎えると思うと、ものすごく感慨深いです。

こうして続けられたのは、ひとえにブランドやストアを支えてくれたお客さま一人ひとりのおかげだと心から感謝しています。

特に、コロナ禍の際には、そのことを痛感しました。厳しい経営状態に陥りそうになった時に、IKEUCHI ORGANICを支えてくれたのは、東京ストアや京都ストアで出会ったお客さまたちです。オンラインZOOMストアのアイデアをくれたり、その練習相手になってくれたのも、ストアのお客さまでした。

振り返ってみると、この10年間で、IKEUCHI ORGANICという存在が、私たちだけのものではなくなってきた感覚があります。

例えば、創業70周年を迎えた昨年2月、京都の市営地下鉄の烏丸線の車両内に「70周年おめでとうございます」という応援広告を、ファンの方々が出してくれました。これは全くのサプライズで、知らせを受けた時は驚きのあまり過呼吸を起こしそうになりました。

IKEUCHI ORGANICがこういう存在になるとは、10年前には全く予想していませんでした。色々な方々の「IKEUCHI ORGANICは、こうであってほしい」という想いを背負っているブランドへとなってきていると感じます。

ただ、「もう10年」という感慨深さと同時に、「まだ10年」という想いもあります。創業120周年を迎える2073年までに「赤ちゃんが食べれるタオルをつくる」ことを目標に掲げているわけで、私たちの旅はまだ始まったばかりです。

世界最高峰の熱量と厳しい視線で見守っていただけるファンの方々に支えていただきながら、IKEUCHI ORGANICの名に恥じない挑戦を続けていきます。


<編集協力:井手桂司>

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