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イケウチと今治と、タオルケットの歴史

代表の池内です。

いま、IKEUCHI ORGANICでは7種類のタオルケットを販売しています。価格帯は、1万円台後半から、3万円のものまで。数千円の価格が多いタオルケットからすると、なかなか強気な価格設定と思われるかもしれません。

そんなぼくらのタオルケットですが、現在、多くのお客様にご好評をいただいています。

ご自宅用のほかに、ギフトや特別なお祝いの品として購入いただくことも増えてきました。結婚10周年にダイヤモンドではなく、ぼくらのタオルケットを選んでいただいたというお客様のnoteを読んだ時は、ぼくも社員も感動しました。

タオルケットを販売し始めて、もうすぐで10年ですが、タオルケットはIKEUCHI ORGANICにとって大切な商品になってきていると感じています。

他方、タオルケットは"世の中から忘れ去られる恐れがあった商品"であることを、ご存知でしょうか?

実際、タオルケットという名前は知っていも、使ったことはない人が、若い人を中心に増えています。ぼくらのお客様にも、イケウチのタオルケットが人生ではじめて使うタオルケットという方が結構いらっしゃいます。

そんなタオルケットが歴史に登場したのは、1960年ごろ

タオルケットとは、タオルと毛布を意味するブランケットを掛け合わせた和製英語で、日本独自の製品です。

どうやら、高温多湿な日本の気候でも快適に過ごすことができる寝具というニーズの元開発されたようです。肌ざわりがよく、吸湿性にも優れ、洗濯機でも洗うことができることもあり、タオルケットは日本の生活に広く浸透しました。

今治のタオル産業が大きく成長したのも、タオルケットが要因です。糸を大量に使い、大きなタオル生地を必要とするタオルケットは、当時のタオル会社にとって生産効率が最も高い商品だったのです。タオルケットの流行が、今治のタオル産業を活気づけました。

ところが、1990年前後から中国やベトナム産の安価なタオルケットが台頭し、国産のタオルケットは一気に下火となります。2010 年には、全盛期の1960年と比較して、タオルケットの国内生産数は約 1/40 まで減少してしまいました。

1990年代にかけて、今治のタオル会社が使用している一般的な織機が、新しいタイプのものに変わったことも、この状況を後押ししました。新しい織機の大きさがタオルケットにあわなくなり、本腰を入れてタオルケットに取り組む会社は年々減っていきました。

現在、今治に100社ほどあるタオル会社の中でも、タオルケットを製造している会社は、かなり少なくなっています。自社ブランドで7種類もタオルケットを販売しているIKEUCHI ORGANICは、かなり異質な存在でしょう。

一方、今治のタオルケットの歴史に反して、ぼくらはタオルケットを手掛けたことは2010年代に入るまでありませんでした。

その理由は、タオルケットが今治のタオル産業を支えていた頃、IKEUCHI ORGANIC(当時は、池内タオル)は、タオルケットの文化のない海外への輸出を軸にしていたこと。また、うちの先代は、今治の他のタオル会社と競合するような商品を手掛けたくなかったのかもしれません。

そんなIKEUCHI ORGANICが、はじめてタオルケットを手掛けたのは『コットンヌーボー2012』のタオルケットです。

理由は単純で、ぼくが自宅で使うタオルケットが欲しかったからです。

タオルケットを買い替えたいと思っていたタイミングで、だったら作ってしまおうと考えました。そのため、つくる枚数も少数。お客様へのおすそ分けのつもりで、限定販売をしました。

すると、瞬く間に完売となり、イケウチのタオルに全身に包まれている感じが最高に気持ちいいといった言葉をお客様からいただき、再販をのぞむ声が多く寄せられたのです。これは本腰を入れて定番のタオルケットをつくろうと決めました。

そして、2013年に『オーガニック732』のタオルケットを発売。

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(▲)画像引用元:IKEUCHI ORGANIC 公式サイト

それ以降、タオルケットに適応できる織りのものは、フェイスタオルやバスタオルに加えて、タオルケットもラインナップに加えるようにしています。

ちなみに、ぼくらがタオルケットに取り組めるのは、織機の違いもあります。今治のタオル会社が使用している織機が、タオルケットの幅にあわなくなってきたと語りましたが、ぼくらは違う織機を使っています。他と同じことをやるのが嫌なぼくの気質で、一般的なタオル会社とは異なる織機(SULZER)を導入していたのですが、その織機だとタオルケットの生産が比較的やりやすいのです。

いま、綿毛布や夏用ふとんなどの夏用寝具が登場し、タオルケットは選択肢のひとつとなりました。2000年以前のような、どこの家庭にも、タオルケットが当たり前のように存在する時代に戻ることはないでしょう。

ですが、近年の猛暑の影響や、快眠への注目が高まるなかで、タオルケットに再び光が当たっています。何人かの人気俳優の方々がタオルケット好きを公言してくださり、若い世代の方が関心を持ってくれる機会も増えました。

ぼくらは、これから先の未来にも、タオルケットを残していきたいと考えています。

タオルケットは、夏の寝具と捉えられがちですが、実は年中使える優れものです。特に、冬場がオススメで、布団の中にタオルケットを入れると湿気を吸ってくれるので、とても快適に眠れます。

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(▲)画像引用元:IKEUCHI ORGANIC 公式サイト

365日、眠りの時間を快適にするタオルケットは、IKEUCHI ORGANICの商品の中で「最もコスパがいい商品」と言ってくださったお客様もいらっしゃいました。

確かに、バスタオルやフェイスタオルと比べて、1日の大きな時間を占める眠りの時間を心地よいものにするタオルケットは、使用時間単位で考えれば、タオル生地のアイテムのなかで最も暮らしを心地よくする商品かもしれません。しかも、物持ちもいいので、お洗濯さえしていただければ、10年以上使っていただいても快適さは衰えません。

タオルケットには、バスタオルで使われている3倍以上のオーガニックコットンが使用され、タオル生地のサイズも倍以上。全身をオーガニックコットンで包まれる感覚を味わうことができます。

IKEUCHI ORGANICのタオルが好きと言ってくださるお客様には、是非とも、タオルケットを体感してもらいたいです。

暮らしに。そして、人生に添い遂げられるようなタオルケットを、これからもお届けしていきたいと考えています。

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(▼)IKEUCHI ORGANICの「タオルケットの選び方特集ページ」

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<編集協力:井手桂司>

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