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つくる責任と、つかう責任。”物づくりの道筋”を全て共有することで、ORGANICな存在であり続けたい。

こんにちわ。IKEUCHI note 編集員の井手です。

僕たちが、当たり前のように日々使っているタオル。

でも、自分が使っているタオルが、どういう過程を経て、自分の手元に届いているのかって、考えたことはありますか?

どこで、綿花が育てられて。
どういう風に、糸になって。
どんな工程を経て、タオルになるのか?

肌触りや、吸水性を気にしたことはあっても、その生産過程に関心を向けるなんて、なかなかないですよね…?

でも、IKEUCHI ORGANICは、コットンの種からタオルができるまでの道筋をしっかりとお届けしたいと思っているんです。

2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに国際社会全体で達成する目標・SDGs(Sustainable Development Goals - 持続可能な開発目標)。

SDGsの17ある大きな目標の一つに「つくる責任、つかう責任」というものがあります。

これは、資源の使いすぎや有害物質の廃棄などによって地球環境を破壊することなく、人にも自然にもやさしい経済活動を進めるために、望ましい消費や生産のあり方を追求するということです。

1953年にタオルの街、愛媛県今治市に創業して以来、IKEUCHI ORGANICでは、「最大限の安心と、最小限の環境負荷」を指針に物づくりをしてきました。

そして、これからは「つくる責任、つかう責任」を果たす意味でも、ただ良いものをつくるだけではなく、物づくりにおける道筋も丁寧に伝えていきたいと考えています。

そんな想いから、IKEUCHIの各ストアでは、「種からタオルへ ~IKEUCHI ORGANICのタオルが生まれてくるまで~」と題して、池内代表がタオルができるまでの全工程を解説するイベントを実施しました。

今回は、10月5日(金)にTOKYO STOREで行われたイベントのレポートをお届けします。

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「IKEUCHIが自社ブランドを作り始めて、今年で19年。来年が20周年となります。その記念となる年のコットンヌーボーの発表に合わせて、種からタオルになるまでのトレーサビリティに本格的に取り組みます。」

トレーサビリティとは、「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄までを追跡可能な状態にすることです。

ワインのように毎年とれるコットンの違いを楽しむ『コットンヌーボー』

来年の1、2月ごろに発売を予定しているコットンヌーボー2019では、包装する袋にQRコードをつけて、そこから製造の全ての過程がわかるという取り組みが開始します。

「2015年にISO22000を取得した時から、タオルのトレーサビリティを発表しますと言い続けてきましたが、やっと実現できそうです。」

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「全ての食品は、遺伝子組み換えのものを使っているかどうかの公表義務があリます。ただ、綿に関しては食べ物ではないので、政府は公表しなくていいと言ってますけど、僕らは食べ物だと言っているので、当然のように公表していきます。」

『2073年(創業120周年)までに赤ちゃんが食べられるタオルをつくる』

この企業指針に掲げるIKEUCHIでは、綿花を食品だとみなしています

そのため、遺伝子組換えではない種を使い、3年以上農薬、化学肥料を使用していない畑で栽培したオーガニックコットンを使用しています。

実は中国・インド・アメリカなど世界の綿花の主要産地は、ほとんどが遺伝子組換えに移行してしまいました。

現在、世界中でオーガニックの生産比率は、わずか1%しかないそうです。

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「東京ドーム4個分もの広大な綿畑を、25名の大家族で、全て手摘みしています。でも、これだけやって、大体バスタオル2,000枚分の綿花量。オーガニックコットンは希少な収穫なんです。」

スイスのREMEI社が中心となり、インド、タンザニアで、貧困状態にある農村の人々の自立のための始められた『bioRe(ビオレ)プロジェクト』

そのプロジェクトにおいて、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたオーガニックコットンは『bioReコットン』と呼ばれています。

IKEUCHI では、この『bioReコットン』が最も信頼性が高いと考え、現在、全面的に採用しています。

この『bioRe(ビオリ)プロジェクト』では、農家の方が有機栽培に移行する際に必要とされる資金を援助することをはじめ、有機農法の指導や、女性が自立するための教育支援、井戸の開発なども支援しています。

実はIKEUCHIでも、これまで8個の井戸の開発に協力しました。

「小学生くらいの子供が、朝4時に起きて、10km以上離れた川まで水をとってきてから学校に行くような生活を送っています。こういった井戸があるだけで、生活がかなり楽になるんですよ。」

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「その年の秋に摘んだ綿花が、翌年のコットンヌーボーで使われます。オーガニックコットン2019で使用するものも、今、順調に収穫中です。」

タンザニアで手摘みされた綿花は、現地で機械によって種子などの不要な部分が取り除かれ、インドのムンバイにあるEUROTEXという紡績工場に運ばれます。

そこから、シンガポール、釜山を通じて、クリスマスごろに今治にやってくる予定です。

今治に届き次第、安全で環境負荷の少ない染色を使い精錬漂白を行います。繊維材料に含まれている不純物の除去や、色素成分を分解除去するためです。

そして、その後、撚糸(ねんし)と呼ばれる工程をへて、いよいよIKEUCHIの工場に糸がやってきます。

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「IKEUCHIの工場内の工程は、これを見ながら説明します」

こちらは、IKEUCHIの工場内を見学する一年に一度のイベント「今治オープンハウス」に参加いただいた、『小杉湯』という高円寺にある銭湯で、”番頭兼イラストレーター”として活動されている塩谷歩波さんが描いてくれた『IKEUCHI ORGANIC図解』というものです。

糸の状態からタオルが完成するまでの各工程をイラスト付きで、わかりやすく紹介してくれています。

まずは、製経、製織、解反といった作業を通じて、タオルの長いロールを本社工場でつくります。

その後、染色工場で染色や乾燥をし、ロールの状態から一枚一枚のタオルへ裁断する作業を行います。

最後は、本社工場でタオルにIKEUCHIの黄色いネームを縫い付けたり、検品をします。

こうして、タンザニアから今治に至るまで、様々な人たちが、様々な工程を経て、IKEUCHIのタオルは完成を迎えるわけですね。

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イベントの最後に、池内代表は、こう宣言しました。

ORGANIC is NOT LABEL. ORGANIC is ATTITUDE。オーガニックとは認証ではなく、企業の姿勢だと思います。オーガニックの認証がなくても、IKEUCHIがつくっている物であれば、安全だと思っていただける企業であり続けたい。」

その決意のもと、「つくる責任・つかう責任」を果たす意味でも、”物づくりの道筋”の全てを共有することにIKEUCHIは挑戦していきます。

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こうして、「種からタオルへ ~IKEUCHI ORGANICのタオルが生まれてくるまで~」と題した今回のイベントは幕を閉じました。

タンザニアから自分の手元に届くまでに、こんなに長い物語があるのかと考えると、つかう者として、大切に末長く使い続けたいと感じたのは、僕だけでしょうか。

そして、コットンヌーボー誕生10周年でもある来年には、なんとIKEUCHIのスタッフの方と行く『タンザニア現地ツアー』の開催も予定されているそうです!

トレーサビリティをただ伝えるだけでなく、生産地に足をはこび、お客様に実際に見ていただくという、これまでにない取り組みです。タンザニアの綿畑にいって、コットンを摘むというのは、一生忘れられない経験になりそうですよね。

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最後にストアイベントのお知らせです!

『IKEUCHI ORGANIC 新作 Preview 2019』

毎年恒例となりました「新作Preview」、今年も開催が決定いたしました!

弊社代表の池内が直営店3箇所をまわり、2018年のご報告とこれからのIKEUCHI ORGANICのお話をさせていただきます。

【各日程】 
TOKYO STORE:11月15日(木)18:30~20:00
FUKUOKA STORE:11月23日(金)18:30~20:00
KYOTO STORE:12月8日(土)18:30~20:00

※19:00頃より代表池内よりご挨拶させていただきます。

タンザニアのオーガニックコットンの収穫状況や風合い、発売までのスケジュールなどを、代表池内よりお集りの皆様にご報告させていただきます。また、コットンヌーボー2019のPreviewの他、新作アイテムもいち早くご覧いただけます。

ご参加の方には今秋、今治本社で手摘みしたオーガニックコットンボールをご用意しております。また、ささやかではございますが、オーガニックなお飲み物をご用意して皆さまのお越しをお待ちしております。

イベント中は入退場自由となっておりますので、お気軽にお立ち寄りください。

是非、こちらの機会にSTOREへお越しになってみてはいかがでしょうか?ご来店をお待ちしております!

Text & Photo:井手桂司


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