キリマンジャロ登山③
3日目
3700m→4800mへ
なんと快晴
濡れない
景色が見える
景色を楽しめる
最高
雨の登山って意味ないなと痛感する
雨の日はレインコートを着るが服の脱いだり着たりがなかなかしづらくなるので大抵寒いか暑いかのどちらかになる
そして足場は泥で滑りやすくなるので常に足元を気にしながら歩く
雨で視界も悪く景色も楽しめないし、そもそも景色を見ようという気にすらならない
だが、今日は晴れている
景色も美しい
ガイドも高山植物の説明なんかもしてくれてもう満喫
そして道もなんだかんだで1000メートル登るが緩やかな登りが続くので割と楽だった(ただし高度が上がっているので息切れしないように注意しながら登る)
後半、同行していた1人が高山病で頭痛発症
夜に向けて治ってほしい
辛さは痛いほどわかる
エベレストで本当にしんどかったから
かく言う自分も少しだけ頭痛
まぁエベレストの時の頭かち割れるかと思うくらいの頭痛を思い返せば気のせいくらいな程度だった
キボハットというベースキャンプ地に到着
小屋の数がめっちゃ少ない
ポーターたちはキャンプ泊だそうで、この仕事の過酷さを知る
見上げたらキリマンジャロ山頂が見える
見えるものの、めちゃくちゃ急!!!!
しかも話によると夜24:00出発だそうで
昼寝をしっかりして夜に臨む
まぁ山頂見ながら登るのはやりがいに満ち溢れるなと思っていたら雲行き怪しくなってきて雪降ってきた
終わった、、雪の中真夜中に登るのはやばすぎる、、
頼むから雪やんでくれ、、
3日目夜
4800m→5895m
1時間昼寝した後の夕方17:30
全然寝れない
寝ないとまずいと思えば思うほど寝れない
よくこんなスケジュールでみんな登ってるんだなと
結局1時間半くらいは寝たと思う
23:00過ぎに起きて軽くお粥食べて24:00出発を目指す
外はめちゃくちゃ雪が積もっていたが星空が綺麗
星が見えると言うことは天気は回復したということなはず
積もっている雪で足元が滑りやすく高度も高いということでかなりゆっくり歩く
真っ暗で全く先が見えない
たまに時計を確認しては「あぁ、もう1時間登ってる」
「もう2時間登ってる」と時間で進んでいることを認識しつつ黙々と雪の上を進む
3時間ほど経ったあたりから天気が急に悪化してきた
星はおろか10メートル先も見えなくなった
雪がまた降り始め、風は強さを増す
ちなみに高山病対策としては
・心拍数を上げない
・水をこまめに摂る
・おしっこをたくさん出す
があるのだが
・心拍数を上げない
→雪で足がとられまくるのと寒すぎてマスクして空気吸いづらくなるのと永遠に登りなため荒れる
・水をこまめに摂る
→水を飲むためにはスティックを外す、手袋を外す、リュックをおろす、リュックをあける、水筒を取る、水筒を開けるの一連の動作が必要でいかんせんめんどくさいし大変
・おしっこをたくさん出す
→こちらもかなり動作がめんどくさい
スティック外す、手袋外す、ズボンを脱ぐ(ズボンは4枚履き)というかなりめんどくさい
重ねて寒いとおしっこ出ない(男性の皆さんわかりますかー!?)
おそらくここら辺の努力を惜しんだためか、シンプルに寝不足だからか、体質が山に合っていないのか標高5300mくらいから高山病が発症した
頭痛がひたすらに苦しい
ただしまだ耐えられる
エベレストで頭かち割れるくらい痛くなった経験を踏まえればなんてことはない
ただし何より辛いのは視界が悪すぎていつ着くかわからないことだ
標識の目安時間はとっくに過ぎている
次の目的地まで大体これくらい時間かかるよーという目安の時間は余裕で短縮できていたのに今回は想定時間を超えてもまだつかない
雪でだいぶ時間かかっているからかもしれない
もしくは高山病で苦しむ僕と仲間の1人のためにペースをかなりゆっくりにガイドがしてくれているのかもしれない
とにかく長い、そして寒い
気温としては-10度くらいだった
風も強いもんだから体感気温としては-20度くらいにも思えた
鼻水は凍るしカバンや服も凍っていた
標高5600mくらいから頭痛に加えて吐き気も加わってきた
個人的に頭痛は耐えられる痛みそのものには割と耐えることはできるが
吐き気となると話は別で、目眩がしたり、横になりたくなる
もちろんこんな寒いところで横になるのは自殺行為だし、早く登頂して早く下山して標高を下げなければならないので前に進むしかない(高山病の最も効果的な治療法は標高を下げること)
よろめきながらも足を一歩ずつ進める
本当にきつい時には周りのことやゴールまでどれくらいかを考えることはせずに、足を一歩前に出すことだけに集中するのが僕の対策だ
右足を出すぞ、出せた!よし!!
次は左足。だせ!よしでた!やった!
ともう「この一歩」にだけ集中する
他のことは一切考えない
サハラマラソンで熱中症になったり、トレイルランで全身が攣ったりした時に編み出した技だ
この方法を使うとかなり一定のペースで前に進むことができる
吹雪も激しくなり、しんどさも増してきている時にすでに登頂を終えた外国人とすれ違った
「頂上はもうすぐかもしれない」そんな期待が胸をよぎる
そうすると外国人が明るい声で「so close!! 7minutes!!!」と教えてくれた
あぁこの苦しさもあと7分で終わるのか!!
「thank you!!」と吐き気を押し殺してお礼を言い、足取りもすすむ
かれこれ7時間ほど登り続けてきたのだ
それがあとたった7分で終わる!ラストスパート!
ところが7分経っても全然着く気配がない
初めは自分のペースが遅いからだと思っていた
ところが20分経っても着く気配がない
これは絶対にあの外国人が嘘をついた
励まそうと言ったかもしれないがあと一体どれくらい歩けばいいんだと絶望した
ランナーの言う「あと少しだよ」は信用しないと決めていたのだがあの外国人のいう「7minutes」は信用してしまった
具体的な数字で言ってくれたのに全然つかない
ここで完全に心が折れる
たまに立ち止まって倒れそうになりつつも深呼吸をしてどうにか足を踏み出す
そんなことを繰り返しあの嘘つき外国人とすれ違ってから40分ほど経ってようやく山頂に着いた
山頂に着いた時の感動だが、山頂に着いたかわからないくらい吹雪が酷くて正直全く達成感を味わえなかった笑
「え、ここなの?」という感じだった
にしても気持ちわるい、吐きたい。横になりたい。
段々とみんな集まってきて、達成感が込み上がってくる
あぁついにアフリカ最高峰に今自分はいるんだなぁ
写真をみんなで撮っていると涙が出てきた
あぁ苦しかったけど成し遂げたんだなぁ、、
涙出たら涙がすぐに凍って目が開かなくなった
一瞬で冷静になり、涙が止まった
ガイドが「高山病もやばいし、この天気もかなり危ない、もう降りるぞ!早く!」と言うので
正直もっと山頂を味わいたかったが気持ち悪過ぎてろくな思考も回らず、フラつきながら下山を始めた
後で知ったことだが、山頂吹雪はなかなか珍しいらしい
登った友人の山頂の写真はみんな青空だったw
かなりきつい山頂アタックだったっぽくて後になって振り返るといい思い出となった
当時は下山中についに吐いたし、頭痛も続き、本当に本当にしんどかった
あれだけ対策したのに高山病になるとは、、もう体質的に向いていないんじゃないかとさえ思い始めた
日本の3000mくらいの山が一番僕にはいいかもしれない
キリマンジャロ登山、興味のある人はぜひハイシーズン(乾季)に行くことをお勧めする
気づいたらめっちゃ長くなってしまった、、、
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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