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5日目 ニシオンデンザメ

今日、『海について、あるいは巨大サメを追った一年:ニシオンデンザメに魅せられて モルテン・ストロークスネス著』を読み終えた。ノルウェーの美しくも厳しい気候の中で、ニシオンデンザメを釣り上げようとする二人。ノルウェーでの暮らしに、突飛ではなく、歴史や環境問題、この地域が抱える問題など様々な話が散りばめられている。

北欧のゆとりある暮らしだ、自分探しに北欧だ、とか騒ぎ立てられているようなものとは違った(否定的ではなくてそれはそれで好きなんですけどね。リサ・ラーソン大好き!)冷たく重たい(当然素晴らしい)海や、曇天や嵐続きの季節など、ひしひしと感じられて、まるで、この地に行っているように感じる描写が素晴らしかった。まあ、個人的には前編曇り空の気持ちで読んでましたが(笑)

さて表題のニシオンデンザメくんは、少し前に寿命が300〜500年にもなると話題になりました。これはひとえに、寒い海で暮らす変温動物だから、といえるそう。代謝が格段に落ちるから結果として長寿になると。これは『進化の法則は北極のサメが知っていた 渡辺佑基著』に詳しく、こちらもなかなか面白い本なのでおすすめです。

寒い海にいる変温動物なので時速1㌔程度とも言われ、世界一のろい魚とも言われているそうなのですが、どうやって餌を取っているのかという点が不思議になってきます。深海生物らしく降ってくる死肉だけを食べているわけではなさそう、らしく。

持っている図鑑にも、多分餌を取るときには素早く動くのでは…と書かれていました。よーわからんということらしい。生き物の世界はわからんことだらけで研究せしないといけないことがいっぱいだ!(わくわく)

しかし冷たい海底にいれば変温動物のニシオンデンザメは餌を食べるときだけ素早く動くというのは難しい気がする。

先述した一冊目の本になるほどという説があった。海底で眠るアザラシを食うというのだ。なるほど、アザラシはたしかに海中で寝たりする(バイカルアザラシは殆ど陸に上がらずに過ごす。)し、何ならめっちゃ熟睡するんだそうな。本当かどうかわからんとこですが、寝込みを襲うならそんなに速度はいらないのかもしれない。

もう一つ私が考えたのは、餌を取りに浅瀬に来るという報告があるので、冷たい海底から暖かい海面付近に来て、いわゆる日向ぼっこ(マンボウやウバザメもするという。ウバザメの英名はbasking sharkひなたぼっこざめ)して体温を高めて素早く動いてエサを取るのではないかということ。

しかし、代謝が低いということなら、ダイオウグソクムシみたいに年単位で食べなくても平気なのかもしれないし…
とか色々考えると楽しい!

あと、ニシオンデンザメで必ず語られる、『目に寄生虫が殆どついていて一部または全盲の個体が多い』ということ。

落ち着いて考えたら、500年も生きてりゃそりゃね…
どっかで目も食べられますヨ。
とニシオンデンザメに言われた気がした。