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音楽レビュー『Cupid & Psyche 85』Scritti Politti(1985)80年代屈指の名盤との呼び声が高い傑作

80年代屈指の名盤との呼び声が高い傑作

このアルバムは'80年代の
名盤として有名で、
かなり前から聴きたいと
思っていたアルバムでした。

実際に聴くきっかけになったのは
ごく最近、サブスクで
本盤を聴いたのがきっかけです。

「これは買って聴かねば!」
と思いました。

スクリッティ・ポリッティは、
'77年に結成された
イギリスのバンドで、

当初はパンクに影響を受けた
バンドだったようです。

しかし、2枚目のアルバムである
本盤を聴く限り、パンク的な要素は
ほとんど感じられず、

むしろ、その音作りの細かさは、
対極的な職人的な味わいすら
感じさせます。

アルバムの前後に
シングルとして発表された
楽曲はいずれもヒットし、

満を持して、発表されたのが
本盤だったのです。

本盤に収録されたシングルのチャート
『Wood Beez (Pray Like Aretha Franklin)』
米91位/英10位
『Absolute』英17位
『The Word Gir』英6位
『Perfect Way』米11位/英48位

『ミュージック・マガジン増刊 ザ・ゴールデン80's 80年代ポップ・ディスク・ガイド』(2003)

クリアーな音質、音圧の強いドラム

はじめて彼らの楽曲を聴いた時、
私の頭の中では
マイケル・ジャクソンが連想されました。

活躍した時代が同じなので
サウンドが似ているのと、

ボーカルのグリーン・ガートサイドの
歌声がもろに、
ソウルの歌い方なんですよね。

白人でも黒人並みのソウルを
感じさせるボーカルです。

とにかく、このアルバムは
サウンドが素晴らしく、

実際、発表当時は、
デジタルレコーディングの常識を
塗り替えたアルバムとも
言われました。

その秘密は、初のデジタルシンセ、
ヤマハの DX7の導入、
ゲート・リバーブを大胆に使用した
ドラムサウンドにあります。

クリアーな音色と
インパクトの強いドラムの
組み合わせが圧巻です。

名だたるレジェンドを揃えた
豪華な布陣

サウンド面のインパクトも
さることながら、
メロディーラインの魅力も秀逸で、

どの楽曲も一度聴いただけで、
すっかり耳にこびりついてしまう
わかりやすさがあります。

プレイヤーとしての魅力だけでなく、
メロディーメイカーとしての力も
優れているところが、

このバンドを
特別な存在にしているんですね。

参加ミュージシャンも豪華で、
バックには、錚々たるメンバーが
名を連ねています。

ギターで参加している
ポール・ジャクソン・ジュニアは、
ジャズ、フュージョンのギタリストで、

マイケル・ジャクソンのアルバムにも
参加しています。
(『スリラー』『BAD』『デンジャラス』)

③、⑪でベースを担当しているのは、
ウィル・リーです。

彼は、リンゴ・スターや
ジェームス・ブラウンとも
共演経験のあるベーシストで、

日本では渡辺貞夫、
山下達郎、矢野顕子から、
SMAP、モーニング娘。の
仕事をこなす幅広さを見せています。

⑤でベースを担当しているのは、
マーカス・ミラーです。

(ブレッカー・ブラザーズ、
 渡辺香津美、マイルス・デイヴィス
 などとの共演経験がある)

多くの楽曲でドラムを
担当しているのが、
スティーヴ・フェローンです。

彼はエリック・クラプトンや
ジョージ・ハリスンとの
共演経験があります。

この他にも多くの
ミュージシャンが参加しています。

このように、本盤は、
バンドメンバーの力だけでなく、

多くのミュージシャンを起用し、
贅沢なサウンドを
作り出しているんですね。


【作品情報】
リリース:1985年
アーティスト:Scritti Politti
レーベル:ヴァージン・レコード
     ワーナー・ブラザース・レコード

【アーティストについて】
’77~’91年に活動、
’99年から再始動した
イギリスのバンド。

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