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ゲームレビュー『コラムス』(1990)ちょっととっつきにくいが、慣れると病みつきに

※2500字以上の記事です。
 お時間のある時に
 読んでいただけると嬉しいです。


メガドライブにも落ちものパズルを

'80年代の終わりに
『テトリス』が登場し、
「落ちものパズル」という
ジャンルが定着しました。

セガは『テトリス』の
アーケード版の権利を
持っていましたが、

当時の『テトリス』の
権利関係は厳しく、

アーケード版と
家庭用ゲーム機では
別のメーカーが権利を
取得する形になっていたのです。

(ファミコン版は BPS、
 ゲームボーイ版は任天堂)

そのため、
セガの家庭用ゲーム機では、
『テトリス』が発売できませんでした。

そういった経緯から
自社で開発を手掛けたのが
この『コラムス』です。

『コラムス』は、アーケード版が
先にリリースされていましたが、
ほどなくして、メガドライブ版も
発売されたので、

もとから、家庭用ゲーム機で
発売することが
前提だったのかもしれません。

『テトリス』は無機質なブロックを
ライン状に揃えて消すゲームですが、

『コラムス』は色とりどりの
宝石のを色を揃えて消すゲームです。

今では『テトリス』に並ぶ
知名度を誇る『ぷよぷよ』の発売は、
'91年ですから、
(メガドライブ版は'92年)

落ちものパズルに
「色」の要素を取り入れたのは、
当時としては斬新でした。

ちなみにアーケード版
『ぷよぷよ』の開発には、

発売元のセガから
『コラムス』のプログラムが
一部、提供されたそうです。

ちょっととっつきにくいが、
慣れると病みつきに

宝石の色は、
赤、青、緑、黄、紫の5種類、

それぞれの宝石は
縦に3つ並んだ状態で
落ちてきます。

これらの宝石は、
同じ色で3つ以上揃えると、
消せます。

画面の上部まで
積み上がってしまうと、
ゲームオーバーです。

こう書くと『ぷよぷよ』に
似たシステムに感じられますが、

『ぷよぷよ』との大きな違いは、
宝石を縦にしか入れ替えることが
できないところです。

『ぷよぷよ』は、
ぷよを回転させて、
横に積むこともできるのですが、

『コラムス』は、宝石を縦に
入れ替えることしかできないため、
必ず、宝石が縦に
積み上がってしまいます。

その代わりといってはなんですが、
宝石の色が「揃った」
と認識されるのは、

「縦」と「横」だけではなく、
「斜め」にも適用されます。

▼横に揃えたイメージ
◆◆◆

▼縦に揃えたイメージ


これらだけではなく、

▼斜めに揃えたイメージ

 ◆
  ◆

これでも消えるということです。

『テトリス』や『ぷよぷよ』に
慣れ親しんでいると、
『コラムス』は、
少々とっつきにくい気もしました。

『テトリス』や『ぷよぷよ』は、
直感的にコツが掴みやすいんですよね。

だからこそ、爆発的な
ヒット作になったともいえるでしょう。

やりはじめたばかりの頃は、
なかなか宝石が消せずに、
すぐにゲームオーバーに
なってしまいました。

ところが、
この『コラムス』ですが、

クセが強いだけに、
慣れてくると病みつきになるほど、
ハマってしまいます。

まずは、消せるものから
どんどん消していく

『コラムス』は、
落ちものパズルにおいて、
はじめて「連鎖」の要素を
取り入れたゲームでもあります。

しかし、これも
『ぷよぷよ』などに比べると、
狙って連鎖させるのは、
難しいレベルです。

でも、安心してください。

狙って出さなくても、
偶然の連鎖が起きやすい
ゲームにもなっています。

まずは、初心者の方は、
何も考えずに、
目の前にある宝石の色を
見極めて、

消せるものから
どんどん消していきましょう。

すると、偶然の連鎖が
起きることがあります。

その偶然の連鎖に
なんともいえない
爽快感があるのです。

はじめのうちは、
私も「何かコツがあるに違いない」
といろいろ考えながら
やっていたのですが、

そうやって頭で考えていると、
あっという間に宝石が積み上がり、
ゲームオーバーです。

それよりも、
目先の宝石に集中して、
消せるものを消していった方が
スコアが伸ばせます。

よく観察していると、
このゲームは、宝石を消した時に、
ちょっとした間ができるんですよね。

宝石が落ちてくるまでに、
少しの間、タイムラグが生じます。

その間に次の一手を考えるのです。
(次に落ちてくる宝石は
 画面の左上に表示されている)

そうやって、一つひとつを
着実に消していくことによって、
気持ちにも余裕がうまれ、
いい手を考えることができます。

何より、上に積み上がってしまうと、
宝石が下に落ちるまでの
時間も短くなり、

その分、考える余裕も
なくなってしまうんです。

このコツを掴むまでに、
私は4時間のプレイ時間を
要しました(^^;

大袈裟かもしれませんが、
人生って、
こういうものかもしれません。

まずは、目の前にできることを
着実に仕上げていき、
少し余裕ができてきたら、
先の一手を考えるんですね。

そうすることによって、
はじめて気持ちにも
余裕ができて、

いろんな手を試す
余地が出てきます。

『コラムス』も人生も
焦ってはいけません。

一つひとつを
着実に片付けていけば、
やがて、思わぬ連鎖が
起きるかもしれないんですから。

最後に、本作を語るうえで、
避けることのできない、
グラフィックや音楽のことも
書いておきましょう。

『コラムス』に出てくる宝石の
グラフィックは、よくできていて、
照かり具合が絶妙です。

ずっと見続けていると、
これが段々とキャンディーに
見えてくるんですね。

色の濃さから言って、
日本のものじゃなく、
アメリカのキャンディー
という感じです。

(青の宝石はホールズの
 オーシャンブルーにそっくり!)

なので、本作をプレイする時は、
必ずキャンディーを
用意しておくことを
オススメしておきます。
(必ず食べたくなるはず)

プレイ中の BGM は、
3つあります。

アーケードモードは、
バロック調の BGM のみで、

オリジナルモードでは、
他に2曲を追加した、
3つの BGM から
任意で選べるのです。

メインのバロック調の BGM は
荘厳な雰囲気で、
RPG っぽい感じの音楽、

(教会のパイプオルガンが
 合いそうな楽曲)

他の 2曲も、
割とクラッシック寄りの
BGM ですが、

2番目の方は、
穏やかな印象で
癒しを感じる音楽です。

3番目の方は、明るめで、
軽快な音楽になっています。

それぞれお好みでどうぞ。


【作品情報】
1990年発売
ジャンル:パズル
機種:メガドライブ
発売元:セガ

【派生作品】


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