見出し画像

言動を決めるのは人間性ではなくて、余裕があるかないか

財布を拾った話を書きました。

休日に近所で財布を拾い、
交番に届け、
持ち主に無事届いた、

めでたしめでたし、
という話でした。

こういう問題が
自分の目の前で起こった時に、
私は、とあるゲームを
思い出します。

以前、ゲームレビューでも
紹介した『コラムス』です。

『コラムス』は、
セガから発売された
落ちもののパズルゲームです。

発売された時期的には、
『テトリス』や『ぷよぷよ』の
少し後に発売されたゲームなので、

当然のことながら、
そういった王道のパズルゲームを
踏襲したような作りになっています。

上からブロックが落ちてきて、
(『コラムス』では宝石)

それらの色を揃えると、
ブロックが消えて得点になる
というルールです。

他のパズルゲームと同様に、
それらが画面上部まで
積み上がってしまうと、
ゲームオーバーになります。

こう書くと、
『テトリス』や『ぷよぷよ』と
そう変わらないゲームに
感じられるかもしれませんが、

『コラムス』は一癖あって、
コツを掴むまで、
少々苦労しました。

というのも、
『コラムス』はブロックを
回転させることができません。

多くの落ちものパズルでは、
ブロックを回転させ、
横長にして置くことが
できるのですが、

『コラムス』では、

落ちてくる
3つのブロックの並びを
入れ替えることは
できますが、

横には回転しないので、
必ず「縦長」に
積み上がってしまいます。

わかりやすく図解すると、

■   ◇
◇ → ○
○   ■

このように
入れ替えることは
できますが、

■ ◇ ○

↑こんな風にはならない
ということです。

つまり、『コラムス』は
ブロックが画面上部に
積み上がりやすい設計で、

この点では、
難易度が高いゲーム
と言えます。

最初は、私も
こういうことに気がつかず、
『テトリス』や『ぷよぷよ』と
同じ感覚で遊んでいました。

ただ消すだけでなく、
どうやったら連鎖になるだろう
(連鎖=連続で消す)
と考えてしまうので、

ついつい、手元が
おろそかになってしまうのです。

そうすると、
すぐにブロックが積み上がり、
ゲームオーバーに
なってしまうんですね。

『コラムス』のこういった
性質に気がついたのは、
それなりにプレイ時間を
重ねてからのことです。

ある時、ブロックを消すと、
画面が静止する時間が
他のゲームよりも
長いことに気がつきました。

その時に、このゲームの
攻略法に気がついたんですね。

つまり、『コラムス』では、
最初から連鎖をねらうよりも、
まずは、消せるものを
どんどん消して、

余裕を作っておくことが
大事だということです。

とにかくブロックを消せば、
画面上に隙間ができますし、

何よりも消した時に、
一端、画面が静止するので、
余裕ができやすいんですね。

余裕が生まれれば、
少しは連鎖のことも
考えながら、

ブロックの配置を選ぶことが
できます。

冒頭の財布を拾った話と、
『コラムス』がどうつながるか、
というと、

結局、人間性というのは、
この「余裕」があるかないか
ではないか、ということです。

「財布を拾った話」の記事でも
書きましたが、
私も時間やお金に余裕がなければ、

1時間も費やして、
他人のために財布を
交番に届けていません。

自分の効率だけを考えれば、
まったくもって、
無駄な行為とすら
言えるかもしれません。

機械的にメリットだけを
考えるならば、

財布を拾った時には、
お金だけ抜いて
それを放置することでしょう。

それが時間を無駄にせずに、
しかも、いくばくかの
お金という利益まで
発生させています。

しかし、私たちは、
交番に届けました。

正直、めんどくさいなぁ
とも思いつつも、

「自分が逆の立場だったら」
と考えてしまい、
そうせざるを得なかったのです。

これは気持ちに余裕が
あったからです。

『コラムス』で言えば、
まだそれほどブロックが
積み上がっておらず、

画面の全体を見渡す
余裕がある状態ですね。

私は日々の何気ない行動の
一つひとつが、
余裕の有無に結び付いている
と思っています。

そう思う時、
『コラムス』を
思い出すのです。

何かにつけて
周りにイライラをぶつける人、

全体を見渡すことができず、
自分のメリットしか
考えられない人、

こういう人たちは
余裕がないんですね。

「人間性」というよりは、
余裕がないから、
そういう言動になるのでしょう。

その人の『コラムス』は、
いつも画面の上部まで、
ブロックが積み上がって
しまっているんです。

そう思うと、
「かわいそうな人だなぁ」
という憐れみの心まで
出てきてしまいます。

私は極力、ブロックが
積み上がらないように、
コツコツ、ブロックを
消しています。

だから余裕があるのです。

余裕があれば、
連鎖を狙うこともできますし、

なんだったら、
少しくらいサボっても
ゲームオーバーになりません。

そのくらいの余裕はあるので、
滅多なことでイライラしたり、
自分のことだけを考えて
行動したりはしません。

すべては余裕があるかないか、
なんですよね。

『コラムス』は
単純なパズルゲームですが、
そんなこともあのゲームから
学びましたね。

……おっと、いけない、
そろそろブロックが
積み上がりそうなので、

今日はこの辺で。

この記事が参加している募集

ゲームで学んだこと

サポートしていただけるなら、いただいた資金は記事を書くために使わせていただきます。