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冴えないおっさん、知的な若者たちに囲まれる

※3000字近い記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

パートナーとの関係を
長続きさせたかったら、
ソロ活動を充実させると
いいですよ

という記事を書きました。

私がここで言っている
「ソロ活動」というのは、

出先までは一緒に行くけど、
途中で別行動をとる
ということです。

先日もソロ活動しました。

映画レビューにも書きましたが、
『ゴールデンカムイ』
観に行ったんですね。

この時、妻は
別の映画が観たかったので、
映画館で別行動をしました。

こういう時、
上映時間が同じくらいだと、
すんなり行くんですが、

この時は、
私が観た『ゴールデンカムイ』は、

妻が観たい映画よりも
1時間くらい早く、
時差が生じました。

つまり、妻は私が
映画を観はじめてからの
1時間が一人の時間、

私は観終わってからの
1時間が一人の時間
というわけです。

こういう時、
私は本を読んで待っていることが
多いんですが、

1時間もあるなら、
ということで
カフェでコーヒーを飲もうと
思ったんですね。

一人でカフェに行くのは、
独身時代はしょっちゅうでしたが、
結婚してからは、
めっきり減ってしまいました。

なので、ソロ活動を
はじめたばかりの頃は、
(10年くらい前か)

一人でカフェに入ること自体が
久しぶりで、ドキドキしたものです。

19~20歳の頃に、
はじめてスタバに行った
時のような新鮮さを
味わいました。

でも、今の私は違います。

もうソロ活動も長いんで、
カフェなんて、
手慣れたものです。

なんだったら、
2時間でも3時間でも
いられるくらい、
居心地のいい空間ですね。

でも、この時に入ったカフェは、
一人で入るのは、
はじめてのカフェでした。

いや、別に大したものではなく、
普通の有名なチェーン店で、

妻とはもちろん、
友人や同僚とも
来たことがありました。

でも、そこのカフェ自体は、
入るのも久々で、
しばらく行かないうちに、

店の中がガラッと変わっており、
一段とオシャレな感じに
なっていたんですね。

コーヒーを注文すると、
店員さんから
レシートの他に、
もう1枚の紙が渡されて、

その紙には
時間が書いてありました。

店員さんから
説明されましたが、

このカフェでは土日祝日は、
ワンオーダーにつき、
制限時間が
設けられているそうです。

その紙には、
1時間半後の時間が
(90分後)
記載されていて、

その紙が見えるように
テーブルに置いてください
と言われました。

つまり、コーヒー一杯でも、
90分は店内にいることが
できるのですが、

延長したかったら、
また何かを注文する必要がある
ということです。

うまいことを考えましたね。

たしかに、こういう風にしないと、
時間がある人は、
いくらでも
入り浸ってしまいますしね。

いいシステムだと思います。

コーヒーを受け取った私は
店内を見まわしました。

そこそこの
お客さんが入っており、
若い人が多かったので、

「うるさかったら嫌だなぁ」
と思いつつ、
席を決めました。

窓際の広いテーブルで、
10人分の椅子がありました。
(窓に対して短辺が向いている)

窓と反対側の方に、
女性が向かい合って
互い違いに座っています。

そのテーブルで
人がいるのはそこだけです。

👩⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎
⬜︎👩⬜︎⬜︎私

二人とも
一緒に来た感じではなく、
それぞれがノートを開いて、
何やらお勉強中のようで、

「よしよし」と思いました。

私が一人で
よくカフェに行っていた頃は、
(もう20年前か(^^;)

何人かで一緒にいる
おしゃべりな若者が
多い印象でした。

ファストフード店の騒がしさ
まではいかないですが、

あんまりうるさい若者がいると、
居心地の悪さを感じて、
長くいることはできなかった
記憶があります。

それでもどうしても
そこにいなければならない時、
(観た映画の上映時間まで
 時間を潰す時など)

私はイヤホンをして、
一人の世界に入ることが
多いです。

あいにく、今日はイヤホンも
持ってきていないですし、
音楽に逃げることもできないので、
不安に思っていたのですが。

時間帯や店の客層にも
よるのでしょうけど、
このカフェはとにかく静かでした。

今読み進めている
『日本沈没』を読みながら、
おいしいコーヒーを飲みました。

外は晴れていて、
その光景が窓から見えるのも、
心地よかったです。

映画もおもしろかったし、
今読んでいる本もおもしろい、
コーヒーもおいしい、
外は晴れている、
店内は静か、

こんな満ち足りた空気を
味わっていると、
私の席の向かいに、
男女のカップルがやってきました。

👩⬜︎⬜︎👩👨
⬜︎👩⬜︎⬜︎私

私は外で他人のことを
直視することができないので、
視界の端で見る感じです。

直視できないので、
ぼんやりとしかわかりませんが、
どうやら若い人らしい、

せっかくいい空間に
浸っているところなのに、
邪魔されたら嫌だなと思いつつ、

前に伸ばしていた脚を
行儀よく引っ込めました。

(脚を伸ばすと
 向かいの席の人にぶつかるので。
 脚が長い自慢ではない。
 念のため)

それからほどなくして、
私の隣の席に、
またもや男女のカップルらしき
二人組がきました。

👩⬜︎⬜︎👩👨
⬜︎👩👨👩私

どちらのカップルも
荷物を置いてから、
レジの方に注文に行きます。

しばらく荷物だけが置かれた
私の向かいの席と、
隣の席、

やっぱりちょっと不安です。

こういう時、
カップルがくると一気に
空気が変わって
騒がしくなったりするものですから、

私はそういう場所が苦手なのです。

2~3分経つと、
どちらのカップルも
注文した飲み物やスイーツを持って、
席にやってきました。

さぁ、どうなるか、
やっぱり、ぺちゃくちゃ
騒がしくなるのだろうか、

私は私で読書をしながら、
その行く末を見守りました。

さぁ、くるならこい……
……
……
……

あれ? 全然うるさくないぞ、
おかしいなぁと思いながら、

一瞬だけ
二組のカップルを目視すると、

どちらのカップルも
それぞれに教科書らしき本、

あるいはスマホや
タブレットを開いて、
一生懸命にノートに
何やら書きこんでいるんです。

ここでようやく
私は気づきました。

この10人掛けのテーブルにいる、
私以外のお客さんは、
みんな勉強しているんです。

えぇーーーー!
と衝撃を受けました。

このテーブル、
全員ソロ活動じゃないか!

見たところ、どの人も
大学生くらいでしょうか、

本当にマナーもよくできていて、
隣の女性なんかは、

私がトイレに行くのに、
席を立とうとすると、

ちょっとだけ
自分の椅子をよけて、
邪魔にならないように
してくれました。

話す時も全然うるさくありません。

静かな声で、
穏やかに話しています。

しかも、みなさん、
オシャレなんです。

オシャレと言っても、
奇をてらったような
ファッションではなくて、

さりげない感じの、

でも、なんだか
みんなテレビドラマから
出てきたような
オシャレさがなんですね。

「品の良さ」というんでしょうか。

いや、私も汚い格好をしている
わけではないんですが、

そんな彼ら、彼女たちを見て、
急に自分がダサく感じてきました。

10人掛けのテーブルに、
男女の大学生、
そして、私一人がくだびれた
40代男性。

このテーブルの
オシャレさも IQ の高さも
私一人が引き下げている
気がしました(^^;

周りが必死に勉強している中、
一人、おっさんの私は、

娯楽小説なんかを読んでいて、
すみません
という気持ちになりましたね。
流石に(笑)

なるほど、20年も経つと、
カフェの風景も
変わるもんだなぁ

と思いながら、
家路に着きましたとさ。

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