カープダイアリー第8464話「限りなく透明に近いドジャーブルー、大谷翔平が60発を超える日」(2023年12月16日)

映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」

WBC侍ジャパン密着のこの作品は、6月2日から期間限定で全国公開され、88万人を動員する「異例のヒット」(同)となったという。「シナリオのないドラマ」(テレビ朝日)にふさわしい、栗山英樹監督と大谷翔平とダルビッシュ有と熱き戦士たちの物語。

この日、午後8時からテレビ朝日系列で同作品がオンエアされた。高視聴率を叩き出すのは間違いなさそうだ。

番組の後半では栗山英樹さんと、WBC決勝戦解説のため現地を訪れていた古田敦也さん、松坂大輔さんによるスタジオトークが展開された。

その締めは、2024年、25年シーズンの、ドジャース大谷翔平の投打の成績をそれぞれに挙げてもらうというものだった。

そこで栗山英樹さんが掲げた打の数字は、来季が74本塁打で2年後は89本塁打だった。

さすがに引き気味?のふたりを前に、栗山英樹さんは「僕は解説者じゃないから…」と切り返してその場の空気を和ませた。さすが、だ。

もちろん、これらの数字には意味がある。

2001年にバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)がマークした73本塁打がメジャー記録。89は2006年の第1回大会で王貞治監督がつけた番号で、栗山英樹さんも引き継いだ。

薬物の使用やバットへの細工など、メジャーのホームラン量産には闇の部分がついて回る。そういう中にあって、限りなく透明に近い、ピュアな大谷翔平がどれだけこれらの数字に近づくことができるのか?

今季放った44発はア・リーグ最多となり、アジア人初のホームラン王が誕生した。前例には捉われない。それが栗山&大谷の流儀。この先、何が起こっても不思議ではない。

なお60発以上は過去9度、記録されており、その大半は2000年前後。最も古いのは1927年のベーブ・ルース(ニューヨーク・ヤンキース)で60本。

マーク・マグワイヤ(セントルイス・カージナルス)が2度、サミー・ソーサ(シカゴ・カブス)が3度、記録している。

そんな中にあって2022年に62本をかっ飛ばしたアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の存在が、大谷翔平の60発越えを暗示する!?

ドジャースに在籍した日本人選手は過去9人。最も成功したのはパイオニアとして広く知られている野茂英雄さんで1995年から98年と2002年から04年の計7シーズンで191試合に投げて81勝66敗、防御率3・74。1217回1/3で1200奪三振のトルネード旋風が日本人メジャーリーガーの道を開いた。

カープからは、ポスティングシステムを使って海を渡った前田健太の存在もクローズアップされている。2016年から19年の4シーズンで137試合47勝35敗6セーブ、防御率3・87。メジャー初登板で初勝利+初本塁打!二刀流デビューは鮮烈だった。

その前田健太に数々の助言を与えたのが現在、カープ球団アドバイザーを務める黒田博樹さんだった。再びカープのユニホームに袖を通したのが2015年。前年、11勝9敗だったマエケンは元メジャーリーガーの教えに耳を傾けながら15勝8敗で2度目の最多勝タイトルを獲得して、長年抱いていた夢を現実に変えたのである。

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