カープダイアリー第8571話「開幕3連敗の危機救う新井流、2戦2発の度会も止める」(2024年3月31日)

開幕3連戦で横浜スタジアムを埋めたベイファンの勢いは強烈だった。レフトスタンドは赤一色だがそれでも多勢に無勢は否めない。
 
そんな敵地で、チーム3連敗の危機を救ったのは2019年8月以来の先発マウンドに上がったアドゥワだった。
 
3試合続けてスタメンマスクをかぶった坂倉との打ち合わせで度合対策も徹底した。2試合で2発を含む5安打の新切込み隊長を、初回、最初の対戦でスライダーと落ちる球で3球三振に仕留めて難敵の出鼻をくじいた。
 
そのあと二番・オースティンに二塁打を許し、二死から四番・牧を歩かせると、続く宮崎には外の真っ直ぐで初球ストライクのあと同じような球を右前に適時打された。
 
続く梶原にはデッドボール。スタンドのブーイングにも負けずに七番・伊藤を抑えた。
 
二回、すぐに同点にしてもらった直後のマウンドでは9球でツーアウトを奪い2打席目の度会は低目の真っ直ぐ1球でセンターフライに打ち取った。
 
すると三回にはスタメンに名を連ねた田中広輔に勝ち越しソロが飛び出した。以後アドゥワは最少リードを守りながら、度会を中飛に仕留めた五回でお役御免となった。
 
アドゥワのあとを受けた益田、矢崎、島内、栗林は完封リレー。逆にDeNAは八回に守りのミスから3点をプレゼントしてくれた。5対1快勝、で開幕まず1勝。
 
「野手に助けられて何とか5回投げられたので、みんなに助けられた1勝だと思います。ひとりではここまで来られなかったと思うので、いろいろな人に支えられて今ここにいると思います」(ヒーローインタビューでのアドゥワ)
 
2018年のリーグ優勝に貢献した右腕が右肘手術に踏み切ったおは2020年。そこから3シーズン一軍登板なし、だった。そうした苦労を自分ごとのように受け止めるのが新井流。黒田アドバイザーや藤井ヘッドらと相談の上で進めてきた先発再転向プランは開幕早々、ひとつ目の花を咲かせた。
 
アドゥワを1号ソロで援護した田中広輔もしかり。持てる力をいかにして発揮してもらうか?今の首脳陣は選手再生術を心得ている。
 
一方でこの日、シャイナーとレイノルズがコンディション不良で登録抹消になった。代わりに一軍に呼ばれたのは中村奨成と二俣だった。田中広輔が“シャイノルズ”のバックアップでいい仕事をしたように、若ゴイにも地元3連戦で必ずチャンスが巡ってくる。
 
そう、新井監督の下では「みんなで戦っていく」。この日、内野ゴロで打点1をマークしたものの、開幕3連戦11の0、6三振に終わった田村俊介の巻き返しも期待される。
 

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