カープダイアリー第8556話「マツダスタジアムで能登半島地震義援金呼びかけ、の意義を考える」(2024年3月16日)

広島市内は前日から急に暖かくなった。春の陽気に誘われて2万人を超えるファンがマツダスタジアムにやってきた。
 
球場正面では、能登半島地震の被災者支援として、選手会長の堂林ら11選手が義援金協力を入場者に呼びかけた。新井監督も参加した。
集まった義援金は社会福祉法人中国新聞社会事業団を通じて、日本赤十字社に送られることになっている。
 
マツダスタジアムのなかった時代、カープ球団はよく北陸遠征を公式戦に組み入れていた。富山から福井へと移動しながら連戦を消化した。新井監督ら、かつてのメンバーにとっては馴染みの地域だ。
 
奇しくもこの日、北陸新幹線はこれまでの金沢から福井を経由して敦賀まで伸びた。基本計画策定から半世紀もの時を経て、だ。
 
2004年の球界再編騒動、2011年3・11とプロ野球開幕騒動、2020年からのコロナ禍による変則対応。21世紀に入って日本のプロ野球はいろいろなことを経験した。
 
広島でも2014年には広島市安佐南区などで77名の死者を出した大規模土砂災害があり、2018年にも西日本豪雨災害に見舞われた。
 
今年もまた何が起こるか、それは誰にも分からない。
 
分かっているのは、元日であろうが、なかろうが、大災害は場所を選ばずに発生するということ、ロシアによる自由世界への武力による挑戦のように、国際紛争は日本人の考えとは無関係に次々に発生して、日本にも多大なる影響を及ぼすということ。さらには広島が生んだ総理大臣を筆頭に、この国の責任者たちは、国際紛争や被災地支援そっちのけで、自分たちのことを最優先に裏ガネ集めや趣味・娯楽に傾注している、ということだ。
 
グラウンドでは2週間後の開幕戦で当たるDeNAを迎えての週末2連戦。初戦のマウンドに上がった森下は3回37球2安打無四球無失点ピッチングで降板した。
 
「変化球に関しては、しっかり腕を振って投げることができた」(森下)
 
石井琢朗チーフ打撃兼走塁兼一塁コーチのいる三塁ベンチは、スタメン中7人が左打者という打線をぶつけてきた。ヒットを許したのはその中の林と、対外試合7連続安打中の話題の新人・度合だった。
 
前日には“5イニングまたは80球目途”とされていたのに早めのお役目御免となったのは、対左打者の攻め方や変化球軌道などのデータを相手に提供し過ぎないようにするためだろう。次回、本番での対戦でどう攻めるか?この試合、打つ方では二番に入った坂倉とともに“傾向と対策”を練る必要がある。
 
試合は3対2、1点差勝ち。八回の決勝点は二死から左中間フェンス直撃の二塁打を放った二俣が突破口になった。
 
2月の日南・沖縄キャンプでは“開幕一軍候補”の最後列から徐々に盛り返してオープン戦が始まってからも一軍帯同が続くプロ4年生。守りの方でも特にショートでのキレのある動きがアピールポイントになっている。昨季まで左打者偏重だった内野陣に新風を吹き込むことができるか?
 
「数少ない打席で、あのように結果を出してくれて、二俣も成長してくれていると思います」(新井監督)
 
今の首脳陣ならスタメン・ショートで今の力量を試す可能性も十分にあり、ここからが99番の正念場となる。


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