カープダイアリー第8316話「龍馬抹消でもタフな新井カープ、完封負けしても即完封返し!3発被弾しても即、強烈弾返し!」(2023年7月12日)

「もりしたー!」「もりしたー!スタンドからの声が背番号18のところまで聞こえてくる。「見事な完封勝利おめでとうございます」インタビュアーの第一声とともに、東京ドームが大歓声に包まれた。

「チームが勝つことが一番なんで、何とか投げ切れて良かったです」

109球を投じて8安打を許しながら自身330日ぶりの完封勝利。5月の出遅れ初登板からちょうど10試合目で大きな成果を手にすることができた。全9試合でクオリティスタートに成功してきた右腕はもう「肘の心配はない」ところまで来ていた。そして快適なドーム空間で、回を追うごとに凄みを増した。

東京ドームのマウンドは「まだ右肘と相談しながら」という状況だった5月13日の復帰第2戦以来、この時は二回に一死満塁から内野ゴロで失点。三回にも坂本にソロを許して6回2失点だった。

今回も序盤はピンチの連続になった。初回は一死ニ、三塁、二回は無死一塁、三回は一死満塁。四回も無死一塁。そして形は違えど二、三、四回でダブルプレー3連チャン。

「ゲッツーをたくさん取ってもらって、本当にいいテンポで投げることができました!」と言う通り、五回と六回を3人ずつて片付けると七回の無死一塁でも前夜豪快な一発を放った中田翔を併殺網に引っ掛けた。

そう、前夜は頼みの床田が3発被弾で0対4、ぐうの音も出ない完封負け。それが一夜にして完封返し…2日続けてスタンドから見守ったカープファンも大勢いる。これだから赤いユニに袖を通すことは止められない。

タフなチーム作りに挑む新井監督も一息つくことができたのではないか。龍馬は大方の予想通り「右わき腹肉離れ」で出場登録抹消となり、死球を受けた菊池もこの日は安静第一となった。

腐心したオーダーは…

上本
野間
秋山
マット
松山
末包
曾澤
小園
森下

…結果、スタメンに戻した小園が五回、巨人先発のグリフィンから値千金の2号2ランを放ったのである。

試合後の新井監督の話

-西川、菊池両選手がスタメンを外れた中での勝利

新井監督 チーム全員で掴んだ勝利だと思いますね。一番は何と言っても森下。そこまで調子がいいという方ではなかったと思うんですけど、要所を締めてナイスピッチングだったと思いますし、リードした曾澤も見事だったと思います(笑顔)。

-森下投手の完封について

新井監督 粘り強く要所を締めていましたしね、ゼロできていましたしまだ頑張れる球数でしたので九回は彼に託しました。

-小園選手の一発は…

新井監督 大きかったですねー(笑顔)。ヒットが出ていない時も内容がすごく良かったので、またファームから帰ってきてしっかりといい表情で野球ができていますからね(笑顔)。ナイスホームランだったと思います。

-守備でも上本選手とともに二遊間でいい動き

新井監督 ゾノもタカシも二遊間で粘ってよく守ってくれたと思います。小園も球際に強くなってきているな、と感じます(笑顔)。

-これでまた4位巨人に1・5差をつけ、あすは勝ち越しがかかります

新井監督 ゲーム差とかはまだ気にしていないですね。あした中5日で九里が行ってくれますので、チーム全体で戦いたいと思います。

……

東京ドームの試合が終わってもなお熱戦が続いた甲子園。東京ドームの4万16人を上回る4万2626人を飲み込んだマンモス球場では八回に森下翔太の2号2ランで追いついた阪神が九回も森下翔太の犠飛でサヨナラ勝ちを収めた。DeNAはバウワーを立てて痛恨の一敗。

3連勝の阪神は貯金13、2連敗のDeNAは貯金7で首位まで3差。

貯金5の新井監督は首位まで4差…

そして森下はインタビューの終わりにこう言った。

「ほんと、いい順位にいるので、優勝も見えていると思うので、たくさんの声援よろしくお願いします!」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?