カープダイアリー第8580話「リーグワーストタイ4試合連続完封負けの新井監督に残された手は…」(2024年4月8日)

8月に開場100周年を迎える甲子園球場は、地元開幕戦を迎えて3試合ともチケット完売。超満員のスタンドに五回、響き渡った快音は近本のバットから、だった。

低い弾道の打球はライトで弾み、二塁から木浪がホームイン。近本は二塁タッチアウトにしたが、この1点の重みをカープファンも一塁ベンチも、そして新井監督も覚悟して残り4イニングを戦うこととなった。

そして五回まで田村俊介と坂倉の2安打に抑えられていた打線は六回、続投の床田から3人が10球で打ち取られ、七回はクリーンアップの3人が12球で封じられた。

オーダー
センター野間
ショート矢野
サード小園
ファースト堂林
レフト秋山
ライト田村俊介
キャッチャー坂倉
セカンド菊池
ピッチャー床田

八回のゲラには9球で捻られ、九回の岩崎には二死から代打曾澤がチーム3本目のヒットを放ったが小園の二ゴロでゲーム終了、わずか2時間28分の出来事だった。

新井監の1年目は、同じこの甲子園で幕を閉じた。

2連敗してあとがない状態で先発を託されたのが床田-坂倉のバッテリーだった。2023年10月20日の話、だ。

四回に1点をもらった直後に2点取られ、五回に同点にしてもらったのに六回に勝ち越された。いろいろな「悔しさ」があるが「あの時のことは忘れられない」というのがふたりの思いだろう。

だからオープン戦3試合10イニングをゼロで抑え、前回2日のヤクルト戦(マツダスタジアム)も7回を零封した。それらはすべてこの日のため。それなのに五回だけは魔が差したかのように簡単に失点した。先頭の木浪に3球目を右前打され、村上に初球バントを決められ、近本にも初球を打たれた。

3試合連続完封負け、の打線とともに昨季のチャンピオンチームに挑む、もうそれだけで大きな重圧がかかる。

しかも敵地では昨年5月20日から引き分けひとつを挟み11連敗中だった。たぶん選手たちも感じるものはあるはずだ。そんな悪い流れを断ち切るためには何より先取点が欲しい。

マツダスタジアムで3連続完封勝ちした立浪中日は横浜スタジアムに乗り込み、3対1で勝って単独首位に浮上した。やはりそのディフェンス力はホンモノだ。

球団&リーグワーストタイの4試合連続完封負けを喫した新井監督には、もう打つ手はほとんど残されていない。二軍も新規参入のくふうハヤテと同レベルの攻撃力しかなくカンフル剤は見当たらない。

そんな現有戦力で開幕10戦目以降、いかにして反転攻勢に転じるか?9試合で22失点はリーグ最少レベルだから胸を張っていい。同じく17得点、1試合平均はで2点に届かない打線の方は打率・213で、さすがにもう底が見えているはずなのだが…


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