カープダイアリー第8598話「宇草通算8本塁打、森下登板日は4発目」(2024年4月27日)

コンパクトに、そして力強くスイングできた。捉えた打球は、右中間の深さ116m、フェンスの高さ4・8m、12球団の本拠地の中で最も柵越えが難しいとされるドーム空間でもスタンドに届いた。
 
宇草がまた打った。代打ホームランをマツダスタジアムで巨人ケラーから放って以来、8日間で3発、もっと詳しく言えば7打席で3ホーマー。しかも、前回マツダスタジアムでの3連戦では3試合連続完封された中日投手陣に風穴を開ける一撃になった。
 
20日、マツダスタジアム(巨人戦)七回、一死無走者で代打1号ソロ
21日、マツダスタジアム(同)スタメン一番で中前打と中飛
23日、神宮球場(ヤクルト戦)スタメン七番で見逃し三振、一ゴロ、2号2ラン
25日、神宮球場(同)三回、代打で先頭打者、四球
27日、バンテリンドームナゴヤ(中日戦)スタメン六番で二回に3号2ラン、そのあとは空振り三振、死球、四球

先週土曜日、森下とともに上がったお立ち台で「とにかく力まないように…」と自らに言い聞かせ、同時に「自分はあしたがない立場」と自らの置かれている立場も口にした。

そう、ふたりは同期入団であっても、5年目を迎えてその立場はかなり違ったものになっている。

高校3年の夏、2015年U18日本代表メンバーに名を連ねた宇草は、オコエ瑠偉、清宮幸太郎らそうそうたるメンバーとともに日本で開催されたWBSC U18ワールドカップで準優勝した。森下は代表チーム投手陣の中心にいた。

六大学野球に活躍の舞台を求めたふたりは、今度はライバル同士になった。そしてプロとして同時に“広島移住”した。

コロナ禍に見舞われた1年目、2020年に森下は新人王に輝き、宇草は13試合11安打0本塁打止まり。

2021年には宇草もかなり充実したシーズンを送った。43試合で43安打4本塁打。しかもそのうち2本は森下が先発した試合で打った。

2022年は45試合で18安打1本塁打と出力ダウン。右肩下がりの傾向は新井監督が就任して新たな気持ちで臨んだ昨季も続き、とうとう一軍に呼ばれないまま秋を迎えた。

通算8本塁打でそのうち4本が森下の登板日。ドラフト1、2位のふたりにしか分からない、目に見えない繋がりがある、と考えた方が合点がいく。

森下も自己ワーストの12安打を許した先週土曜日を反省材料にして、この日は7回5安打1四球。「1点取られましたけど、粘り強く投げたいなと思って投げていました」失点は二回に許した上林のソロのみ。七回の無死一、二塁も後続3人をきっちり抑えてみせた。

ただ、八回のマウンドに上がった益田はカリステにソロを許すと細川には2ランを運ばれて5対4と試合は際どい展開になりかけた。

九回、二死から「四番ファースト」坂倉が四球を選び、続く小園の二塁打で代走羽月がホームイン。2点差で出番の回ってきた栗林が3人で締めて、森下に2勝目がついた。さて次の森下の登板日にはまた揃ってお立ち台、となるだろうか…


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