カープダイアリー第8599話「スプリット攻めに打線沈黙…九里先発でまた延長12回スコアレスドロー」(2024年4月28日)

今季最多の3万6282人を集めたバンテリンドームナゴヤ。レフトと三塁側カープファンも大いに声を枯らしたが、しかしサヨナラゲームを待ち望むドラゴンズファンの応援もすさまじかった。
 
0対0のまま迎えた九回の攻撃は3人で終了、その裏の栗林は坂倉のパスボールもあって二死二塁とされたが、代打山本をフォークで右飛に打ち取った。
 
延長十回の守りはさらに厳しいものになった。2四球とヒットで二死満塁。追い込まれた矢崎はしかしマウンドで堂々としていた。代打宇佐見をフォークで二ゴロ…
 
延長十一回は小園の捕球エラーで始まった。メディアでも取り沙汰されているサードの守り。矢野にショートのポジションを奪われつつあるショックと不慣れなサードと低調な打撃の三重苦。
 
このあと一、三塁とされ申告敬遠で一死満塁。しかしここも森浦がストライクゾーンでの勝負を貫徹した。インフィールドフライと内野ゴロ。延長十二回の塹江は3人で抑えてスタンドの歓声をため息に変えた。
 
一方、秋山、野間、小園、松山、坂倉、宇草、矢野、田中広輔と左を並べた打線は中日先発、高橋宏斗に7回3安打に抑え込まれた。
 
高橋宏斗は「カウント球でも決め球でもスプリットを多投してくる」(朝山打撃コーチ)。その投球スタイルを攻略しきれないまま2022年は2試合で防御率0・47、23年も2試合で防御率0・95という数字を残された。
 
今回こそは、と対策を練って臨んだはではあったが、浮いたスプリットをヒットにしたのは七回、先頭の松山だけ。そのあと坂倉は見逃し三振、宇草は空振り三振、矢野は二ゴロに終わった。
 
調整遅れでこの日が今季初登板だったから序盤は確かに手探り状態のようではあった。が、四、五、六回はパーフェクトピッチングされた。
 
3度対戦して二ゴロ併殺打と連続三振に終わった宇草は次回、対戦の機会があればリベンジできるだろうか?全17球の内訳はナックルカーブ2、カットボール2,そしてスプリットは6連投と5連投を含む13…

そんなこんなで、打線はまたしても5試合目で今季初勝利を目指した九里を見殺しにする形になった。クオリティスタート成功4度、前回登板から数えて13イニング無失点の右腕には悲運が付きまとっているようだ。前回、延長十二回0-0引き分け試合(19日、マツダスタジアムでの巨人戦)でも戸郷と投げ合い6回無失点だったのだから…

よくよく考えてみれば、3日前に神宮球場で対戦した高橋奎も、前日対戦した梅津も自滅気味だったし、中日の救援陣も前日は計6四球だった。

だがこの試合では松山、マルティネス、齋藤、清水、藤嶋で無四球継投。5試合中、4試合で完封されたという極端な結果を、今後にどう繋げていくか、早く対策しないと中日戦が足かせになる。

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