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Anjelique Kidjo : Remain in Light

一枚のアルバムで、音楽の潮流が変わるということが起きますよね。
1970年頃からいろいろな音を聞いてきて、そのような潮目の変化を感じたアルバムの一つに、1980年に出たトーキング・ヘッズの Remain in Light があります。大学3年だったかなあ。プロデュースはブライアン・イーノ。

大学の友人に「これすごいからとにかく聞いてみろ」と渡され帰って針を落としました。で、ビートの強さにひっくり返りました。アフリカンビートはそれまでもオーネット・コールマンなどで聞いてましたが、それとは比べ物にならないプッシュ感にもやられました。

今日のウォーキングのBGMに選んだのは、アフリカはベナン出身のアンジェリーク・キジョ―の Remain in Light。ヘッズの名作アルバムを再構築したもの。
これもすごい!

キジョ―が共産政権下のベナンからパリへ移ったのが1983年。音楽が制限されていた母国から出た彼女は、音楽を聴きまくっていたそう。その時に出会ったのがヘッズの Once in a Lifetime で、翌日クラスメイト達にこの曲のことを聞いたそうです。

「この曲知ってる?」
「もちろん、大ヒットしたからね」
「アフリカの音楽?」
「いやアメリカの白人バンドさ。ロックロールだよ」
「これはロックンロールじゃない。アフリカの音楽だわ」
という会話があったと、インタビューで彼女が語っています。

フェラ・クティに影響を受けたヘッズとイーノに対するアフリカ側からのオマージュですね。
しかし、アフリカ側からというだけでなく、現代最高のプロデューサの一人ジェフ・バスカーとの共同作業により、21世紀の名作の一枚となっています。

強烈なグルーブに加え、キジョ―のスケールの大きな歌がなんといっても魅力的。

彼女、私とほぼ同世代なのにばりばり活躍してて、目が離せないっす。

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