アニメ『星屑テレパス』9話を視聴して思ったこと

ちょっとお久しぶりです。
X(旧Twitter)に感想を書こうと思ったのですが、TLを荒らすほど書き殴りそうだったのでこちらにまとめたいと思います。
では本題です。

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まず前提として僕は星屑テレパスのいわゆる原作勢で、単行本4巻まで全て読み、最新話までチェック済みです
なので先の展開はアニオリ以外のストーリーはわかっている状態で視聴していることを先に断っておきます。
そして、この記事ではある程度話が地続きになっている8.9話の感想や思ったことを中心に書いていきます。

まず8話を振り返ると大会に出場することになったロケ研は一貫してどこかまとまりがありません。
瞬が何もかもを仕切ると言い出して、その手伝いをする3人はなかなか指示通りに動けず。
腹を立てた瞬は強い口調、強い言葉で海果を怒鳴ってしまう。
正直言ってはいけないレベルまで行ってたと思います。
一応その場は収まったものの、チーム一丸とはなれないまま本番を迎えることになりました。

このようになってしまった原因は鏡写しのようにキャラクター造形をされたという海果と瞬のコミュニケーション能力によるものだと考えています。
海果はわかりやすく話すのが苦手な子というように描写されています。
しかし瞬は表面上は普通に喋っていますが、よーく見てみるとコミュニケーション能力は海果とは別のベクトルで低いのです。
なかなか上手く意見を伝えられない海果、どうしても熱くなってしまい一方的な相手に有無を言わせぬ強い言葉が出てきてしまう瞬。
二人とも向いている方向は同じなのです、でも上手くいかない。
いざこざのフォローが出来そうな性格であるユウや遥乃もそのすれ違いを大会までに完全に正すことは出来ませんでした。

もう一つ大きなポイントとして遥乃と瞬がシフォンケーキを作るシーンがあります。
クリームを混ぜる役を決めるじゃんけんから勝ち負けの話に移行する流れは原作を読んだ時から構成の巧さに舌を巻いたのですが、二人が語った勝負事への向き合い方は考えさせられるものがあります。


簡単に言ってしまえば瞬はリアリスト、若干ネタバレになってしまいますがこの時点の遥乃はロマンチストな考えを持っています
どちらの考えも尊重されるべきものでありますし、正解がどちらとも言えません。
このエピソード、僕には先生から読者に提示された問題のように捉えています。
僕はどちらかというと瞬の意見に賛同します。
というより、遥乃の意見の一部に賛同しかねるというのが正しいでしょうか

勝負事をするとなったらまずはどうやったら勝てるかを考えてまずは勝つことを前提として挑むべきです。
それでも負けてしまったらその経験や情報を元に勝てるよう努力する。
負けることは悪ではありませんが、勝負事に対しどんな結果にも意味はあるからとか、負けにも価値はあるという思考で挑むのはあまり良いことだとは思いません。
極端な話、そのようなメンタリティで戦うスポーツ選手やチームは応援するに値しないでしょう。

そして、アニメならではの点として海果から秋月さんへの憧れが更に強調されたように思います。
このことは海果の明確な目標になり、自身の現在地を思い知らされる決定打にもなってしまいます。
秋月さんのようになりたい、と願った海果の思いはいつの間にか逆にしっかりしないとという半ば強迫観念めいたものに変わっています。

そして本日放送された9話。
OPカットで最初から辛そうな海果をクローズアップして、更に大会の様子はあまりにもあっけなく描いています。
これは原作通りなのですがアニメでやると更に淡々と進み、淡々と事態は悪い方向に転がっていくのを感じられますね。

尋常ではない顔で椅子に座り、そこから壇上に上がる海果は見ていられないような悲壮なオーラに満ち溢れていました。
あの子はまだ15年ほどの人生の中で幾度となく失敗を重ねてきたと思うんです。
あまり過去は深く語られていませんが、そのことは想像に辛くありません。
そして、高校生になって出来た小さな成功体験が、大会でのあまりに大きな失敗で塗りつぶされてしまったのです。

しかし、泣いて落ち込んで、消えてしまいたいとまで言っていた海果は本当にたまたま、導かれるように再会した秋月さんの言葉にまた夢へ向かう意志を取り戻します。

『君の欲しかった居場所、この星にもあるんじゃないかな』
『その場所をまた固め直せばいい』


秋月さんはもちろんエネルギーを持った人物です。
そして海果の憧れでありライバルとも師匠とも言える人物です。
ただ、彼女から励ましやアドバイスの言葉をかけられてそこからどう動くかは海果次第です。
ここで折れたまま倒れているのも選択肢ではありました。
しかし、海果はまた立ち上がりました。
表面的に見れば海果はか弱いことは間違いありません。
しかし、このように失敗しても諦めずにまたトライするという根っこの部分にある精神性は海果の持つ強さなのだと思います。

そして、その意志はユウの不思議な力をも呼び起こしました。
あの灯台がどのような構造なのか、ユウの力の全貌は未だ明らかになっていませんが、海果が暗い未来を変えたことは事実でしょう。


ようやく堅くない話題になりますが宇宙語の歌をしっかり特殊EDに使ってくれてすごく嬉しかったのと驚きました。
タイトルが読めない!
深川さん、歌うの大変だったでしょうね。

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おわりに


10月に参加した先行上映会(その時は1.2話を上映)にて、かおり監督、そして深川さんともに見て欲しい話数としてまだずいぶん先の9話を推してらっしゃいました。
大体今回のエピソードくらいかな、とはすぐわかりました。
しかし制作側からそれを視聴者に言うというのはなかなかハードルを上げる行為なわけですが、今日視聴してよくわかりました。
原作をしっかり丁寧に拾って、重要なシーンに大きく尺を割いて、最後にサプライズ。
一ファンとして本当に嬉しい限りです。
心が震えるエピソードでした。


今回主にスポットが当たったのはもちろん海果でしたので海果周りだけを書きましたが、今後他のキャラクターたちにも重要なエピソードが残されているのでおそらくあと3話、噛み締めようと思います。

放送終了後即書き殴ったので誤字あるかもしれませんし読みづらいと思いますが限界オタクになっているのでお許しください。

読んでいただきありがとうございました。

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