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ファンを増やすなら外部対バン、は本当か?

とあるフリークのメンバーが「どうやったら人気になれるかな〜」とポストしてて、それに対して、「ファンを増やすなら外部対バン出て、入場特典つけて~」みたいな意見をいくつか見かけました。

ただこの意見に対して個人的には自社イベント(アナフェス)の質を上げていく方が、時間はかかるけど長期的には効くと思っています。逆張りぽいけど。

まず、外部対バンは主催ではないのでイベントをコントロールできず、決められた枠の中で、主催者側の言う通りにしか動けません。自社のキャッシュポイントを他社に握られるというのは、経営的に微妙です。

また、他事務所のファンがフリークのファンになる可能性と、フリーク内で推し変、または推し増しする可能性を比較した場合、後者の方が可能性が高いです。誰が好んでフリークのオタクになるというのか。

そして、入場特典のようなインセンティブに惹きつけられて来た客は、インセンティブがなくなると来なくなる可能性があります。

そういったことを考えた場合、果たして外部対バンを闇雲に増やすことが本当にファン数増加に貢献するんですかね、と疑問を持つわけです。せっかくそこそこ規模のある自社イベントを持ってるんだから、そこを使わない手はないよなあと。

イベントの質というのは、端的に言うとオタクの居心地の良さみたいなものです。みんなライブ、ライブいうけど、ライブってイベントの1要素でしかありません。もちろん俺はライブを見に来てるんだという人もいると思うけど、決してそれだけではない。広義の意味では、仲のいいファン同士が待ち時間に近況報告したり、同じステージを見たあとに感想を言い合ったり、特典会で推しとお話しして一喜一憂したり、その後オタクと飲み行ったり、直缶して潰れたりと、そういう一連の流れを指してイベントといえます。アイドルもライブもそのなかの1コンテンツに過ぎない。

SNSや配信が発達して個人で好きなコンテンツを好きな時間に消費できるようになった反面、同じものを同じ時間に同じ場所で見る機会が減っています。ただコロナ前までは、ライブの公演数は右肩上がりで増えていましたし、今も徐々に戻りつつあることを鑑みると、みんな心のどこかでリアルな集まりを求めてるといえます。そしてそれは、単発で組まれる外部対バンよりも、似たような場所、似たようなメンツで行われる定期ライブの方が、心理的ハードルも含めて行きやすいはずです。行けば誰かしら知ってる人がいるし、勝手もわかるから。

もちろんすごくいいメンツの対バンに出るのは価値があると思いますが、よく分からん地下2〜3階のメンツの対バンに出る価値って、全くないわけではないですが、ファンを増やすにはコンテンツとしてのパワーが弱いなと。だったらアナフェスをオタクがフラッと行きたい場所に変えて、イベントとしてのクオリティを上げていく方が結果的にアナフェスへの参加者が増えて、各グループの集客に繋がるような気がします。外部対バンにこちらから出ていくというよりは、アナフェスに他所のグループを呼ぶ、が答えに近いんじゃないかと。

そもそもすでにどこかのグループのファンになってる人を自分のところのファンにするのって超絶難しいんですよ。推しメンが卒業とか繋がり解雇になるしか、推し変のタイミングはありません。そんな低い可能性を待ち望むよりは、自分たちでコントロールできる部分に集中したほうよさそうです。

最後に雑な結論めいたものを置いておくと、1.すでに他のグループのファンになってるオタクは無理に狙わない(会社としてね。アイドル個人ではガンガン狙っていくべき)、2.今の地下のメインストリームで活動してないオタクをターゲットにする(たとえば階層が違うところで活動しているカメコとか)、3.在宅を狙う。3に関してはこれです。

好きな言葉は「勝ちたければ勝負するな」です。


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