さやしのブログ

さやしのポッドキャストというアイドルニュースを解説するラジオをやっています。このnot…

さやしのブログ

さやしのポッドキャストというアイドルニュースを解説するラジオをやっています。このnoteではアイドルオタクやアイドルの人に読んでほしい内容を書いてます。https://open.spotify.com/show/5S1hTO7ZGvTvnonxdUWhmB

マガジン

  • アイドルの教科書

    主に職業としてアイドルを頑張ってる人に読んでもらいたい記事をまとめています。

最近の記事

地下アイドルがファンを増やすには、魅力をプラスするのではなく、抵抗をなくす

地下アイドルの大きな悩みの一つとして「ファンが増えない」がある。ファンを増やすために地下アイドルはあらゆることをやる。歌やダンスを頑張るのはもちろん、SNSの投稿頻度を増やしてみたり、自撮りの加工を強めにしてみたり、普段出さないおっぱい出してみたり、整形したりと、ほぼすべての地下アイドルが、ファンを増やすために、さまざまな努力をしていることは知られている。しかし、それでもファンは簡単に増えるわけではない。 いわゆる"積極的なファン獲得施策"、ライブに特典をつけたり、自分の見

    • アイドル運営のロジティクス

      昔、アメリカの司令官が「素人は戦略を語り、プロは兵站を語る」といいましたが、今回はアイドルにおける兵站の話。 第一次世界大戦までは戦略や軍隊の士気が重要視されていましたが、第二次世界大戦以降はロジティクス、つまり補給・輸送・管理が戦争の勝敗を分けたといいます。 この話を無理やり今のアイドル業界に当てはめると、アイドルにおいても、あまり戦略に差はなく(戦略はコピーできる)、むしろロジティクスやオペレーションが重要だということは、自分も昔から言ってます。 たとえばフリークの

      • 「iLifeやFruits ZipperはTikTokで成功した」は本当か?

        iLifeが幕張メッセワンマンを決めたり、Fruits Zipperが年末にレコ大最優秀新人賞をとったことで、オタクたちの間では「今の地下アイドルはTikTokをやるべきダー」という論調が強まってきています。 この2組は去年TikTok上でバズっており、楽曲がたくさん使われたからそれでグループを知ったという人も多いでしょう。 たしかにパッと見の印象でいうと、「TikTokでバズったから成功した」ように見えますね。 しかしよく考えてみてください。あなたが推してる地下アイド

        • ファンを増やすなら外部対バン、は本当か?

          とあるフリークのメンバーが「どうやったら人気になれるかな〜」とポストしてて、それに対して、「ファンを増やすなら外部対バン出て、入場特典つけて~」みたいな意見をいくつか見かけました。 ただこの意見に対して個人的には自社イベント(アナフェス)の質を上げていく方が、時間はかかるけど長期的には効くと思っています。逆張りぽいけど。 まず、外部対バンは主催ではないのでイベントをコントロールできず、決められた枠の中で、主催者側の言う通りにしか動けません。自社のキャッシュポイントを他社に

        地下アイドルがファンを増やすには、魅力をプラスするのではなく、抵抗をなくす

        マガジン

        • アイドルの教科書
          さやしのブログ

        記事

          フルーツジッパーがレコード大賞新人賞を取ったけど

          フルーツジッパーがレコード大賞新人賞をとったことでオタク界隈が盛り上がってます。そのコメントには、「フルーツジッパーが今の地下アイドル界の天下をとった」「他の地下アイドルができてないことをやって売れた」みたいな物言いをする人を多くみかけました。 フルーツジッパーが地下アイドルなのかどうかはさておき、スターダムを一気に駆け上ったのは間違いないけど、ひねくれた面倒な人間としては「アイドルの成功ってなにかね?」と返す刀で聞きたくなります。 そもそもこの後もフルーツジッパーがうま

          フルーツジッパーがレコード大賞新人賞を取ったけど

          地下アイドルの「メンタル」への配慮

          地下アイドルを趣味にすると、避けて通れないのがアイドルのメンタルへの配慮です。地上アイドルのように数秒の接触しか叶わないなら、そこまで配慮することもないのですが、地下アイドルは接触も長いし、SNSで絡み放題なので、アイドルのメンタルに配慮することが、絶対ではないですが、マナーとして求められますし、直接お互いの関係性につながってきます。 自分の年齢のせいなのか、最近のアイドルの傾向なのかはわかりませんが、アイドルのメンタルの状態を意識することが増えた気がします。要は地下アイド

          地下アイドルの「メンタル」への配慮

          フリーク、武道館やるってよ

          「推しが武道館いってくれたら死ぬ」というアニメがありましたが、見たことはありません。 地下アイドル業界では大手とされる事務所FreeK-Laboratory(以下フリーク)が、年明けに武道館公演を控えているので今回はその話です。 フリーク武道館公演に対する批判フリークが武道館公演を発表した直後、SNS上では好意的な意見もある一方、「フリークのレベルで武道館に立っていいのか」、「対バンで武道館は実績とは言えない」など、批判的な意見も散見されました。 来年1月4日におこなわ

          フリーク、武道館やるってよ

          アイドルの「いいね強要問題」はなぜ起こるのか

          レスの強要と置き換えてもいいですが、少し前に、オタクがアイドルに対してSNSでの「いいね」を強要するということが立て続けに起きました。 オタクの言い分を要約すると「オタクが推しのことをツイートしたら、アイドルはいいねするのが当然である。それができないアイドルは売れないし、オタクは離れていく。」というものです。 個人的には論理が飛躍しすぎだと思うのですが、SNSを眺めていると、その意見に賛同するオタクは多いように見えました。アイドルは営業努力として自分に関係するツイートには

          アイドルの「いいね強要問題」はなぜ起こるのか

          単推し/DD議論に関する簡単なメモ

          アイドルやオタクの間でたびたび話題に上る単推し/DD議論。 アイドル側からすれば、単推しの方が都合がよく、オタク側からすればDDの方が都合がいい、その対立文脈で語られることが多い。 最近のTwitterを見ていると「DDのようなライトなファンこそがアイドル業界全体を支えており、よってあなたのグループもDDの恩恵を受けている」といったDDを正当化する言説が流行りのように思えるが、アイドル側からすれば「そんなことどうでもいいから、さっさと私を単推しにしろ」という話であり、なか

          単推し/DD議論に関する簡単なメモ

          フリークは本当に極悪事務所なのか

          合同会社FreeKlabolatory(以下FreeK)をご存知だろうか。FreeKは芸能事務所、兼イベント制作会社である。 自分がFreeKに通うきっかけとなったのはハープスターというグループである。ハープスターはFreeKの所属ではないが、あるタイミングからFreeKと一緒にライブをやるようになった。最初はFreeKアイドルにまったく興味がなく、ハープスターだけ見て帰る日も多かった。ただし、FreeKはライブの数が多いため、嫌でも目にする機会が多く、気づいたらハープスタ

          フリークは本当に極悪事務所なのか

          アイドルの接触、不当に高すぎる?

          長年オタクをやってる自分でも、年に数回「アイドルの接触、不当に高すぎでは」と疑問がよぎることがある。 そういう時は大抵、いつもいい感じに接触する子が、その日たまたま彼氏と喧嘩したか何かで虫の居所が悪く、対応が塩だったのでそれに軽く病んでしまい「高すぎる。」となるが、1週間も経てばその事実を忘れてまた課金している。 というのを十数年繰り返しているのがオタクである。 ------- 最初に「握手1回1000円」という価格を設定した人は商売の天才だし、アイドルの特典会にチェ

          アイドルの接触、不当に高すぎる?

          うまくいくアイドルグループ

          うまくいくアイドルグループの特徴って何でしょうね。見た目の強い個人が集まってるグループ?事務所のバックアップが万全なグループ?個性がバラバラだけどバランスが取れてるグループ?SNSのフォロワーが多い?ライブのクオリティ? 個人的には「信頼関係が構築できてるグループ」だと思います。 定性的な話なので意外と見過ごされがちだけど、グループで上を目指すならメンバー同士の信頼関係が築けてないと無理ですよね。プロ野球チームでも甲子園強豪校でも、仲の悪い人がいたとしても、少なくとも「野

          うまくいくアイドルグループ

          新体制のハープスターについて本音で語る【有料ポッドキャスト】

          購入後に全編(36:30)を視聴することができます。

          有料
          300

          新体制のハープスターについて本音で語る【有料ポッドキャ…

          新体制のハープスターについて本音で語る【有料ポッドキャスト】

          アイドル現場のマナーがいつまでたっても向上しない理由

          「空気の読めないガヤ、その場の雰囲気にそぐわないガヤをやめてくれ」というのは、戦時中の日本政府と言ってることが同じなんですが、空気を読めってアドバイスは空気を読める人しか聞けないので、ほとんど無意味です。 アイドル現場にくる人たちのなかには、あえて空気をよみたくない人たちが一定数混じります。現代では日常から空気を読むことを強要されているため、そのストレスを解消するために休日に合成麻薬ストロングゼロを飲みながら絶叫する光景が東京の地下対バンでは多く見られます。(なんでエンター

          アイドル現場のマナーがいつまでたっても向上しない理由

          今日好き炎上問題に見る自己責任論

          「今日好きになりました」っていうAbemaTVの主に高校生向けの恋愛バラエティがあって、そこにちょっと知ってる子が出てたんですよ。自分はもう高校生でもないので、そんなに入れ込んで見てはないですけど、知ってる子なのでちょっと見るじゃないですか。その子は実際に番組上で彼氏ができてよかったんですけど、最近浮気疑惑が出てしまってまして。 本人は当然否定してて、実際浮気があったかどうかなんて、当人たちだけの問題なので勝手に処理してくれればいいんですけど、ここが今どきの恋愛リアリティシ

          今日好き炎上問題に見る自己責任論

          オタクに媚びるのが苦手なアイドル

          アイドルはここ数年で市場環境が変わって、平たく言うとインフルエンサーとの垣根がなくなりつつある。アイドルになりたいと言ってアイドルをやっている子は多いが、「君がやってること、それアイドルというよりインフルエンサー(もどき)だよね?」みたいなことも結構多い。 それはさておき、従来のアイドルは万人に受けることを目指してきたけど、グループが乱立し、ファンを奪い合うようになると、結果としてステージの規模が小さくなり、それまであまり求められなかった個別具体的なレスやSNSにおけるコミ

          オタクに媚びるのが苦手なアイドル