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地下アイドルの「メンタル」への配慮

地下アイドルを趣味にすると、避けて通れないのがアイドルのメンタルへの配慮です。地上アイドルのように数秒の接触しか叶わないなら、そこまで配慮することもないのですが、地下アイドルは接触も長いし、SNSで絡み放題なので、アイドルのメンタルに配慮することが、絶対ではないですが、マナーとして求められますし、直接お互いの関係性につながってきます。

自分の年齢のせいなのか、最近のアイドルの傾向なのかはわかりませんが、アイドルのメンタルの状態を意識することが増えた気がします。要は地下アイドルをやってる子はメンタルを病んでる子が多いということです。

一言でメンタルを病んでるといってもグラデーションがあります。軽い病み、ファッションメンヘラから、「あ、あと少しでもストレスかかったら飛ぶやつだ…」といった一発アウトになるものまでさまざまです。

なので、アイドルといい関係を築きたいなら、一定の配慮が求められます。アイドルのメンタルに配慮せず、デリカシーのない発言ばかりすると、その場は笑顔でも、まったく好かれず、というか嫌われて、いい関係が築けないということは往々にしてあります。

なぜ金を払ってる側が気を遣わないといけないのか、気を遣われるのは我々ファンの方なのではないか、という疑問はありますが、とはいえ、会いたくて会いに行ってるのはファン側なので、素直に従うしかありません。もう少しアイドルに気を遣え。シモネタが許されるかどうかは、内容じゃなくて、誰が言うかなんだ。それくらい気付いてくれ。

とはいえ、アイドル側も気を遣われすぎてもやりづらいので、基本は気を遣う必要はないと思うのですが、「あ、これは病院にいったら薬を処方されるレベルだ」という子も結構います。自分も仕事でいろいろメンタルを病んだ人を見てきていますが、そういう人はコミュニケーションとか、見た目のオーラでなんとなくわかります。笑顔だけど目が死んでる、目に光がない、どことなく覇気がない。

程度の問題はありますが、体感、アイドルの9割くらいは病んでて、半分くらいはファンの支えによってごまかしが効いてますが、3割くらいが軽いうつ傾向、1-2割は今すぐ仕事をやめたほうがいいレベルだったりします。しかし、それでも長く続けようとしてしまうのがアイドルです。

なぜアイドルに病んでる子が多いかというと、多すぎるライブ本数、運営・メンバーとの関係性もありますが、根本にある原因は、常に衆人環境にさらされ、評価の対象になっていることです。AKBや坂道の個別握手会はメンバーごとにパーテーションで仕切られてます。あれは安全面の配慮もありますが、横の人の列が見えないよう、メンタルへの配慮の意味合いもあります。

普通のサラリーマンであればわかりやすい評価尺度は給与です。営業成績くらいはオープンにされるかもしれませんが、給与や人事評価は他人には開示されず、知るのは上司だけです。だからこそ安心して働けます。一方、アイドルも給与に頑張りが反映されますが、その給与の原資となってる特典会の列はすべてオープンになっています。つまり、この子がどれくらい稼いでるか、周りからどう評価されているかは、なんとなくわかっちゃうわけですね。

アイドルは人気商売であり、自分自身が商品であり、アイドルというキャラクターを売りにしているため、人気がなければ、その人に商品としての価値がないということになります。そこで本当の自分の評価と、アイドルとしての自分の評価をきっぱり分けられる子は病まないと思うのですが、二十歳そこそこの子にそのようなメンタルコントロールができるかというと難しい。

なので、アイドルの自己肯定感はとてつもなく低いです。そりゃそうです。自分の列が形成されない状態が毎日続けば、否が応でも自己肯定感は下がります。自分だったら3日も立たずに発狂するでしょう。みんなよくやってるよ。

しかし、そういう自己肯定感の低い子に限って「幸せになりたい」「普通の幸せがほしい」とか言ってたりするんですよね。幸せになりたいんだったら、まずやるべきことは、契約解除に向けて段取りをして、運営にジャブをかましつつ、最悪、弁護士に相談するくらいの構えを見せることです。アイドルの仕事を辞めて、他人から公に評価されない日常を送るくことが幸せへの第一歩。アイドルで幸せになろうとするの、ギャンブル性高すぎん?

心穏やかな暮らしを望むのであれば、アイドルという超絶ブラックな職業ではなく、誰でも替わりが効く職業こそ、平穏な生活を手にいれやすいというのが世の道理ですが、残念ながらアイドルは何度でもアイドルに戻ってきます。他人から「仕事」ではなく、「私という人間」を評価されるのは、とんでもなく脳内麻薬がでるんでしょうね。普通の仕事は、仕事できてるかできてないかで評価されるわけですが、「かわいい」とか「好き」とか「◯◯ちゃんが必要」とは言われないですからね。独身のおじさんとか、まじで社会から必要とされてなくてビビります。

まあアイドルは若いうちしかできないし、自分の人生なので好きな仕事に就けばいいとは思うものの、アイドルという替わりが効かない職業は大変魅力的である一方、幸せになるハードルは非常に高い職業であるということが、割と忘れられがちです。また、そのアイドルの数も増えすぎて代替可能になりつつありますし、SNSを開けば見たくもない自分のオタクが堂々と他の女に「好き」「かわいい」とリプしてるのを見つけてしまい、スマホをぶん投げたくなります。Xの「おすすめ」クソすぎるだろ。

そういうセンシティブな状況に置かれてるのがアイドルなので、オタクも万が一推しに何か起こっても反射的にキレ散らかすのではなく、生暖かく見守るくらいの感覚が必要ではないでしょうか。とはいえ、オタクもただの趣味ですし、身銭を切って付き合えもしない女の子に会いに行ってるわけですから、そこには情状酌量の余地があってほしいなと思います。

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