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W杯から1年ぐらい経ったのでロシア旅行を振り返ってみる。前編。

2018年7月3日。
サッカー日本代表とベルギー代表が激戦を繰り広げ、2-3での逆転負けという歴史的一戦が行われた日。

日本中が湧いた感動から1年。時が経つのは本当に速いなと思います。その前戦であるポーランド戦の時、僕は現地ロシアにいました。

今まで数多くの国へ行きましたが、ロシアという国は僕自身にとって忘れられない渡航先の一つでした。サッカーにわかの僕がロシアW杯をどう楽しんだのか?

この機会に見たこと感じたことを綴ってみたいと思います。(ロシアおすすめだよ!)

入国前の準備

2017年の暮れに、ふと急に「来年W杯じゃん!この機会にロシア行こ!」って思い、すぐさまチケット抽選を申し込みました。

考えてみてくださいよ。普段ロシアに行きたいと思いますか?こんな機会がないとロシアに行くという発想ってあまりないと思うんですよ。しかもビザが緩和され、入国のハードルがグッと下がるこの時期。行くしかないじゃないですか。

その時はスペイン × ポルトガル等の人気試合が気になっていたのですが、倍率や試合場所(これ重要)なども加味して最終的に『日本 × ポーランド』のチケットを予約。

まさかこの決断が後に悪夢となることをこの時は知る由もなかった・・・

『日本 × ポーランド』を選んだ理由:
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1. 倍率が高くない。

2. ポーランド代表にはバイエルン・ミュンヘンに所属しているロベルト・レヴァンドフスキ選手がおり、世界トップレベルの技量が見られるから。

3. 死ぬ前に1度、試合会場である『ヴォルゴグラード』に行きたかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

割と3.が重要。

一人で行くのもなんなので、サッカー好きの友人Yusuke T.を誘って2枚分を購入。グループステージの日本戦なので倍率も高くなく、すんなりと買えました。

いざヴォルゴグラードへ

当日は成田空港からモスクワ経由のアエロフロートで「ヴォルゴグラード」へ。

海外旅行は超慣れている僕とYusukeも初のロシアということでさすがに今回はビビってました。しかもアエロフロート。


機内食は普通。

※1994年に墜落事故が起きています(アエロフロート航空593便墜落事故

※2019年5月にも起きましたね・・・(アエロフロート1492便炎上事故

さてなぜ今回あえて馴染みのない「ヴォルゴグラード」を渡航先として優先したのか?「ヴォルゴグラード」の旧名は「スターリングラード」。そう、第二次世界大戦の激戦の一つ、「スターリングラード攻防戦」の主戦場です。

僕は近現代史や第二次世界大戦に関することは目がなく、スターリングラードは人生で一度でいいから訪れたかった場所。そんな個人的な趣向に巻き込まれたYusukeくんはこの後のトラブルにも巻き込まれるのであった。

いきなり事件(しかも2つ)

空の旅や入国はスムーズに遂行。今回W杯のチケットを所有している入国者はFan IDというのを事前に作成し、ビザも免除されるので本当にすんなりと入れました。このシステムは観光客の負担軽減のためにぜひ東京オリンピックでも導入してもらいたいです(犯罪防止にも役立ちますし)。

実際大丈夫なの?と思う方は下記の記事を参考にどうぞ。

そんなドキドキとウキウキが混ざった気分で降り立ったヴォルゴグラード!
これからロシアを満喫するぜー!!!



あれ?俺の荷物は?

そう、全乗客のうち僕の預け荷物だけがなかったんです。さっそく洗礼を受けました。これだからアエロフロートは・・・

キレても仕方がないのでバゲージクレームのお姉さんに事情を説明。探して翌日の朝にホテルへ持ってきてもらうことに。

ここで一つ気づいたのがロシア人は圧倒的に英語が得意ではないこと。喋れない人は本当に喋れない。これが後に色々と面倒を起こすのだが・・・

(呆れるYusuke氏)

外に出るとすでに夜。空港にはW杯のために収集されたであろうボランティアの学生たちがいたのでタクシーを呼んでもらうことに。英語でもなんとかこちらの要望を理解してくれました。

そしてタクシーが到着。
へ?これって本当にタクシーなの?っていうぐらい普通の車。強制的に乗せられ、出発。行き先も聞かれずましてやいくらかもわからない。

そもそも言語が通じない。

深夜のヴォルゴグラード、言葉の通じないおじさんとのドライブは色々と思うところがありました。

最終的になんとか無事にホテルへ到着!
タクシーのおっちゃんには賃金を払ってバイバイ。
そもそも適正価格がわからないのでボラれたのかも不明だけど命があるだけ良しということにしとく。

第二の事件

暗闇のホテルの入り口には数人のおっさんが座ってる。しかもあたりはめちゃくちゃ暗い。というかホテル以外の建物がない。
(ホテルといってもモーテルのような感じ)

いや、こんときは本当に怖かった。

そしてオッサンの一人が立ち上がって合図をする。
ついてこいということか?そもそもアナタはダレ?ホテルの人?
というかホテルの中も暗くない?電気とおってる?

たくさんのクエスチョンと不安を胸にチェックイン手続きを進める・・・

するとオッサンが何やらキレ始める。
ロシア語?みたいな言語ですげえ喋ってくる。

落ち着いて耳を傾けるとなにやら入金がされてないということ。Boonking.comで手続きはしたはずなんだけどなー、と思いながらクレジットカードを取り出す。

するとまたキレ始める。

もう何を言っているのかわからないのでGoogle翻訳先生を使ってキャッチボール。

なんとカードが使えないから現金で払えとのこと。

意味わからん。ホテルなのにどういうこっちゃ。
6万円分のキャッシュなんてあるわけないやろ。

するとオッサン、Google翻訳先生をスッと差し出す。

「ATMで降ろして来い」

そう言ってオッサンたちは僕たちを車に乗せ、街のATMに連れて行きました。

この時点で深夜1時過ぎ。あたりは真っ暗。怖い兄ちゃんたちが路地でたむろしてる。
本当に殺されるんじゃないかと思いました。

歌舞伎町が可愛いと思えるぐらいやばそうな客層のATMに連れていかれ、冷静に粛々とカードでキャッシングをしようとする僕たち(というか疲れて動揺するゲンキもなかった)。

しかしいくらやっても下ろせない。画面がロシア語なので意味わからん。

複数のカードを使ってもダメだったので、はっきりとした原因はわからないのですが後々考えてみるとアメリカによる経済制裁の影響だったのかなと思います。

現金下ろせないアルヨ〜とオッサンたちに伝えるとオッサンたちは呆れながら僕たちを車に乗せて再びホテルへ。

これ払えないとどうなるのかなー。身ぐるみ剥がされるのか、警察に突き出されるのか。そんなことを悶々と考えながら再度フロントで「どうする?」とYusukeに相談していると、オッサンがGoogle翻訳の画面を見せてきた。

「ドルでもいいよ」

$・・・?Dollars・・・?
ドル・・・!そんな選択肢があるのか・・・!まさにシカクいアタマをマルくする発想!

財布をさぐりまくると・・・あった!
旅行時の緊急用に持ち歩いている100ドル札 × 5があった!!!!泣

奇跡というのはこういういことをいうんですね。今回ばかりはアメリカ合衆国の安定した経済と通貨の信頼性に感謝しました。中国のようにキャッシュレスに染まってたら危なかった。

持ってたルーブルと合わせてなんとかホテル代をお支払い。
僕たちもハッピー。オッサンたちもハッピー。

みなさんいいですか?海外旅行に行く時はかならず$を手元に持っていてください。死を免れます。

こうして波乱万丈なロシア旅行は最悪のスタートを迎えたのでした。
この時点では僕たち二人のロシアに対する印象はかなりのマイナス・・・

だけどここからの巻き返しがスゴイ。

続く。

(最終日のオッサンとYusuke)

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