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初心者が初めてレンジファインダーカメラで撮影してみた

前回のnoteでレンジファインダーカメラ、Voigtlander(フォクトレンダー)BESSA-Rの購入へ至った経緯をを記述しました。

今回のnoteではレンズを買ってみて、実際に撮影した結果を紹介いたします。

L39スクリューマウントのレンズを探す

フォクトレンダー BESSA-RはL39スクリューマウント(ライカLマウント)と呼ばれる、レンズとカメラボディの接合部が単純なネジのマウントを採用しており、一眼やミラーレスでお馴染みのE-マウントやEFマウントレンズなどは使えません。

ネジのようなL39スクリューマウント

スクリューマウントはオールドレンズなどに多くみられるため、早速ヤフオクなどの中古市場で検索。

・ライカのズマロン - Leitz Summaron 3.5cm F3.5
・ライカのエルマー - Leitz Elmar 50mm F3.5
・キヤノン - 35mm F1.8

などがヒットするがどれも高く、ズマロンやキヤノンは60,000円を軽く超えます。

今回はカジュアルに試し撮りがしたいだけなので、どうにか安く済ませられないか調べてみると、「Jupiter-8」というオールドレンズを発見。

聞いたことのないブランドだったものの、値段が8,000円と抜群の安さだったので購入してみました。

Jupiter-8 50mm f2

初めてのL39マウントレンズ:Jupiter-8 50mm f2

「Jupiter-8」というのは旧ソ連が作った、ツァイス Sonnar 50mm f2のコピーレンズのブランド。

手頃な値段で購入ができ、初めてのレンズとしてぴったりのレンズとのことです。

ただ、安すぎる値段と旧ソ連製のコピー品ということもあり、本当に撮影できるかはわからず不安でした。

購入したJupiter-8 50mm f2。オールドレンズなので傷は目立つが気にはならない。
まるでオモチャのようなレンズのサイズにビックリする。

今回はこのJupiter-8レンズと、フィルムは「Kodak UltraMAX400」を使ってBESSA-Rのテスト撮影を実施しました。

屋外撮影のテスト

まずは宮下公園、銀座、日比谷などでスナップ撮影。

BESSA-RもJupiter-8も問題なく動作し、晴れた日の宮下公園を捉えることができました。

Jupiter-8の性能の影響か、若干淡い色合いになります。
(オールドレンズらしいといえばらしいのですが)

陰影の情報もしっかりキャプチャできており、及第点だと思います。

絞り値を上げまくることで、上記のように遠景もくっきりと撮影することができます。若干、シャープネスも上がっているような気も。

一方で、暗い撮影は結構難しい。

必然的にBESSA-Rの内部露出計に頼り切った撮影になりますが、明るい場所と暗い場所が混在している撮影の場合は露出計が混乱することもしばしば。

ただ、許容範囲ではあるかなと思います。

そして今回一番の発見はフレーミングの難しさ。
レンジファインダーカメラという特殊な構造ということもあり、意図しないフレーミングになることがたまに起きることが散見されました。

上記の写真のように指が時計台の隣に来ることを想定した撮影だったにも関わらず、大きくずれてしまう結果に。

もう一つの写真は顔をしっかりと捉えきれていません。
やはり、現像して初めて自覚するのもフィルム撮影の面白さ。

練習と慣れがもっと必要だということを痛感しました。

屋内撮影のテスト

Jupiter-8のF値の下限はF2なので、暗い屋内撮影の場合はシャッタースピードを下げる必要があります。

BESSA-Rは古いカメラなので新機種のようなブレ防止などありません。

ですので、三脚等がないと屋内撮影は上記のようにブレが生じます。
(これはこれで趣があるかもしれませんが)

F値を下げるとボケが生じていい感じの写真にはなります。

ただ、レンジファインダーカメラなのでピントを合わせるのが鬼のように難しい。

なのでたまにピントが甘い時もありますが、そこはナチュラクラシカ等のカメラでは実現できない表現でもあるので、楽しみでもあります。

総評

今回テスト撮影してみてレンジファインダーカメラの難しさを痛感しました。

特に時間がかかるピント合わせと、困難なフレーミングは、レンジファインダーカメラが抱える典型的なデメリットだと思います。

しかし、そういったデメリットも楽しめるのがレンジファインダーカメラ。

一眼レフほど重くなく、ナチュラクラシカのようにコンパクトで本格的な撮影ができるのは物凄く楽しいです。

BESSA-Rの内部露出計は本当に便利だし、メカニカルな撮影は一球入魂感があって、1枚1枚の写真にしっかりと向き合うことができます。

Jupiter-8も特に問題なく使うことができ、不必要に淡い色合いになってしまうことを除けばいいレンズだと思います。
(あとは対象が近すぎるとピントが合わせられないこと)

何よりもたったの8,000円でここまでのしっかりと撮影ができるのが凄い。

もしこれを読んでいる方でレンジファインダーカメラに興味がある方がいらしゃいましたら、BESSA-RとJupiter-8の組み合わせは入門としてオススメだと思います。

一緒にフィルム撮影という、不便で不合理だけどなぜかやみつきになる写真を楽しみましょう。

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