見出し画像

【本の紹介】『なやみはつきねんだなぁ』と『子どもへのまなざし』

近所の図書館に本を返しに行くと、ついでにウロウロと書棚を見てしまいます。先日は『なやみはつきねんだなぁ』という本を見つけてしまいました。

相田みつをさんのことばに、児童精神科医の佐々木正美先生の文章が書かれている、ハードカバーの薄い本です。

佐々木先生は、昭和10年生まれ。高校卒業後、いったん信用金庫に就職され、お金を貯めて、新潟大学医学部へ。その後、東京大学で精神医学を学ばれます。そして、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学し児童精神医学の臨床訓練を受けられます。

先生は、自閉症のある人の支援プログラムである『TEACCH(ティーチ)』を日本に紹介した方でもあります。

TEACCHプログラムは、現在も、自閉スペクトラム症のお子さんの療育のために、形を進化させながら広く使われています。

(下のブログにわかりやすい説明がありましたので、リンクを貼らせていただきます)

TEACCH(ティーチ)プログラムとは? | 自閉症・発達障害の療育_四谷学院発達支援ブログ (yotsuyagakuin-ryoiku.com)

佐々木先生の著書に、『子どもへのまなざし』のシリーズ3冊があります。

子どもへのまなざし|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)

私は、支援学校で勤めていた時代にその本を知りました。

この本に書かれていた佐々木先生のことばは、「子どもへのまなざし」が優しいのはもちろんのこと、その親や、関わる大人たちへのまなざしがとても優しくて、子育てに悩んでいた自分を癒し、自信をつけてくれました。

その憧れの佐々木先生が、私の勤務校の研修会に来てくださったことがあります。

私は、研修後、先生を学校から新大阪駅までタクシーでお送りする係をいただき、直接お話しさせていただけたのでした。ものすごく緊張してしまってカチンコチンになっていたことを思い出します。

今回、佐々木先生のことを調べているうちに初めて知ったことがあります。

それは、佐々木先生ご自身も、自閉症の息子さんを育てていらっしゃった、ということです。

ツボを見つけるのが上手な整体師さんに、「イタ気持ちいい」ツボをおしてもらっているかのように癒される佐々木先生のことばは、ご自分の親としての経験があるからこそ生まれるのかもしれません。

さて、『なやみはつきねんだなあ』は、そんな佐々木先生と、これまた多くの人々の生きるエネルギーになっているのではないかと思われる、相田みつをさんのコラボ。

こちらの本は、子育てをする大人に限らず、すべての大人に元気を贈ろうと、企画された本だそうです。

相田みつをさんの詩と書はいいですよね。癒されて、力が湧いてきます。

不安な時や失敗した時や、自信を無くした時などにその書を見ると、ふわふわ浮いていた足が地に着くような気持になります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?