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共働き家族は拡大家族を作れたか?必要なのはカオス〜ikumado神戸拡大家族旅行 報告〜

神戸拡大家族旅行プロジェクトとは、ikumadoでの「家族以外の子育て仲間をつくるコツ」イベントをきっかけに、実際に地域でみんなで子育てを実現されている小笠原 舞さんのいらっしゃる新長田に行きたい・体験したい!と始まったものです。

舞さんの取り組んでらっしゃる地域ぐるみでの子育てや、新長田の「境界があいまいになる」感覚を肌で感じました。また、ikumadoメンバーで家族ぐるみで訪れること自体、最高に楽しく、拡大家族を体感できた濃密な3泊4日でした。

今回その様子の報告をさせていただきます。


【参加者】核家族に疑問を持つ4家族が集合!

4家族(大人6名・子ども4名)
ちぎさん
Y家(母・小2・2歳。埼玉から複数家族での旅行体験を目的に参加)
M家(夫婦・2歳。京都から家族以外に周囲を頼る子育て環境を作る目的で参加)
N家(夫婦・2歳。長野から地域ぐるみでの子育てを体験、移住先の視察目的に参加)
+関西在住のikumadoメンバーや友人とも現地で交流

リアルで会ったことがあるのは、数名のみで、ほぼ初対面の人と全国バラバラな場所から新長田に集合し、しかも3泊4日家族ぐるみで行動を共にする、というなかなか挑戦的な旅だったと思います(しかもうち2人は妊婦)。

【宿泊場所】大人も子どももほっと気がゆるむ長屋のゲストハウス

舞さんが営む、新長田のゲストハウスとまりぎ さんに宿泊させていただきました!ほっとできる雰囲気の長屋と、家の前には路地があり、子ども達は常に「家の前に帰りたい」と大人気。子どもを家の前で遊ばせながら、大人達はまったり、がっつり語り合うことができました。

大人はゆっくりおしゃべり。子ども達は楽しく路地遊び

隣には舞さんのパートナーさんが営む、超絶オシャレで美味しいお酒とごはんを出してくださるCafe&Bar SAKAZUKIさんがあり、22時までゆっくり飲み、語りました。子連れでバーに行ったり、夜遅くまで飲み語ることは諦めていた中、子どもを遊ばせたり、膝で寝かせながら、思う存分話すことができて感動でした。

下町ゲストハウス とまりぎ ‖ Cafe&Bar SAKAZUKI

【旅行のメインイベント】①新長田の町案内 ②介護施設なのか?カオスを体現するはっぴーの家ろっけん ③「境界があいまいになる」下町暮らし

もとは3泊4日のうち1日は、THE神戸観光にあてようと思っていましたが、結局1家族がクルージングに行った以外はほぼ新長田の近くで「暮らして」いました。朝7時の喫茶店モーニングに始まり、日中はゲストハウスのちゃぶ台を囲み、夜は22時までバーで声が枯れるまでしゃべり倒しました。
メインとなったイベントを振り返ります。

イベント①オーナーさんからの新長田町案内
初日に舞さんに新長田の町を案内していただきました。銭湯や喫茶店、美味しいお惣菜屋さんが立ち並ぶ商店街の紹介や阪神・淡路大震災からの復興の歴史、国際的な交流ができるコミュニティスペース、商店街と共存している駅ビル、子どもも含め多様な人が舞台を楽しめる劇場、震災の時燃えずに残り今も地元の人に愛される丸五市場など。
何より、町を歩きながら、舞さんが日常として町の方と挨拶+一言お話をされながら歩く様子を体感して、日常と非日常の境界、自分と他人との境界、自分が勝手に作っていた壁がとっぱらわれていく感覚があった気がします。

初日にこの感覚を味わったおかげでその日から、「新長田の住民になる」ことができた気がしました(その後訪れた神戸在住のメンバーに我が物顔で町紹介をしました)。

新長田のあたたかみのある商店街

イベント②「はっぴーの家ろっけん」訪問&中高生の炊き出し
初日に舞さんが「はっぴーの家ろっけん」も案内してくださりました。「はっぴーの家ろっけん」は区分としてはサービス付き高齢者住宅なのですが、「介護付きシェアハウス」と表現されています。
ただ、実際に中に入ると、もうなんと表現していいかわかりません。

シェアハウスであり、仕事をしている人もいるシェアオフィスであり、小中高生のたまり場であり、ミニ豚が走り回っている牧場でもある。

「はっぴーの家ろっけん」は、常に「べき」をとっぱらうべく、あえて看板をつけず、枠にはまらない努力をしている感じました。豚を飼った経緯も「カオスが足りないから」だそうです。このカオスがあることで、「境界があいまいになる」。家族と他人、大人と子ども、女と男、障害者と健常者、どっちでもよくなるんだな、と感じ、ikumadoの理念でもある、「べきをこえてらしくいきる」にも通じると思いました。

介護施設をミニ豚が闊歩する最高のカオス


さらに、幸運にも「はっぴーの家ろっけん」で中高生主催の炊き出しがあり、私たちも美味しいハヤシライスをいただくことができました。

最初舞さんが、「今日中高生がはっぴーの家でハヤシライスの炊き出しするからよかったら食べていってくださいー」と言ってくださったのですが、私たちの頭の中は「??」「はっぴーの家は介護施設なんだよね?なぜ中高生?しかも炊き出し?」となりました。
経緯としては、学校に行っていない中高生が空き地で自分たちの家庭菜園をもち、水道代や器具なども自分たちで運営しているとのことで、そのための資金集めの炊き出しでした。農業だけでなく、金銭管理も勉強し、自治体の補助金の申請なども自分たちで行っており、学校では学べない生きる力を持っていました。

「はっぴーの家ろっけん」のガレージでみんなでお米が炊けるのを待ち食べた、中3の子が頑張って大量に作ってくれたハヤシライスは絶品でした。
みんなで食べたこともあり、普段あまり食べない子どもも、完食。「みんなで食べるとおいしいね」と連呼していました。

中高生が作ってくれたハヤシライスをみんなで食べる

イベント③ゲストハウスでの下町暮らし体験
最後はイベントというか、「暮らしそのもの」についてです。
ゲストハウスのほっとする長屋の雰囲気と、子ども達がのびのびと遊び、親達はゆっくりとおしゃべりできる路地を堪能しました。
また、近くの銭湯に入って、徒歩圏内にある商店街で美味しいごはんを買って、みんなでちゃぶ台を囲んで食べる、暮らしそのものに気がゆるまるのを感じました。
日常と非日常の境界やそれぞれの家族の境界が曖昧になって、自然にお互いに頼り、助け合い、「拡大家族」になっていけたと思います。

ゲストハウスでゆったり語らう

【今回感じた自分と子どもの変化は?】国内でも越境体験。どこでも誰でも拡大家族になれる!

3日目の夜にはバーSAKAZUKIさんをお借りして、みんなで旅行の振り返りを行い、自分や子どもの変化・気づきについて感想をシェアしました。

・家ではテレビやYouTubeを見たがっていたが、旅行中一回も言わなかったし、ゲストハウスにテレビがないことに気がついたのは最終日だった。デジタルデバイスよりも、色んな人と関わる体験やみんなで囲んで食べるご飯が魅力的なんだと思った。
・ひとりっ子だから想像ついていなかったが、大勢の大人や子どもの中でものびのびと過ごす様子が発見だった。普段の核家族ではみられなかった、拡大家族で楽しんでいる子どもをみることができた。
・家族でもない親戚でもない人に子どもを預けられる関係性、安心感を体感した。みんな気持ちが緩んで、境界がなくなっていく感覚
・海外ではないけど、文化を越境する体験により、下町や拡大家族を実現することは、「どこでもやればできる」と思った。

【家族以外の子育て仲間をつくるコツ・拡大家族になるために必要なこと】まずは挨拶から。「べき」を超えて「らしく」生きる

最後に、今回のテーマである「家族以外の子育て仲間をつくるコツ」についてです。この旅行を通して、今回のメンバーは「拡大家族」になれたと感じました。今後自分の住んでいる場所に帰ってどうすれば「家族を広げることができるか」について話しました。

「家族ってこうあるべき」をなくす
「助けて」とまず言ってみる。相手が得意なこと、苦にならないこと少しから頼んでみる。そして自分も頼られ、助けたことが循環していく
「挨拶モンスターになる」。挨拶から一言ずつ喋るようになり食卓を囲んで「家族になる」。マンション砂漠でも、相手から返事がなくても挨拶してみる。
まず1家族からいったりきたりする仲になる。

【おわりに】

以上、旅行の報告になります。ただ、旅行が終わって、それぞれの家庭・地域に戻ってからが本番。非日常で終わらせず、それぞれの日常でどう変化したか、何かアクションを起こすことはできたかについてはまた振り返りたいと思います。

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