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企画の教科書その1『番組企画とコーナー企画』その違い。


放送作家という仕事をしていて、毎日のように新企画を考えています。
面白い企画が生まれることもあれば、全然面白くない企画になってしまうこともあります。
ですが、毎日企画を考えていると自分の中でいくつか「企画の考え方」のパターンが構築されてきます。そのいくつかのパターンを知っておけば、企画がまったく思い浮かばない! という時のヒントになるかもしれません。
私なりの企画の考え方についていろいろと記事にし、教科書としてまとめていこうと思います。

今回は、企画の考え方というよりは企画の分類についてのお話です。

私は放送作家ですので、テレビの企画についての考察となります。


企画には大きく分けて、二種類に分類できると思います。一つは番組企画、そしてもう一つはコーナー企画です。
これは私が考える分類であり、これといった決まりがある訳ではありませんが、この考え方を抑えておけば、テレビ番組において企画を生みだすまでのプロセスに大きく役立つことと思います。


では、この二種類について簡単に説明していきます。

その言葉から容易に推測できる通り、番組企画とはそれ自体がテレビ番組になる企画で、コーナー企画とは番組内の小さな企画のことです。


「番組企画」「コーナー企画」の一番の違いは、幹が太いか否かだと考えます。
ここでいう幹が太いとは、単純に言えばその企画単体で番組が一本できるような内容である、と考えれば少しは理解できるのではないでしょうか。


具体的に企画単体で成立している番組名を挙げてみると……。

・世界一受けたい授業 (日本テレビ)
・ポツンと一軒家 (朝日放送テレビ)
・ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます! (TBS)
・緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦 (テレビ東京)
・痛快TV スカッとジャパン (フジテレビ)

これら番組には共通点がいくつかあります。
まず一つに、企画を一行で説明できるシンプルさです。タイトルを見れば、だいたいどんな番組なのかもわかってしまう。それこそが、幹の太い企画と言えるでしょう。


また、どの番組をとっても司会者となるタレントは誰でも構わないという点も大事な要素です。

もちろん素晴らしい出演者で、その企画が輝いていることは間違いない。ですが、もし仮に出演者を横にそれぞれスライドしてみても成立するでしょう。それこそが企画の太さなのです!


テレビの企画を考える時に、この点を踏まえて考えていくと自ずと幹の太い企画になっていくはずです。

ただ忘れてはならないのが、必ず視聴者の興味を引くテーマである必要がある、ということ。

視聴者に「どうでもいい」と思われるテーマでは企画とは言えないので、そこはマスト事項、第一事項として念頭に置くように注意することです。


テレビの企画を考えることはなくても、なんとなくこんなことを知ってテレビ見てみると、違った楽しみ方ができるのではないでしょうか?

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