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事業は1週間で立ち上げろ!

起業/創業と聞いて、皆さんはどんなプロセスを思い浮かべるでしょうか?
・事業計画を作って
・銀行に融資を申し込んで
・法人登記して
・税理士会計士探して
・・・etc
みたいな煩雑なイメージがあったりしないでしょうか?

確かに、会社という体裁で人さまからお金をいただく事業をやって行くうえで、それらを整えていくことは必要なプロセスです。
が、それらは「起業のプロセスのごく一部にすぎない」ということと、「その前にやるべきことがある」ということについて今日はお話ししたいと思います。

関連する記事を過去に書いているので、もしお時間あればそちらもご高覧いただければ嬉しいです。

まずは1週間、1人でやってみよう

これまで起業支援をしてきて何百人という起業家/企業内起業家(志望者)と関わってきて、みんな起業を複雑で難しいことと捉え過ぎているな、と強く思います。
あれこれ悩んだ末に結局やらない、なんとなく腰が引けて行動に移せない。
能力資質は十分にあるのに。

それならば、1週間でできることを一度列挙してみて、一旦それらをクリアしてみよう。というのが今回の僕の主張です。
ではどんなプロセスを踏めばいいか。

①事業アイデアをテキストでまとめる
②顧客層をできるだけ絞りイメージを明確に持つ
③それらのターゲットに向けた広告素材(Webページやパンフレット)を作る
④SNSや口コミで周知し、仮説検証に協力してくれる人を募る
⑤実際に仮説検証(インタビュー等)を実施する

ざっくりいうとこんな感じです。
これらは1人でできます。お金もかかりません。
ここに、チームを組んで合意形成をとる、というプロセスを加えるのもありっちゃありですが、一旦1人で上記のプロセスを経てベースを作ってしまう、というのがベストだと僕は考えます。

それらがまさに、起業のファーストステップになる、かつ大事なスタートのアクションになるのです。
冒頭に申し上げた、会社としての体裁整備はそのあとです。
1週間でできることをまず整理するところから始めてみましょう。

1週間でやること

まずは1週間で1人でやる。前述の通り、
①事業アイデアをテキストでまとめる
②顧客層をできるだけ絞りイメージを明確に持つ
③それらのターゲットに向けた広告素材(Webページやパンフレット)を作る
④SNSや口コミで周知し、仮説検証に協力してくれる人を募る
⑤実際に仮説検証(インタビュー等)を実施する

を計画的に実施していくと、事業の体裁が自然と整い、この1週間の検証の成果次第で、事業推進の可否を判断する、ということもできます。

具体的なイメージを共有しておきましょう。

①事業アイデアをテキストでまとめる

「思考の可視化」は非常ーに重要です。脳内であれこれ考えていることを一旦紙に書き出してみる。
その時に5W1Hをできるだけ明確に描いてみます。

【5W1H】
Why=なぜやるのか
Who=誰に向けてやるのか
What=何をやるのか
Where=どこでやるのか
When=いつやるのか
How=どうやってやるのか

さらに具体的な整理をする方法に、「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークがあり、こちらも使いやすくて便利です。
ビジネスモデルキャンバスについては、僕が古巣で書いた記事をお読みいただけると、起業のファーストステップがより詳しく理解いただけると思うので、よかったらご覧ください。

②顧客層をできるだけ絞りイメージを明確に持つ

これは、前述の5W1HのうちのWho=誰に相当するので、最も重要な要素になります。
起業の最初の段階でやっていけない最たるものとして「多角化前提の事業構想」があります。
・このアイデア、あんな人こんな人にもうけるんじゃないかな?
・あの事業と組み合わせたらシナジー(相乗効果)が期待できるのでは?
・キャッシュポイントを増やすために、いろんな機能があったほうが良さそう?
それらはこのファーストステップではガン無視でOKです。
絶対やってはダメなことです。

それよりも、「自分たちが誰のどんな課題を問題として捉えていて、最初に貢献すべき顧客像(ペルソナ)を明確にする」ということがめちゃくちゃ重要です。
できればこの時点で、実際に顧客として当事者になりそうな人が周りにいないかどうかイメージしておくとさらに良いです。
間違えても、アイデアをあらゆる人に刺しに行くようなことはこの段階ではやるべきことではありません。

③それらのターゲットに向けた広告素材(Webページやパンフレット)を作る

今はWixやペライチなど、素人向け簡易WebサイトやCanvaのような上質なチラシを個人で作成できるツールがどんどん増えてきました。
デザインスキルがない人も、Web知識がない人でも簡単に扱うことができ、無料プランでほぼほぼできます。
これらを有効活用しない手はありません。

ここで作ったWebやパンフレットは、その後の事業仮説検証でとても重要な素材になりますので、時間をかけて作り込む必要はありませんが、
・インパクトのあるサービス名
・自分たちがこの事業に取り組む意図(自分たちの問題意識)
・誰のどんな課題を解決するのか
・簡単な利用イメージ
・価格(暫定でよし)
は最低限網羅させておくと良いです。

④SNSや口コミで周知し、仮説検証に協力してくれる人を募る

広告素材ができたら、まずは身近で仮説検証にお付き合いいただける人を見つけましょう。

アンケートやインタビューを受けてくれる人を繋げてくれるサービスがいくつかありますが、最初の時点ではSNSや人づてで、そのサービスの対象者になりうるもしくは自分たちが解決しようとしている課題を持っていそうな人を探します。

ここで気をつけるべきは、「なんとなく暇そうな人に頼んでみる」では絶対にダメで、前述の通り、「自分たちが解決しようとしている課題を持っている当事者」を探すことが重要です。

協力者を探す上で、SNSでつながる人づての戦略は非常に有力です。
5-6人のツテを辿れば、協力者を確保できる可能性が大いにあります。
皆さんは"6次の隔たり"という概念をご存知でしょうか?
かいつまんで説明すると、6人分の知り合いを掛け合わせると、つながる可能性があるのは44人の6乗つまり、72憶5631万3856人となる。このことから、理論上は6人の数珠つなぎで世界中の誰とでもつながる可能性がある、というような考え方です。

⑤実際に仮説検証(インタビュー等)を実施する

広告やパンフレットを見せながら、相手からのフィードバックをもらうフェーズです。

仮説検証のポイントは「量より質」です。
100人にアンケートをとってなんとなくの傾向を掴むより、できるだけその課題を抱えている人にじっくりインタビューを5件やる方が、確実なフィードバックを得られます。
(ちなみに、ユーザビリティテストの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士も、仮説検証は「テストに必要な人数は「5名~9名」が適当であり、少なくとも5名の協力者がいれば85%の改善点が発見できる」と提唱しています。)

まずは自分たちが解決したい課題とサービスアイデアを共有したうえで、フィードバックをもらいにいきましょう。

ちなみに、これはUXにおけるユーザーインタビューという具体的な方法論があるのですが、今日はそこは割愛してまたどこかで書きたいと思います。

まとめ

今日は、
・起業に膨大な準備はいらない、まずは1人で1週間でやってみる。
・そこからうまくいきそうなら、さらに広げてみる。
・1週間やることとして5つがある。
というお話をさせていただきました。

とりあえず1人で1週間やってみる。
そこでダメだと判断したら次のアイデアで検証してみる。
それでいけそうなら、その先に進めてみる。
それくらいの気軽さでやっていく方が、成功確率は格段に上がっていくと思います。

普段僕の記事はわりかし精神論や哲学的な内容に偏りがちだなぁという反省もあり、今日は少し実践的なことを書いてみた次第です。

タイトル的にめっちゃ体育会系の精神論的な感じだったかもしれませんが、僕はあくまでサイエンス(科学)をベースにした上で、時にエモーショナルな要素も加えつつ、バランスよく起業論を提唱したいなと思っている人です。

今後こういう実用的な記事も書いていこうと思うので、引き続きお付き合い頂けたら幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

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