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お題:初恋「첫사랑」

 高2の終わりに先輩と来てからだから、何年ぶりだろう。
 ここ熱海は、初めて先輩の気持ちがわかった俺にとって忘れられない大事な「恋の街」だ。
 大学時代は、一緒に住んでいたけど、先輩の仕事の関係でいまは別に住んでいる。俺は、いまだにこの恋人を「先輩」と呼んでいる。2人だけのときは、たまに「あめみやぁ~」。
 先輩、と呼んでいたほうが、周りの人に2人の関係を説明しやすいからだ。俺はバレてもいいんだけど、先輩は仕事とか、立場上むずかしいみたいだ。

 熱海の海はあいかわらずきれいで、寒いせいか人もほとんどいない。手ぐらいつないでもいいだろう。

「パシンッ。」 ─ やっぱり叩かれる。
「外だから!」

口を尖らせて抗議するが、先輩も睨み返す。
─ 「じゃあ、あとで、内でね!!!」
言い返すと、先輩の目がちょっと戸惑って赤くなる。ふふふ。カワイイ。

遠くを船がゆったりと渡ってゆく。波は際限なく優しく打ち寄せる。
─ 永遠ってあるんじゃないかな・・・。

先輩が遠くを見てる隙に、スマホで英訳辞書をひらく。
─ よし、これだ。
砂浜に落ちてた棒っきれで文字を書く。

「OUR FIRST LOVE IS ETERNAL LOVE」

note初恋

でっかいハートで囲んでやる。

「何描いてるんだよ?」

─ 「いえいえ、いたずら書きですよ」

先輩が読む前に、波がハートを消してゆく。

「そろそろ戻るか」

─ 「早く内にいきましょうよ!」

先輩は、くすっと照れ笑いして、俺の頭をポンッてした。

fin



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