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もり酒店様

大正期の創業以来、ずっと美川の町に美味しいお酒を提供してきた酒屋さん。個人宅への配達も含め、地元密着のお商売をなさっています。

既存のサイトは存在せず、自社として初めてのサイトを持ちたいというご依頼でした。

社長の森様は、お父様から社長業を引き継いで3年目。お父様の代の経営方針から転換を図り、「今までのもり酒店のイメージからの脱却」を目指して奮闘なさっていました。端的に言えば、大量仕入れ・大量販売から、より厳選した酒を仕入れ、それを求める人たちに丁寧にお売りする酒屋に生まれ変わっていきたいということ。唎酒師の資格を持ち、地元の飲食店をYouTubeで紹介して回るYouTuber活動など普段から本当に熱心に地元を盛り上げていこうとされています。(当然ながら相当飲める人です。)

イメージの刷新と、その結果として酒造からはより信頼され、飲食店や個人客からは引き合いがUPする。これが本案件の目指すところでした。さらに言えば、飲食店との取引で重要なのは商品の品揃えやお酒の知識の豊富さだけでなく、「飲みたくなる気分を演出するのが上手な酒屋さん」だと思ってもらえたらいいんだろうな、と、そんなことを考えながらの制作になりました。

さて、森社長のお話を聞いていて、森社長がこの地で酒造と手を組んで良い酒作りに奔走されていること、また生活道路の隅々まで知悉して宅配に回ったり飲食店を回ったりされていることで、「町の血行が良くなってる」ような印象を受けました。美川への地元愛がすンごい。

そして、美味しいという気持ちを「分かち合う」こと、その促進の中に、森様のやっていることの価値の一片があるんだろうなとも思いました。この辺、月並みな表現しかできなくて申し訳ないのですが。美川というロケーションも、またいいんですよね。白山の伏流水と、米と野菜、北前船が寄港する湊町っていうのと。いろんなものが自然とここに集まってくるんですよね。

そうしたことから思考を進めて、「原点回帰」「酒屋とは繋ぎ手である」といった言葉に始まる一連のコンセプトを納品させていただきました。

個人的には、私のヒアリングを受けて、デザイン担当の谷川さんが最初に予定していた仮デザインからガラっと変えてきたというのが印象に残っています。前案の捨て方が潔すぎてびっくりした。「何を伝えるべきか」が明確になったことで、デザインもそこに照準を合わせていく。「言葉が軸になって企画が動く」というのを体感できた仕事でした。(そして私は今の黒基調のデザインがとても好きです。)

森様、ありがとうございました。コロナで飲食店がダメージを受けている中、森様のような明るくて元気で「みんなでこの土地を盛り上げよう!」という気持ちに溢れた存在は、希望の光だと思います。私はこの取材にかこつけて日本酒をいろいろ飲めたのが最高でした。

*まとめ*

私のしたこと:ヒアリング、コンセプト策定及び書き起こし(「もり酒店について」)、冒頭ボディコピー

上記以外の全て:谷川司さん

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