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手を描く練習#2:ひらいた手編。手袋戦法の数稽古

前回、2パターンの手の描き方(手袋戦法&折り紙戦法)を練習して、少し感覚をつかめてきたので、今回は色々なアングルで試してみる。

数稽古。色々なアングルの手で練習

今回の練習内容
・様々なアングルのひらいた手を手袋戦法で描く。

練習目的
・たくさんのアングルの手の画像を見ながら描いて、手の見え方やバランスの認識違いを修正して観察力UPを図る。
・どのアングルならば手袋戦法が使えるかを実践を通して理解する
・数をこなして手袋戦法での描き方をもっと熟練させる

■実践。
今回使用したお手本画像は人と形のサイトから選んだこちらの3枚。

お手本3枚

まずは1枚、ざっくりとトレースして手袋型でアタリを取ってみる。

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次に、アタリを参考にして、ブロック化してみる。

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最後に、ブロック化した部分を、指の関節の比率を考慮して細部を書き込む。

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最終的に出来上がったのがこんな感じ。

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■考察。
お手本3枚の手すべてに手袋戦法で描く練習をしてみること約3時間。

3枚トレース

色々なアングルで試して描いてみて線画だけ見ると、違和感がすごい。

自分がこういうものだと思い込みで認識している長さや形状と、描いた線画が違うからものすごく違和感を感じる。三次元を二次元平面に射影しているから、特にアングルがきついものは顕著。

でもしっかりと見て、思い込みの認識間違いを修正していくことで、この違和感を乗り越えてられて、センサーとしての目のセンシング解像度というか観察力が上がるんだろう。

デッサン経験豊富な人が書くイラストのバランスがいいのはこの観察力が磨かれているからなんだろう。

実践練習。

今度は3Dモデルの絵ではなく、こちらの実際の手の写真を使って描いてみる。
今回はトレースではなく、写真を見ながら描くデッサン。

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しっかりと見て、手袋的アタリをとり、ブロック化して、細部を描き込む。
今回は、次のステップに進む前に必ず「バランスを見る」ようにした。

その地点でおかしかったら修正してから次に進むことで違和感ないバランスの手を描けることを目標にした。


アタリは、まずはざっくり。

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次にブロック化。
描いてみて指が短いと思ったのでこの地点で指の長さを修正。

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そして細部を書き込む。

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うん、明らかにおかしい。線画だけ見てもわかる。

たぶん数日前の手を描く練習をする前の自分なら、このおかしさに気づかなかったかもしれない。これが数稽古をして身についてきたバランス感覚的なものかもしれない。

ここからはデジタルならではの特権。この段階でも色々修正してみる。
写真と見比べて、小指の長さや中指の太さ、手首など違和感を抱く部分を細かく修正していく。

微修正して最終的に書き上がったのがこれ。

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バランス的には合っている感じに見える。
これが今の自分の限界。ここまで約50分。

そして、勇気を出してお手本と重ねて比較評価する。

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びっくりするほどずれていて、重ねた瞬間に笑ってしまった。
中指を基軸にして数度回転している。

ただ落ち着いて振り返ってみると、ずれまくりなのは当然の結果だと気付く。

今回は前回と違って、中心線から位置や線の角度がどうなっているかといった計測(目測)をして描くことをほぼしないで、アタリを基準にしてバランスを取って描いた。だから、バランスは合っているけれど、お手本とは違うものになっている結果になった。

イラストであれば、正しいバランスで違和感がなければ正解だが、デッサンならば正確に描写を切り取るカメラのような精度を求められるからこれは不正解だろう。

全体を見ながらバランスを取りつつ、物体形状の目測をしながら正確な情報を切り取り描き込むのは、森と木を同時に認識するような感じで、なかなか難易度が高い。

常にコロコロとマクロとミクロを見るスイッチングしながら描いていく事が必要なのかもしれない。絵は奥深いな。


最後に、線画だけではどうにも違和感を感じたり、立体認識に疑問符が出てくるので、もしかしたら陰影が立体認識に与える影響が大きいのかもしれないと思って、色をつけたり、影をつけてみたりする。

1個目はシンプルに肌色でベタ塗り。線画+肌色。

もうひとつは、デッサンぽく、グレーで下塗りしてから消しゴムツールで少しづつ削り、さらにエアブラシで濃い影を乗せることを繰り返すこと約30分。

やっぱり影や色があるとそれっぽくなる。

色と影

はちきれんばかりの指の膨らみから、影で質感を出す練習も必要だなと、新たな大きな課題を突きつけられる。

がんばれ、自分。

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