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グランド・ブダペスト・ホテル

今回はウェス・アンダーソン監督の作品。
ジャケットが印象的で以前から観ようと思いつつ後回しにしていた映画です。

なぜこの作品かという大いなる余談をしますと、
先日上司との企画打ち合わせで
「ウェス・アンダーソンみたいな撮り方したいよねぇ」と言われた際、具体的に思い浮かばず
「あ、すみません見てなくて。どんなイメージでしょうか…?」とクソ正直な返事をしてしまい、気まずい空気を作り出してしまったからです。


「若い世代に合わせて伝えたつもりだったんだけど…」としょんぼり上司を生成してしまった贖罪と引き出しを増やすべく、しっかり勉強していきたいと思います。

「THE GRAND BUDAPEST HOTEL」

全体として、
別世界をのぞき見ている印象を受けました。
それはほとんどのカットがフィックスで撮られていたからだと思います。
決められた画角を用意して、その中で登場人物が動いていく。
いくつもの定点カメラでモニタリングしているような映像だったため“のぞきみ”映画に仕上がっていました。

カットの切り替わりの際も
次の画角が定まってから、
登場人物がインすることが多かったです。
人を追うのではなく、あくまで視点の切り替えとして使うことで「第三者として事象を傍観している」気持ちになったのだと思います。

編集テンポも今どきで、
登場人物の会話は、
基本的に喋っている人の顔を映しているので会話のテンポによってはめちゃ速カット編集になる。
もうTick Tockの早口動画のテンポやん、という感じです。

いわゆるパンのようにカメラが動くこともありますが、すごく俊敏で溜めも意思もない。
映像好きじゃなければ見逃しちゃうねのスピード感でした。
よくドキュメンタリー映画などで、
じっくり・感情的に人物を追うことがありますがそれとは真逆。
非常にシステマティックなカメラワークだからこそ、ウェス・アンダーソンの魅惑的で不思議な世界が保たれていると感じました。

「南極料理人」なんかは舞台見てるみたいだなーって感じでしたが、これは舞台を見ているのとは少し違って、なんか、ダイジェスト映像見てる感じ…。
そういうと全然おもんなさそうなんだけど。
好みがわかれそうですね。

決められた画角内でどんな演技・演出ができるか?
という“シバリ”の中で制作するのは面白そうだなーと思いました。
とはいえ、これだけのセットを組んで完成された世界観を作り出せたらのお話。

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