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昭和シンセオタクが選ぶ無料ビンテージシンセ・エミュ(製品無料版その2)

ポリシンセ黎明期の名機を彷彿した「HY-POLY」

70年代中頃に従来モノフォニック(単音)でしか演奏できなかったシンセが和音演奏できるモデルが徐々に登場しました。そんなポリシンセ黎明期の名機のひとつ「Oberheim SEM Voice」シンクロできるオシレーターが2基のモノシンセを和音演奏数分パネルに埋め込むという力業の仕様で、80年代のポリシンセと比べると非常に大味なサウンドで、本体も異常にデカい特徴がありました。その「SEM」を彷彿する操作性のソフトシンセ「HY-POLY」の無料版をご紹介したいと思います。

無料版とはいえしっかり名機サウンドを再現

「HY-POLY」の有料版と無料版の違いは、操作できるオシレータータイプがスタンダードのみで、搭載エフェクターの種類が少なく、演奏できる和音数が4音までとかなり低スペックに思えますが、モノフォニックの「SEM」が4和音まで演奏できるとポジティブに考えています。(追記:2022年7月のアップデートで8ポリまでUPしました!)出音はオーバーハイムを彷彿する芯が太いサウンドで、もちろんベロシティ対応。リリースを含めたエンブローブが4つあり、ローパスとハイパスのフィルターを別々にエンブローブ調整できたりと「SEM」実機以上の性能になります。

「HY-POLY」無料版の総合評価

往年のオーバーハイムを彷彿するサウンドですが「OB-X」の無料エミュ「OB-Xd」と比べると低音の太さが若干及ばなく感じましたが許容範囲です。操作性は「SEM」の強化版ともあり、大雑把な操作性の「OB-X」の比にならない繊細な音作りが可能。エンブローブが4基もあり各操作部に自由に割り当て(+マークを右クリック)れますが、逆に「Juno-60」のように1つのエンブローブのみで制御するという事も出来ます。和音数内に収まるパートなら大いに活躍できるシンセと思います。

「SEM」再現シンセではありませんが、OSC仕様は酷似し、VCF2基、EG4基の仕様は圧巻。
「HY-POLY」のSAW波形をオシロスコープでみると終端に程よい鋭さがある事がわかります。
「Juno-6」エミュ無料シンセ「TAL-U-No-62」のSAW波に近いものがあります。

「HY-POLY」無料版のダウンロード


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