色めがね と 存在としての私

避けがたい色めがね

先日、ODNJ関西分科会主催の「ナラティヴ・セラピーから理解する対話の実践」に参加しました。ニュージーランドから一時帰国中の国重浩一(Kou)さんによるワークショップでした。

たくさんの気付きがありましたが、中でも「避けがたい色めがね」と言うメタファーを使った話で、ここ2~3年の間ずっと疑問だったことが一つ晴れました。完全にスッキリしたわけではないですけど、一歩前に進めた気がしています。

一つ前の記事でも書きましたが、簡単にご紹介します。

◇ 避けがたい色めがね -「普通」「当たり前」とは何か?
 ~「取ったらよい」と言うメタファーもあれば、
 「取ったら見えなくなる」と言うメタファーもある~
                     by Kouさん
  ⇒「色めがねを外さなければ」よりも、
  「私は色めがねをかけている」と理解していることが
  重要なのでしょう。

「あの時の私」を否定する辛さ

この世に生まれてから今まで、たくさんのことを私は身に着けてきました。

 ◇ 危険から身を守るためのこと
 ◇ 周囲に受け容れてもらうためのこと
 ◇ 大切に思う人たちから、大切にしてもらうためのこと
 ◇ お金を稼ぐためのこと 等々

結婚して二人で暮らすようになり、自らが親になり、会社では管理職になり、最近ではカウンセラーや講師として人と接するようになり、それまでの人生の中で身に着けてきたものを、自ら否定しなければ次へ進めない、そんなことが多々起きました。

「私のあの時の経験は、なんの価値も無いことなのだろうか?」
そんな風に感じることが何度となくありました。

もちろん、「様々な経験が、あなたの人生を豊かにしているのですよ」と言われれば、「そうでしょうとも!」と思います。でも、その観点ではなく、一定の期間、「これが正しい」と信じて行動したことを、「あれは間違いだった」と振り返って考えてしまうことが、とても寂しく、辛く、苦しいことだったのです。

今、どんな「色めがね」をかけているだろうか?

Kouさんが、「色めがねをかけているなら、『それをとったら良い』と言う人もいるだろうが、そう簡単ではないよね」と、Kouさんが笑顔で語った時(正しくは少し表現が違ったかも)、私はこれまでの人生・経験を全面的に受け容れてもらえたように感じました。

「そうか、私のこれまでの経験があって、私の『色めがね』が出来上がっているんだ。むむむ?私は、幾つかの『色めがね』を持っている気がするぞ」
私は、「存在としての私」をしっかりと認めてあげられた気がしました。

なんだか、楽しい気分にまでなりました。単純です(笑)。

また、やはりKouさんが「色めがねだとしても、取ったら見えなくなる、と言うメタファーもある」と仰った時に、「結局、私は私でしかないから、私が私であることを放棄したら、何も見えなくなるのだな」と思いました。
(わかりにくい表現ですみません。今の精一杯の表現です)

半歩後ろから、相手と一緒に、ナラティヴを見る

よく「相手の靴を履く」とか、「相手の目玉を借りる」とか言います。
実は、それらの表現は、大切だと思う反面、あまり好きではありません。
なんだか、「私」を大切にしていない気がするからです。

ワークショップの場で、参加者から「Kouさんは、(相手に対して)どこに居るのでしょうか?」と言う趣旨の質問がありました。Kouさんは、半歩後ろに立ち、「ここです。相手が主役だから、相手より前にはいない。ここから、相手と一緒に見る」と言うような回答をしました。

その位置取りと仕草、言葉から、私はピカーンッ!と閃きました。
「私とあなたは、それぞれ別の色めがねをかけている。だから私はあなたの役に立てるのだ!」

 相手の価値観・当たり前と私のそれが違うからこそ、半歩後ろから、相手と一緒にナラティヴを見ることで、相手にとって意味のある「問いかけ」をすることができる、そう思いました。

これからは、これまで以上に「私」を大切にしながら、「あなた」を大切にする、WIN-WIN になる、そんな風に過ごしていけそうです。

ちょっと紹介。

名古屋でも、ナラティヴ・セラピーを体感できる機会があります。
私は主催ではなく、参加者です。興味のある方、ぜひ一緒に学びましょう。

【名古屋市開催】~もっと語りたくなるナラティヴ・アプローチ~
「圧がない関わりの居心地」

主催: ナラティヴ・セラピー実践研究会mana

日 時: 2019年12月23日(月曜日) 10時~17時
場 所: 東桜会館 第2会議室
   名古屋市東区東桜2-6-30
   東山線「新栄町」駅1番出口より徒歩5分
   桜通線「高岳」駅3番出口より徒歩5分
参加費: 7000円(税込) 定員: 20名ぐらい
講 師:国重浩一(くにしげこういち)さん

ちょっと宣伝。

名古屋で「ホラクラシー ~ティール組織の一形態~ について学ぶワークショップ」を開催します。成果も人も大切にする次世代型組織「ホラクラシー」について、認定ファシリテーターから学びます。どうぞご参加下さい!

日時:2020年2月15日(土)13:00~17:00 (12:30開場)
 12:30~ 開場 受付開始 
 13:00~ 主催者挨拶
     講義:ホラクラシーとは何か?
     体験ワーク または 対話
 ~17:00 終了
 ※ 予告なく変更になることがあります。 ご了承ください

会場:中京大学 1号館 4階 141教室
 (名古屋市昭和区八事本町101-2)
 名古屋市営地下鉄 名城線・鶴舞線 八事駅下車(5番出口)
 https://www.chukyo-u.ac.jp/information/access/

講師: ホラクラシー・ワン認定ファシリテーター
 吉原 史郎 氏
 黒田 俊介 氏

参加費:12,000円 (早割 1月15日まで:10,000円)
 (チケットは peatix からどうぞ!)

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