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「呪い」になったアドバイス

今(2019年7月)、ニュージーランド在住のナラティブ・セラピストである国重浩一さん=コウさんが日本に一時帰国されています。 ワークショップや学会で、全国各地を回られた模様です。

(ナラティブ・セラピーとは何か?については、こちらをご覧下さい)

幸いなことに、7月11日と12日の2日間、コウさんと時間をともにすることができました。たった2日間、時間数にすれば4時間+6時間=10時間のことでしたが、私にはとても大きな意味のある10時間でした。

7月11日は、真宗大谷派 円福寺さんで、ナラティヴ・セラピー実践研究会@名古屋主催の勉強会でした。コウさん+6人(そのうちの一人が私)と言う超贅沢空間!日頃のお悩み相談から、ナラティブ・セラピーに関する疑問・質問まで、幅広い話題でかなり盛り上がりました。

同日のメインイベントは、コウさんによるナラティブ・セラピーのデモセッション!私は、念願のクライエント役を体験することができました。

デモセッションでは、正直なところ日常的なチマチマとした悩み、決めかねていることについて、コウさんに話しました。50分のデモセッションで、「なぜ決めかねているのか?」の原因がよく理解できました。さらに、「どうしたら決められそうか」まで、はっきりしました。

セッション後、コウさんとセッションについて振り返る中で、コウさんが何気なく「どんな社会からの期待があるのだろう」と仰ったことから、その後数日間にわたり、「社会からの期待」についてじっくり考えることになりました。このことは、コウさんは知らない話(笑)。

<労働に関するもの>
■ 働かざる者、食うべからず
■ 国立大学で学んだ人間は、国と国民に恩返しすべし
■ 大学院まで出たのだから、社会に貢献すべし

<家庭に関するもの>
♡ 妻たる者、夫の半歩後ろを歩くべし
♡ 子どもを守ってあげられるのは母親だけ ⇒ 子どもファースト説
♡ 子どもの行動は、親の育て方・関わり方次第 ⇒ 親に全責任説

<謎だけど、長く私を縛っている言葉>
▽ お前は頑張れば何でもできる。しかし、頑張っても出来ない人間もいる。
 お前が頑張れば頑張るほど、そういう出来ない人間を苦しめるのだぞ。
 (要は、周囲の出来・不出来にあわせて行動しなさい、と言うこと)

これまで長く生きてくる中で、たくさんの方と出会い、お話をし、アドバイスを頂いてきました。「社会からの期待」を背景に、「日本」と言う社会で、あるいは「会社」と言う社会で、私が安全に生き抜いていけるように、私の為を思って伝えてくださった言葉なのでしょう。

そういうアドバイスを、いつまでも大切にしていると、私を過去に縛りつける「呪い」に変化してしまうのだな、と思いました。

また、「私の為を思って」は、曲者だとも思いました。よくよく言葉を辿っていくと、アドバイスをしてくださったご本人の「不安」や「心配」がそこにあるからです。結局のところ、話の中心にいるのは「私」ではなく、「アドバイスをしている人」なわけです。

そこまで整理できると、後はとても簡単でした。
「社会からの期待と、私の思いを切り分けて考えよう」
「私は、私のことに責任を持とう」
そう思えたことで、心は本当にすっきりと晴れやかになりましたし、今後の行動指針が明確になりました。

その時その場で、よかれと思ってした「アドバイス」は、時の経過とともに誰かの行動を縛る「呪い」に変わるかもしれません。私も、家族と接するとき、友人や知人のお話をお聞きするとき、仕事の場面でも、「アドバイス」を控えめにして、注意深く話を聞くこと+「問いかけ」や「提案」をしていこうと、改めて思いました。

長くなってきたので、7月11日、12日の学びについては、改めて続きを書き起こそうと思います。

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提案:アドバイスに変わるコミュニケーションを探求してみませんか?

塗り絵でコミュニケーション
日時 7月24日 18:45開場、19:00-21:00
場所 アイリス会議室(名古屋駅徒歩5分)
☆講座のねらい☆
1 明るく楽しく「手」と「心」と「頭」を使います
  ▶ 言葉や絵による表現を、誰からも否定されない体験をします
  ▶ 仲間から受け入れられることの心地良さを体験します
2 心理的安全性の高いグループ活動を体験します
  ▶ 脅かされないコミュニケーションの影響力を体験します
  ▶ 「心理的安全性の高いグループ」に必要な要素について考えます
3 偶然生まれ出る表現を楽しみます
  ▶ 意図していないことを受け容れることを体験します
  ▶ 「今ここ」でのグループ活動を探求します
※ 聞き手からのアドバイスに代わる、話し手中心のコミュニケーションにトライしていただく予定です。

いまここプラス