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通勤読書「私とは何か 「個人」から「分人」へ」

自己啓発本じゃないぞ

小説家平野啓一郎が考える「分人主義
サイトもあって、前から気になってたので読んでみた

自分とは何か?の新しい考え方
個人には「本当の自分」の様な中心がなく
他者との交流からできるインターフェイス「分人」がたくさんいて
その集合体=個人とする感じ

会社の自分とウチにいる自分
相手によって態度や見られ方は変わるけど、どっちも自分
片方が本当で、他方が嘘の自分…ではない
それぞれが分人だと思うとそんなモノかと思える

「本当の自分」式の考え方だと限界のある事案でも
この「分人の集合体としての自分」だと解釈可能になるし
自分探しで無理に追い込んだりする必要もなくなる

「分人主義で得しよう」とか「知らないと損」とか、そんな話ではなく
自分とは何かを考える時の手段を1つ提案してくれている
それだけなんだけど
人間の根源的な部分にあたるので、
「踏み込んで良いの?」的なヤバい匂いを少し含む刺激的な本だった

考え方をシフトする時の気分

新しい考え方が面白いのは分かるけど
旧来の「本当の自分」式に縛られている状態で読んでいる

第1章あたりを読んでいる時は
面白そうな新しい考え方に行きたいんだけど
旧来の引力が強くて「うわーん気持ち悪いよー」とバタバタする感じ

図にするとこんな感じ

コレが先に進んでいくと新しい考え方が馴染んできて
旧来の考え方を余裕をもって見るコトができる様になった

この読書体感が面白かった

小説家ってココまで考えるの?

平野さんにはたくさん著作があるけど
人について考える所から考えて考えて…自分なりの論を出して
その論上で小説を考える
逆に小説を作る過程で自論に挑戦し、更に論を深める
…といった作業をしているらしい

例えると
スポーツの小説を書きたくてオリジナルのルールを考えちゃう感じ
何作も書いてるうちにそのルールも磨かれていく

確かに「人とは何か」は大きなテーマだし、
何をするにしても気にしているマイテーマは誰にでもあると思う
でも、テーマがデカすぎない?
そこまで執着できる?
すげー

著作読んでみようかな(読んでないんかい)
ドラマ「空白を満たしなさい」は怖くて途中で見るのやめちゃったんだよな
ドーン」あたりが自分には良さそうな匂いがするぞ
気分に余裕がある時に読んでみよう


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