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さんまのお笑い向上委員会という番組

これまでで一番面白かったバラエティ番組はなんですか?と言われたときに皆さんはなんと答えるでしょうか。
お笑いが好きな方であれば考えたことはあるかもしれませんが、ひとつに絞るというのはとても難しいことのように思います。
ある1回の放送を切り取るのか、全体を通して平均的に面白い、ととるのかでも答えは変わってくると思います。
また、過去放送されていたものも含めると、いったいいくつの番組が候補にあがってくるでしょうか。ふと、「あれ、面白かったなぁ〜」と思い出すこともあると思います。

これを書いている2022年7月現在で放送されているものであれば、筆者としてはさんまのお笑い向上委員会をあげると思います。(そのときの気分でも変わってきたりは」するかもしれませんが笑)

(MEMO)さんまのお笑い向上委員会
フジテレビ系列
2015年放送開始、放送時間帯は土曜日の23:10-23:40

よく芸人のみんなが「戦場」と言ってたり、(あくまで噂ですが)多くの芸人さんが「出たくない」と言っていたりするみたいですが、本当に戦場のような過酷な現場であることがわかります。
個人的に一番の特徴は、以下だと考えています。
・30分番組であること
・深夜帯であること
・演者に芸人さんしかいないこと
・ひな壇の構成

1つ目の30分というのはあくまで視聴者視点ではあります。
今の世の中、リアルタイムで見る人もいれば、録画しておいてあとから見る人も多いと思います。30分というのがとてもちょうどよいです。
また1回の収録で3週に跨がっているとはいえ、芸人さんからすると30分の中で自分をアピールしなければなりません。ゲストである向上芸人であればまだ注目される時間は長いかもしれませんが(※)、ひな壇にいる芸人さんからするとなおさらです。

※最近は少なくなった気がしますが、ゲストなのに第1週に登場できないということはざらにありますし笑

2つ目の深夜帯というのは、わざわざ言わなくてもわかることですが、単に下ネタうんぬんだけでなく、少しだけ規制が外されて、いわゆるチャレンジがしやすい環境にあります。
チャレンジのしやすさ故に、たまにとんでもない空気になっています笑
少しオブラートに包みましたが、要は面白くない、すべっている瞬間をみれる珍しい番組の一つです。
当然ながら各局は視聴率を稼ぐために面白いものを放送したい、面白くないところは編集でカットすればいいわけです。
ただ、向上委員会は結構そういった場面を流している印象です。
前後の繋がりとかもあるのでしょうが、私個人的には全力でぶつかっている芸人さんへのリスペクトと捉えています。
もちろん長時間収録しているでしょうから、カットしている場面もそれなりにあるとは思いますが。

3つ目ですが、進行役のアナウンサーこそいますが、それ以外は芸人さんだけ、という番組っていまどき意外と珍しくないでしょうか?
しかもゲスト含めて10−20人くらいの芸人さんがいます。
それぞれがその日持ち寄った武器で、なにか起こしてやろうと、ときに自爆覚悟で突入していく様子など、かっこよさすら覚えることも多々あります。

4つ目のひな壇の構成と挙げたのは、単なるひな壇の並びだけではありません。
ちなみにひな壇の並びは他番組でも当然重要ですが、芸人さんだけで構成されているのでこれも面白いです。MCの一番近くである(画面上での)左下は今田さんや蛍原さんという信頼のおけるMCクラスを配置しています。前列真ん中らへんにはだいたい陣内さんがいます。実力的には左下にいてもいいのですが、さんまさんとの定食(決まったくだりのことを同番組内ではこう呼ぶ笑)が多いので、さんまさんが歩くストロークも考慮されているような気もします。
また右上にも中川家さん、次長課長河本さん、ふじもんさん、飯尾さんなど信頼を置かれている芸人さんが配置されていることが多いです。少しグダグダになったときに一気に大外に振って局面を打開してもらう意図があると個人的には考えています。

さて「単なるひな壇の並びだけではない」と述べましたが、それはひな壇のように本来スポットを浴びる場所が複数あることだと思います。MC、ひな壇だけでなく、反対側にゲスト向上芸人の場所があります。ここにもゲストにクレームがある芸人さんや縁のある芸人さんが並ぶためプチひな壇化します。そしてセンターではネタや即興コントが繰り広げられ、さらにモニター横という若手のチャンスの場もあります。
視点が目まぐるしく動くわけです。

もうひとつ付け加えるとすれば、司会がさんまさんだからこそなし得ることでもありますが、かなりのキャリアを積んでいる芸人さんこそ、汗をかいて笑いを取りに行っているイメージです。
今田耕司、ホリケン、中川家などなど・・・。
今田さんなんて、大物司会者の一人です。その方がひな壇最前列に構え、虎視眈々と笑いの瞬間を狙っています。そして、コメント、入り込む間、どれもが面白いです。
中川家さんも、もう20年以上前になりますが、初代M-1チャンピオンですよ!?その方が、さんまさんにふられつつ、ゴリゴリの若手ばりのショートネタ(くだり、ではありますが)を繰り出します。僕がひな壇にいる若手芸人だとしたら、安心感もありつつ、脅威そのものです。

団体芸や、トークの入り方、回し方、オチまでの持って行き方、フォローの仕方、一発ギャグ、エピソードトーク・・・
現代バラエティを生き抜く上でのすべてのエッセンスが詰まった、教科書番組とも言えると思います。
もちろん個人の意見なので、賛否はあるかもしれませんが、筆者は大好きです。

余談ですが、この番組の中における「魔王」ことザブングル加藤、オラキオの輝き方は尋常じゃないです。

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