身体的記憶とデザイン
デパートのエスカレーターが点検のために途中で止まっていた。4階から3階へは歩いて下りなければならない。歩いて下りると足の踏む出し方が不自然でなんともぎこちない。このような経験はこれまでにも何度かある。その度にぎこちなさを感じる。動いていることを前提に、身体的な記憶が止まったエスカレーターに反応してしまうからだろう。
人は、経験や身体の記憶を手がかりに行動していることが思いのほかある。突き出たものがあればとっさに身をかわす、水たまりはまたぐ、ベンチでなくても、腰掛けられそうな