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ロートレック展制作中!②『 日経おとなの OFF』の表紙を飾りました!

来年(2024年)6月から開催予定の「ロートレック展 時をつかむ線」。
フランス、ベル・エポックを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)のグラフィック作品の個人コレクションとしてはおそらく世界最大級と言われる、アメリカのフィロス・コレクションが初めて来日します!


▶︎2024年 絶対見逃せない美術展

毎年12 月になると書店の雑誌コーナーを彩る「来年見逃せない美術展」特集。来年6 月から開催される「ロートレック展」が、『 日経おとなの OFF』の表紙に選ばれました!
 2024年は印象派の誕生から 150 年という節目の年でもあり、モネのオン・パレード。「モネ 連作の情景」 (上野の森美術館ほか)、「モネ 睡蓮のとき」( 国立西洋美術館ほか)、「印象派 モネからアメリカへ」( 東京都美術館ほか 。この note でも度々紹介)。そのほか日本では 10 年ぶりの大回顧展「デ・キリコ展」や「マティス展」 、日本美術では「本阿弥光悦の大宇宙」や「中尊寺金色堂」 など軒並み重量級が並ぶ中で、「ロートレック展  時をつかむ線」が表紙を飾るにはとても名誉なことです。

▶︎ 「ロートレックの“すごい”コレクション」って、ちょっとカワイイ

表紙タイトルの「“すごい”コレクション」というワーディングが示すとおり、本展の最大の魅力は 1 点ものの素描の数々。高速でカメラのシャッターを切ったように一瞬を切り取る力はまさにロートレックの真骨頂です。
 例えば《 騎手》 (1879-81 年)。馬に乗った騎手の後ろ姿をペンで描いていますが、ギャロップをする馬が後ろ足に重心を置いている様子、その上でバランスをとる騎手の姿など、前後の動きがよみがえる 1 点。ロートレック 10 代の頃の作品だというから驚きです。

《騎手》(1879-81 年)ペン、インク/紙 The Firos Collection
この時ロートレックは15歳~17歳(!)

▶︎お茶目ロートレック その① ニックネーム募集中! 

筆者が好きなのは、大のグルメだったというロートレックがメニューカードに描いたという「自画像」(1896年)。トレードマークの帽子をかぶり、チェックのシャツにサスペンダーといういで立ちで、こちらに背を向けてスケッチブックに向かっています。お茶目でキュートなこの自画像は展覧会チラシにも登場していて、現在、ニックネーム募集中です!

《鰐(モーリス・ギルベールのメニューカード)》(部分・1896年)リトグラフ
The Firos Collection
自画像のお尻にはロートレックのサイン “TL”

▶︎お茶目ロートレック その② ピカソにも似た・・・

もう一つのお茶目ロートレックは《傘をもつ男》(1896年)。ポスター《エグランティーヌ嬢一座》に添えられたもので、世の中に数点しかないというレアものです。男が手にもつ傘は鉛筆ですすっと描いただけなのに、ちゃんと傘に見える!( 当たり前?)足だってちゃちゃっと描いただけに見えるのに、いかにも楽しそうに踊っているよう!ピカソのリトグラフ《ドン・キホーテ》(1955 年)を見た時に、ミニマルな線の表現に衝撃を受けましたが、こちらは希少価値も加わってさらに愛おしかったりします(時代的にはもちろんロートレックの方が先ですが・・・)

《傘を持つ男》(1896年)リトグラフ The Firos Collection

「ロートレック展 時をつかむ線」は2024年6月22日(土)ー9月23日(月・祝)SOMPO美術館(東京・新宿)で開幕。その後、札幌芸術の森美術館、松本市美術館に巡回します。


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