見出し画像

子育てで気づいた大切なこと

前回、子育てに専念する時間が自分を大きく成長させた、ということを少し書かせていただきました。

もちろん、ここでいう「成長」は母業や家事テクニックなどのことではありません。(まあそれも少しは成長しているとは思いますが)。子育てに専念することで、たくさんの「本」との出会いがあり、またじっくりと考える時間ができたことで思考が広がり、その時間が私を成長させてくれたのではないか、ということです。

もともと本は好きでしたが、子供ができる前は毎日飲みに行ったりゴルフに行ったりしていましたので、本を読む時間はほとんどありませんでした(記者として恥ずかしい限りですが)。過去の歴史も新しい出来事も、なにも学ばないのです。今思えば、成長なんてできるわけありませんよねえ。

いまから約7年前に子供ができ、コロナもあって思い切って仕事を辞めました。そのために24時間、子供の相手をしなくてはいけなくなりました。特に一人目の娘は「かまってかまって」タイプだったため、放っておくわけにもいかず。かといって子供の相手などしたことがありませんから、どうしたらいいかわかりません。

そんな私が唯一、ストレスなくできる子供の相手は「本の読み聞かせ」でした。子供に合わせたおままごとなどが苦手なので、ひたすら、絵本を読み続けていました。不思議と絵本だけはいくらでも読めます。コロナもありましたので、一日2、3時間読み続けるなんてこともしょっちゅうでした。

そうして、「ああ私は本が好きだったんだなあ」と気づいたのです。

娘も成長し、一人でも本が読めるようになると、今度は一緒に図書館や書店に行くことができるようになりました。

少しずつ、自分の読みたい本も読めるようになりました。不思議ですが、子供たちもスマホを見ていると「かまってかまって」と言ってくるのに、本を読んでいるとあまり邪魔してこないんですね。そうなってくると、読書は子育て中の数少ない娯楽になりました。

一番最初に、日常を大きく変えるきっかけになった本は「スマホ脳(アンデシュ・ハンセン著)」でしょうか。

スマホ依存の弊害が、科学的に分かりやすく書いてあります。これを読んで依存症の仕組みに興味をもち、その関連の本をたくさん読みましたが、やはりこの本が一番わかりやすいと思います。

この本によってスマホやテレビからそれまで以上に距離を置いたので、さらに読書の量も増えました。

またこのころは、子育ても迷走中だったため、子育ての本もたくさん読みました。特に今の上皇さまの教育係を務めていた浜尾実さんの本を読み、身の回りを整えてていねいに暮らし、子供に優しく、温かく、ときに厳しく接することの大切さなどを考えました。

そうして子育てについて日々、深く考えることが続き、自分自身についても振り返って、深く考えることが増えていったのです。

若いとき、もっとこうしていれば…という思いも、たくさん出てきました。しかしそんな後悔はしても仕方がない。できることは、子供にはそんな思いはさせないことだと思い、読書で学んだことを子育てに落とし込んでいきました。

次に大きく私の行動を変えたのは、暮らしの手帖の編集長も務めていた松浦弥太郎さんの「松浦弥太郎の仕事術」という本です。

松浦さんの哲学が詰め込まれた本なのですが、とても素敵なのです。この本を読んで、もう一度、仕事に戻りたいという気持ちが強くなりました。それも以前のような雑な毎日ではなく、真摯に学びながら、スピード感を持ってまた仕事がしたいと思うようになったのです。

松浦さんの本に書かれていることを少しずつ実践したところ、じわりじわり、単発の仕事の話が増えました。本格的に復帰する前に、現場の空気を思い出すことができました。

今度また本格的に仕事に復帰できることができたら、もっと丁寧に誠意をもって臨みたい。人々が求めていることに考えを巡らせて、社会に還元できる働き方がしたい。

最近ではそんな気持ちが大きくなってきています。

本格復帰は、周りの人にも迷惑をかけないよう、下の息子が小学校にあがったら…と考えているのですが。

いまからその日が待ち遠しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?