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【不登校③ 安定期】エネルギー充電中の高校3年生の娘

不登校になると、子どもは学校に行けない罪悪感から苦悩の毎日を過ごし、それを見ている親も将来への不安から眠れない夜を過ごすことになります。この日々は、永遠に続くように感じるものですが、やがて精神が落ち着く時期がやってきます。それが、安定期と呼ばれる時期です。

私たち親子にとって、安定期に移るタイミングは、夏休みだったと思います。

この記事では、不登校の4段階の中で「安定期」と呼ばれる時期をどう過ごしたかを書いていきます。

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1.夏休みにエネルギーが回復

娘が不登校になってから1カ月半ほどが経って、ようやく夏休みに入りました。すると、娘は少し明るさを取り戻しました。みんなが同じように学校を休んでいることで、心配が減ったのでしょう。リビングで過ごす時間が増え、家族との会話も増えました。また、この頃から絵(漫画やアニメのキャラクター)を描くことに夢中になりました。起きている間は、ずっと絵を描いているのです。

さらに、規則正しい生活に直したいと、夜は早めに布団に入るようになりました。これまで夕方に起きてきた娘が次第にお昼頃に起きてくるようになりました。

【この頃の娘の様子】
・学校と勉強以外の会話は普通にできるようになった。
・没頭できる好きなことを見つけた。
・自ら生活習慣を見直そうとした。
・バイトをしたいと言い出した。
・暇を口にするようになった。

◇お盆休みは家族旅行!

お盆は家族で1泊2日の温泉旅行に行きました。不登校になってから何も楽しいことのない娘に少しでも高校生活の思い出になる旅行になればと思い車を走らせました。もちろん、私たち親も精神的に大変な日々を送っていたので、自然の中でゆっくり過ごしたいと思っていました。

地元の美味しいものを食べ、温泉に浸かって、夜は家族でボードゲームをして楽しく過ごしました。

【安定期に心がけたこと】
・娘がしたいこと、することを見守った。
・学校に行く・行かないに関係なく普段通りの明るい家庭内になるよう努めた。
・清潔感のある環境が大切だと思い、週1回は自分の部屋の掃除、シーツ交換などをやらせた。

2.復学のきっかけは精神科医の言葉

お盆休みが終わり1週間ほど経ったころ、娘は予約していた心療内科を受診しました。心療内科を受診するのは、これで3度目です。

娘は、自分の症状や悩み事を話すのがあまり好きではないようで、今回の受診でも積極的に話すようなことはありませんでした。先生に聞かれたことに対して、短く返答するだけでした。今回も「病気ではなさそうです。」と先生に言われ、この日も病名は付けられず、投薬もありませんでした。

しかし、病院から帰ると変化がありました。いつものように部屋に閉じこもったかと思うと勉強を始めたのです。病院で「学校に行けなくても家で勉強はできるでしょ。」と言われたのがきっかけだったようです。久しぶりに机の上に教科書とノートがある光景を見ました。

しかし、娘は、2~3日間勉強を続けてやめてしまいました。無気力だった娘が集中力を必要とする勉強を続けるのは、まだ難しかったようです。突然の娘の復学で、学校復帰も期待しましたが、まだエネルギーが十分ではなかったようです。

◇娘の不登校の原因

学校に行きたくない理由をこれまで一度も話してくれない娘。私たち親は、不登校になった原因を次のように考えていました。

【学校に行きたくない原因】
・学校、塾、部活すべてを休むことなく頑張りすぎて燃え尽きてしまった。
・人と自分を比べてしまう性格で自信がなくなった(自己肯定感が低い為)
・仲の良かった友人が突然部活をやめてしまった。(交友関係)

親に言えないような悩みも精神科医や心理士には話すことができるのではと考えていましたが、不登校の理由は娘自身も分かっていなかったのだと思います。まだ、心はモヤモヤ、頭はごちゃごちゃの状態だったのかも知れません。

◇高校最後の夏休みも終わりを告げる

夏休みの終わりが近づくと、再登校できるかどうか気になってしょうがありません。娘の心理状態は落ち着いて見えますが、学校に行くような雰囲気はありません。

夏休み明けから不登校になるお子さんも多いようですので、すでに不登校になっている娘が学校に行くことは期待できません。そして、夏休みが終わり、あっという間に9月になりました。

3.進学校の先生の言葉

不登校の間、私は授業で配布される学習プリントや新しいテキスト・問題集を受け取りに学校を訪問しました。プリント類がたまり、机に入りきらなくなると担任の先生から連絡がくるのです。

短期間で物凄い量が配られているため、何度か学校に足を運びました。

先生に「進学校の生徒は本当にすごい量の勉強をするんですね」と言うと、先生は「確かにすごい勉強はします。ですが、学校へは勉強ではなく友達とお喋りやお昼を食べに来るだけの目的で来てもいいんですよ。」と言います。「生徒には勉強やテストの点数がすべてではないと日頃から言っています。」と。

日々、猛勉強している学生に私は感服します。しかし、学校や塾で点数や順位を付けられる日々を送っていると、次第に「成績=自分の価値」と思い込んでしまうのではと考えながら、帰路につきました。

4.小中高の不登校の人数について

令和4年度の小中学生の不登校生徒数は、35万人を超えています。小学生約10万人、中学生約19万人です。高校生は約6万人になります。不登校の人数はコロナ過後、増加傾向にあるようです。

いまは、不登校は特別なことではないと言える状況になっています。

5.不登校 安定期の過ごし方

夏休みは、私たち家族は穏やかに過ごす時間が多かったと思います。息子(中学3年生)が娘の話し相手、遊び相手になってくれました。また、家族でボードゲームもしました。家族間のコミュニケーションがよく取れたと思います。

【やったこと】
・家族でゲームをした。
・公園でキャッチボールやバドミントンなどスポーツを楽しんだ。
・心療内科を受診した。

【やっておけばよかったこと】
・通信制高校やフリースクールなどの情報を調べること。

不登校は安定期から次の始動期に移ると復学や再登校、フリースクールに通うなど、子どもが行動を起こす時期になります。安定期は子どもの精神状態が安定しているため、復学や再登校を期待しますが、始動期までもう少し待つ必要があります。実際は、安定期と始動期の見極めは難しいところがあります。

次の記事では、安定期から始動期に移行した娘の様子について書いています。↓↓


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