古橋亨梧に魅せられたサッカー観戦記

スポーツの秋です。

師走も近い中、2022 FIFAワールドカップ(サッカーの国際大会です)の開幕まで50日を切っておりますが、今大会はカタールという灼熱の中東開催となったことで史上初の11月開幕(これまではほぼ6月)となったため、年末のイベントと被り全くと行って世間的には盛り上がっておりません。

とはいいつつサッカー好きの間ではそれなりに盛り上がっており、誰が本大会メンバーに選ばれるのか、我らが日本代表がドイツ・コスタリカ・スペインという天地がひっくり返るくらい狂っているグループリーグを勝ち抜けるのか、よく見ると日本のメンバーも強くなりましたなあ等・・・それなりにネタは転がっております。

ここからが今回の主題でございます。

<古橋亨梧という男>

約20年近くサッカーを見る中で、日本代表・Jリーグ・海外サッカーと幅広く観戦し日常ではヴィッセル神戸・サッカー日本代表を応援しておりますが、私史上初めて特定の選手で応援したくなる方が出てきました。

古橋 亨梧(フルハシ キョウゴ)
ポジション:FW(フォワード) ※要は最前線で点を取る人です
所属:セルティックFC(2021.8〜)
略歴:FC岐阜(2017〜2018.7)
        ヴィッセル神戸(2018.8〜2021.7)
身長:170cm

ヴィッセル神戸を応援して3年目の2018年、スペインが生んだスーパースターであるアンドレス・イニエスタ選手と同じタイミングで岐阜から神戸に移籍してきた古橋選手。当時は特に気にすることもなく「少し線の細い選手だな、足速いのかな、戦力になるといいな」と加入情報を見る程度でした。


そこから約4年経過・・・・・。

ヴィッセル神戸の選手として恐ろしいスピードで結果を重ね、気づけば日本代表。プロになってから2年でサッカー日本代表という最高カテゴリーまで上り詰めた男。現在はワールドカップの最終メンバー候補(ほぼ当確)に入っています。

年代別の代表経験はなく、大阪の名門・興國高校から中央大学へ進学するも、プロからすぐに声はかからず大学4年目の最後にFC岐阜に滑り込んだというお世辞にもエリートとは言い難いその経歴。

神戸の試合を仕事がかぶらない限りDAZNで追いかけていた中で、気づけば彼のプレーに魅入られた自分がいました。

<なぜ古橋亨梧に惹かれるのか?>

手前味噌ですが約20年間サッカーを見ていて数多のサッカーチーム・選手を見てきました。当然、古橋選手より能力が高い選手は国内外問わずたくさんいました。ただ不思議なことにここまで一人の選手にそこまで熱狂することはありませんでした。

ではなぜ古橋選手に惹かれるのか?

おそらくは彼のこの4年間の道のりがあまりにも稀有な「物語性」に溢れていたからかと。

<自分の知る古橋亨梧の変遷>


・2017年 
FC岐阜にてプロサッカー選手のキャリアがスタート。当時岐阜の監督であった大木武さん(元2010年ワールドカップ日本代表コーチ)の抜擢によりルーキーながら全試合スタメン出場。

・2018年(ロシアワールドカップの年)
FC岐阜にて開幕から7月末までに11得点を記録。これが評価されシーズン途中ながら着実に名門へのステップを踏んでいたヴィッセル神戸に加入。
アンドレス・イニエスタ(元スペイン代表、同国の歴史に残る大英雄)、セルジ・サンペール(名門FCバルセロナ出身、Jリーグでも最高峰のボランチ)、ルーカス・ポドルスキ(名門チームを渡り歩いた元ドイツ代表のストライカー)といった彼のサッカー人生を激変させる男たちと出会います。年末にはダビド・ビジャ(元スペイン代表、同国代表最多得点者)が加入し、その後の古橋選手を大ブレイクさせる布陣が完成しました。

・2019年
クラブ史上最高の戦力が揃ったヴィッセル神戸にて、ワールドクラスの選手と切磋琢磨しながら成長する古橋選手。とんでもない層の厚さの中で彼らの技術を盗み、定位置を守りながら得点とアシストを重ねていきます。それが評価され同年の夏の移籍マーケットでは複数のヨーロッパチームからオファーがあったが神戸に残留する男気を見せます。

そして、同年11月の日本代表親善試合メンバー(vsベネズエラ)に選出、代表戦出場。同年の「Jリーグ優秀選手賞」を受賞し、彼のサッカー人生は前に前に進み続けていました。

・2020年
2020年1月1日、苦節25年。ヴィッセル神戸が初めて頂点に輝いた日。
得点こそなかったが第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝にてスタメン出場。Jリーグ屈指の名門、鹿島アントラーズを倒し古橋選手も初のプロタイトル戴冠。
この試合を見ながら私は心が震えていました。

同年、古橋選手は心機一転、背番号をストライカーの番号である「11」に変え、アジア最高峰の大会AFCチャンピオンズリーグにて獅子奮迅の活躍でベスト4進出に貢献。2年連続の「Jリーグ優秀選手賞」を受賞。気づけばかつて世界を席巻したビジャも古橋のプレイにリスペクトの精神を見せる。もはや彼はイニエスタと並ぶレベルで、誰も疑わないヴィッセル神戸の顔となっていました。

・2021年
神戸の飛躍を支えたポドルスキ、ビジャといったスーパースターが去り古橋は名実ともに神戸のエースストライカーとなっていました。3月には日本代表でも初ゴールを決め、Jリーグでも開幕から得点を重ねる中、世界は彼を放って置くわけがなかったのです。

同年7月、スコットランドの名門セルティックFCへの移籍が決定。欧州屈指の歴史を誇るクラブへの急な移籍でありながら、クラブ主催でヴィッセル神戸の本拠地ノエビアスタジアムにて開催された走行会には観客が殺到。

多額の移籍金をチームに残すだけでなくクラブとサポーターへの誠意ある古橋のスピーチ。世界的英雄のアンドレス・イニエスタの惜別と欧州でも間違いなく活躍するというお墨付きの言葉。

何よりサポーターの心を掴んだ盟友セルジ・サンペール(生年月日まで一緒)の涙。正直、多少贔屓目に見てもここまで神戸サポーターに愛された選手はいなかったと思います。

<古橋亨梧の現在地>

屈強なスコットランド人を始めとする選手と日々戦い、2021年の本拠地デビュー戦ではいきなりのハットトリック(1試合で3得点取ること)。

グラスゴーのセルティックファンが彼を受け入れるのに時間はかかりませんでした。移籍1年目は怪我の離脱もありましたが20試合12得点でリーグ2位の得点を記録。チームのリーグ&カップ優勝の2冠にも貢献し、かつてこの地で伝説を残した中村俊輔選手、クラブのレジェンドであるヘンリク・ラーション氏(元スウェーデン代表)とまで比較されるまでになりました。

そして2022年10月現在、古橋亨梧選手は世界最高峰の大会であるUEFAチャンピオンズリーグにも参戦。11月開幕のFIFAワールドカップ日本代表本大会メンバーに入るかどうかの選考に加わっています。

私は今古橋亨梧の物語の続きを見たくて仕方ありません。ただただワールドカップでドイツ、コスタリカ、スペインと真っ向勝負をする古橋亨梧がみたい。

少なくとも前回ワールドカップの時点で無名だった男が、自力でプロ選手の権利をつかみ取り、偶然にもここまで来たわけです。

6月のブラジル戦、9月のエクアドル戦と彼はまだまだもがいています。
心の底から本大会まで応援します。

夢の続きを見させてください!古橋選手!

#サッカー #古橋亨梧 #サッカー日本代表 #ヴィッセル神戸 #セルティックFC

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