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答えは我にあり 続き

ある失敗から前線から外され、降格した。

三日三晩寝ないで仕事したり、土日は疲れてぼーっと過ごして、月曜日の朝に大量にメールが流れてくるであろうことを恐れながら、日曜の夜はいつも寝不足だ。量より質。体張って頑張るな、成果を出せなきゃ存在価値、払っているサラリーに見合わない。
こんな人生20年もやっていた。

今の会社で、ある事がきっかけで、降格を告げられ、いや、降格とは言っても、、職位タイトルは変わらない。サラリーが30%下がることになっただけ。

外資でがっつり働いて来たが、こんな失敗したことなかった。正直もう降りたい。と上司に伝えたら、
会社の、速攻降格、3割の給料カットの段取りが整い過ぎていて笑ってしまった。

私のミスで会社に瞬間に与えたインパクトはおそらく0.1%くらいで、3ヶ月でそんなことも忘れるほどのレベル。段取りの速さは決断の速さと連動していて、それは上司の面子を潰したのが半分くらいの理由だったようだ。

もう50というのに、なんという誤算だ。

コロナ前に転職して、部下もたくさんいたが、全員一同に介して、会社で会うことは最後までできなかった。
私はもうてっぺんが見える側に来てるのに、不自由すぎる環境でミスった。  
そしてそれを待っていたかのように、掘られた穴にズボッと落ちた。

コロナ前から自宅勤務が定着していた会社で端から会社に出てくる必要性を感じてない、外部から来た新しい上司の声がけでも、なんだろうと、あれやこれや理由をつけて、チームのほぼ9割は会社に来ない。コロナ禍なので、いや、、そうでなくても、出社の強要はしてはいけないという会社ルール。

外資とは名ばかりの日本企業みたいな会社だが、都合良く、外資特有のワークライフバランス、ダイバーシティとか理由をいろいろ取り出して来て、出社を一回もしない私の部下たち。共に席を並べ一度も仕事ができないまま、彼等の上司ではなくなった。同僚だ。

まあ、思い描いて来た人生の計画が、ある意味よくここまで、山のてっぺんが見える位置に来れたな。素直に認めよう。
私頑張ったんだね。

数年前から、毎日が限界だった。

パッションもやりがいもすっかり賞味期限は切れていた。そして目指す先は、思い描いてきたキラキラする栄光ではなくて、もう暗い闇の始まりにしか感じなくなっていた。

チームのパフォーマンスを上げるために下してきた決断の数々。辞めさせた部下、、リストラ、組織を作り直し、仕事ではあっても、それらが段々、年々、澱のように溜まってきていた。

どうやらここから先を目指すには、こういう過去の自分を振り返るようなメンタルでは、できないらしい。腹の中はたぬきが居座っている、そんな上司ばかりだった。

もう断末魔だ。ドクターストップが入る直前には、部下たちの辛辣な物言いに逆パワハラかと思うほど、私の無能さを完膚なきまでに怒鳴り散らされた。

休職。で、もういい。

半年以上休み、メンタルも体調も戻ってきたので、職場復帰を願い出たら、私の上司はもう辞めていた。

新しい上司の描く組織図には、私が保証されていたポジションはないとのこと。代わりに用意できるのは、、部下と並ぶポジション。

タイトルは完全に下がる
ベースサラリーは休職前のサラリーの50%まで下がることになる。

これは、会社からの完全なるわたしに退職してほしいのメッセージ。

転職経験の豊富な私がこの条件を受けることは、言わば会社員として負け犬を意味する。

新しい上司は、初めて会った私に、あなたほどの経験と学歴を考えると、ここで粘ってレピュテーションを下げるのは、もったいない。

でしょうね。

でも、私が考えてるのはそこじゃない。

この降格を蹴って、新たに転職をすれば、給料を更に上げて、レピュテーションは守れる。一方、この降格を受け入れると、2度と今のポジション、更なる高みのポジションに辿り着くのは、99.9%ないのだ。私が採用する側なら、一度ポジションを落としたキャンディデートは絶対に選ばない。

常に、強く、察する能力が高く、プロアクティブ、前進あるのみ、チームを奮い立たせ、成果を導く。これらを全部やってやっと平均。緊張とプライベートライフを捨てる覚悟ができなければ、いつサドンデスが来るかわからない。そんな世界。

私の結論。

降格、給料が半分(正確には労働法ギリギリのラインで下げてきた)になる、失敗するとこうなるぞっていう見せ物みたいな、なぜかご迷惑をお掛けしましたと言って謝りながら職場復帰する必要がある存在。

清々しいほど、、みんなの期待を裏切って、私は見事な復帰を果たした。

今まで沢山の選択をしてきた自分の、自分の人生は、誰のものでもない。私なんだ。

私が悩んでたのはそこじゃない。

社会的地位や贅沢な暮らし、それがこれからの私をしあわせにしてくれるのか、、、

って話。

ワクワク×美×学び=スローエイジングを目指し、仲間を探しています。特におひとりさまが時々被る不都合な出来事にも注目。自らの体験を記事にしようと思っています。ご興味を持ってサポートをいただければありがたいです!どうぞよろしくお願いいたします。