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再び春を迎えるローヌ川とソーヌ川の賜物

フランス南東部、オーベルニュ=ローヌ=アルプ地域圏の首府でメトロポール・ド・リヨンの県庁所在地。

1998年に世界文化遺産に登録された

リヨン歴史地区

リヨン市内を北から流れるソーヌ川と北東から流れるローヌ川、
ソーヌ川の西側は石畳の街並みが残る旧市街地です。
BC43年ローマの植民市としてリヨンの歴史は始まります。旧市街地にある、フルヴィエールの丘には、保存状態がとても良い古代ローマ劇場遺跡フルヴィエール大聖堂が、ソーヌ川のほとりには、1180年から300年かけて建てられた、サン・ジャン大聖堂があります。

ソーヌ川から見るサン・ジャン大聖堂と丘の上のフルヴィエール大聖堂

ソーヌ川の西側が、古代から中世にかけての街並みなら、ソーヌ川とローヌ川の間にはさまれたリヨン市の中心部は、17~19世紀のリヨンの躍進風景をのぞく事ができます。

東西300m、南北200mの長方形型のベルクール広場があり、ルイ14世の騎馬像や「星の王子さま」と作者のサン・テグジュペリの像が建ってます。

他にも、リヨン市庁舎とリヨン美術館に面したテロー広場があります。
テローとはフランス語で「地球」を意味し、17世紀にローマ時代から続く運河を埋め立てて完成した広場です。広場内にある噴水は、自由の女神を設計したフレデリク・オーギュスト・バルトルディにより造られました。

リヨンは、14世紀頃から絹織物業が盛んで19世紀頃には多くの職人が働いてました。その絹織物業の中心がクロワ・ルースで、天井の高い建物が多い地区です。織機を置くため天井が高く、また特徴的なのは、至る所に「トラブール」という抜け道があります。運搬中に絹織物のデザインが盗まれないように人目につくのを避けるため、そして高価な絹織物が雨に濡れないために造られました。

ベルクール広場

リヨンは、栄光の歴史を辿ってきましたが、20世紀に入り都市は衰退して行きます。そのような中、ローマ時代の遺跡、絹織物産業と美食など、過去の栄光の香りだけが残るリヨンの、再生計画が始まります。観光都市としての繁栄を目指し、独創的なモデルを構築するようになります。ローヌ川を越えると未来志向型の都市づくりが広がります。

「星の王子さま」で有名な、リヨン出身のベストセラー作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの生誕100周年を記念し、2000年に空港と直結の駅名を「リヨン・サン=テグジュペリ国際空港」へと変更、2010年には、市内と空港を結ぶ急行トラムの「リヨンエクスプレス」を導入。これに首都パリを結ぶ鉄道TGVにより、以前よりもヨーロッパ各地を往復しやすい都市へと変貌を遂げます。その結果、2013年フランス第2の空港に、2017年には利用客1000万人を突破いたします。

更にリヨンは、1950年代産業衰退と共に放置されたままのこの地域の、廃棄された鉄道施設による環境汚染、また、売春などの負のイメージを払拭するため、都市再生計画を本格的に推進して行きます。

刑務所を大学に、オールドハーバーだった地域に、オレンジキューブで代表される斬新な建物が並ぶように。高級住宅地や複合ショッピングモールなど、今日のリヨンの進化を一目で見て取れる空間へ再開発されてます。

独創的な建物のオレンジキューブ

リヨンでは、最先端の光産業の結晶とも言われる光の祭典が、毎年12月8日から開催されます。都市全体が光のパレードとなり、リヨンを代表する新しい産業になりつつあります。

光りの祭典に象徴されるように、フランス内陸の一首府は、ヨーロッパを代表するメトロポールとして、過去の栄光と輝きを取り戻しつつあります。そしてそれは一時の衰退時期の冬を乗り越え、春の訪れの始まりかも知れません。
古代や中世の春よりも、もっともっと温かい春の訪れ!

光りの祭典

経済再生都市
革新を続けるメトロポール
住みやすい都市
企業活動に適した都市
国際化のための橋頭保都市
数々のタイトルを手に入れる、魅力的な都市としてヨーロッパ最高のcity break都市を目指しながら。

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