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巡礼30日目 to ネグレイラ (21.1km)からから、カラカラ、音がする

👣santiago de compostela - quintáns - alto de vento - ventosa(ames) - trasmonte - ponte maceira - negreira

said " see you again " to the cathedral
行ってきますの気持ちで

フィニステーレへ

サンチャゴ以降、フィニステーレ(とムシア)までは巡礼者の数もぐっと減ることが予想された。宿の数も少ないだろうと思って、この先はすべてのアルベルゲを予約済だし、この日はいつも通り20km程度だし、慌てないでのんびりいこう・・・身支度をして、手持ちのパンやチーズであさごはんを食べてから出発。

サンチャゴの街の中をしばらく歩いていったところに、モホン(カミーノのサイン:黄色い矢印の石柱)を発見した。これまでと違ってフィニステーレまでとムシアまでの距離が書かれていて、ああ、次のフェーズに入ったんだな、という気持ちになる。

スチュアート(※巡礼14日目参照)がフィニステーレまで行ったら大西洋に足をつけてやれ、って言ってたな。早く海が見たいな!

サンチャゴの街を抜けると、あっという間に緑豊かになってきた。林を抜け、野原を抜け、次の街があって・・・という頃には、遠くにサンチャゴの大聖堂が見えた。「あそこを目指してきたんだよな~、そこから遠ざかって次に行くんだな~。」と、しばらくの間不思議な気持ちで眺める。

この日はレオン以前を思わせる暑さで、いちにち強い日射しの中をカラカラしながら歩いた。巡礼者が少ないということもあるのかな?お店はおろか、ベンチとかも見当たらないし、全然休憩できる場所がない。水道もないし、どうするかな・・・道中、フルーツをかじりながら、水分やエネルギー補給など計画的に行動する必要がありそうだな、と思う。

日傘をさしても照り返しがきつくて、体力が消耗するのを感じる。お腹もすいてきた・・・もくもくと歩いてもなかなか先が見えない状況に、あきらかに歩くスピードが落ちていて、休憩の必要性を感じていたけど、やすもうにも店がない。サリア以降と大違い!やむなく手持ちのスナック菓子を口の中に流し込みながら歩き続ける。

あー、口の中がカラカラだよ~水を飲んでもすでにお湯だし、渇きの癒えた感じがしない・・・。

干からびそうになりながら、体感では随分長い距離歩いたと思う。「あ、あれは・・・?」道路の向かいにカフェが輝いていた。

ようやく!小躍りする気分で駆け込んで、カフェコンレチェ(大サイズ)をオーダー。ゆっくり休憩して、体内にこもった熱をさまそう・・・足をマッサージしつつ、お得意さんらしい近所のおじさんたちの様子を眺める。

店内に設置されたスロットをやっていたり、テレビのワイドショーを見ていたり。昼間から結構なハードリカーを注文している人もいて、巡礼に夢中で(歩くことに必死で)ここまでほとんど見る機会のなかった光景に、新鮮な気持ちになる。見知らぬおじさんの注文したアシッドな黄色い飲み物を眺めながら、もっとゆっくり進めば、もっといろんなスペインが見られるんだろうな、と思う。

「しっかり休憩したし、すこしは外も涼しくなったんじゃ?」期待虚しく、お店を出てからも暑さは変わらず・・・ネグレイラに予約したアルベルゲは、サイトの写真(馬の)を見て「ここがいい!」と決めたのだけど、街の中心地からはだいぶそれていて(巡礼路からも)、この余分な2kmがヨレヨレの身体に堪えた。「ここに泊まりたい!」を優先してアルベルゲを選ぶと、歩く距離・体力と引き換えになるケースあり!と、愚痴り気味の気分でだれもいない道をのろのろ歩く。

だけど、到着したらその気持ちは一転。買い出しが大変(相当歩く必要がある)なこと以外はとてもいい場所で、私はまるっと気に入った。やっぱりここにしてよかったな。

アルベルゲの敷地内には、馬や牛やヤギや羊や豚や、リャマまで、とにかくいろんな動物がいた。キッチンのテーブルや器など調度品の雰囲気も良くて、美しいという言葉がぴったり。なにより、あちこちに椅子があって、宿泊者がひとり静かにゆっくりすごせる居場所がたくさんあった。贅沢な時間だなあ・・・できることならしばらく滞在したいくらい。

同室はバイクで旅をしているフランス人の男性一人。3週間ほどスペインを周って帰途についたいま、フランスの食事がとても恋しいのだそう。私だって行きの飛行機の中ですでに醤油と味噌に飢えてたしな、そりゃそうだ・・・男性の話すバターやチーズを思い浮かべながら、私はうんうん頷いた。

そういえば、私が会ったフランス人の巡礼者の人たちは、自炊でもパパッと美味しそうなものを2〜3品とサラダを用意して、必ずボトルワインを開けて乾杯してたっけ。食事すること(できるだけおいしく愉しむこと?)をすごく(かつ、当人にとってはあたりまえに)大事にしてるんだな、きっと。

・・・なんてことを考えていたら、昔、友人の学生寮に入らせてもらったときの、中国人留学生のことを思い出した。グループで分担して手早く何品もつくっていて、私は超感心しちゃって。色とりどりの中華料理が次々皿に盛られていく横で、ひとりモタモタとパスタをつくっていた当時の自分が懐かしい・・・。

この日、私は2km先の街まで歩いて相変わらずのスーパー巡り。同室の男性はドミトリー前のベンチがお気に入りの場所らしく、アウトドア用の小型コンロでコーヒーをいれてのんびり過ごしていた。

バイクや自転車の人は、調理器具とかいろんなギアを携帯してキャンプすることも多そう。私はシャワーは絶対欲しいからアルベルゲ泊希望だけど、外で飲んだり食べたりするのって最高に気持ちいいもんな。

beautiful sunlight
木漏れ日がきれい
clouds brothers
兄弟のような雲
snacks for lunch
パサパサのカラカラになりながら食べた
the scenery of the water
水はいいね~という写真
so hot day
レオン以前を彷彿とさせる暑さ
found a stag beetle
クワガタ!何年振り?とパチリ
woods like a picture card
古い絵葉書みたいな
albergue
窓の奥が私の宿泊したドミトリー
had a coke break
コーラが異様においしい&オマケのポテチもうれしい
dinner
サンチャゴの市場で買ったトマトが激ウマ

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