ノーマライゼーションの視点から24時間テレビの在り方を考える #93

24時間テレビにおける定番番組である、障がい者が自身のハンディキャップを乗り越え何かを達成する番組内容に関して、その是非について問題提起されている。ノーマライゼーションの視点からこれについて考えたい。

まず、ノーマライゼーションとは何か?

・障がいのある人が障がいのない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す
・障がいがある人を変えるのではなく、障がいがある人がありのままで健常者とともに生活ができるように「周りが変わる」

つまり、障がいを持つことを前提とした環境づくりがノーマライゼーションということだ。

日本は先進国と比較して、ノーマライゼーションにおいて遅れをとっていると言われている。
理由は以下3点挙げられる。
①日本の障がいに関する法律の範囲が狭いこと
②障がい者=弱者といった意識が強いこと
③歴史的に障がい者が差別されてきたこと

そういった背景を踏まえて、24時間テレビの企画である、障がい者が困難を超える感動エピソードはノーマライゼーションといった考え方からはどう映るのか?批判の中には、障がい者を健常者が感動するための道具にしているといった強い批判もある。

障がいがある人を変えるのではなく、障がいがある人がありのままで健常者とともに生活ができるように「周りが変わる」というノーマライゼーションの主旨から見ると、24時間テレビのこの企画はいかがなものだろうか。たとえ障がい者に対して活躍の機会を設ける目的だとしても、それがポジティブかネガティブに関わらず特別扱いすることは、ノーマライゼーションの視点からは間違っていると言わざる負えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?