マガジンのカバー画像

ストレンジャー・ザン・パラダイス

23
妙なことが起こり続ける話。
運営しているクリエイター

記事一覧

ストレンジャー・ザン・パラダイス 1

 まるで青いカレーを食べてるみたいな気分だよ。確かにカレーの味がするのに、何かが決定的に…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 2

翌朝8時半頃に目覚めた僕は、ぼんやりとしたあの男の言葉を、ヘリウムではなく空気を入れた風…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 3

自分の部屋に帰って冷蔵庫を開け、忘れかけていた事実に再び直面した。そうだった、中のものは…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 4

もしかして、僕はルイス・キャロル的なデタラメな夢の世界にでも迷い込んでるんだろうか? ま…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 5

僕はゼンリンの男との感動的な再会の後、細々とした日用雑貨を見て回った後に会計を済ませ、肉…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 6

嫌な予感がした、正確には嫌な予感しかしなかった。 僕はこの部屋に引っ越してきて数年になる…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 7

「待ってくれ!まだジョーンが!」 彼女は冷静に言った。 「あの子は大丈夫よ、ドアさえ開けておけばね」 「付いてきて」と言うと彼女は振り返りもせずに階段を駆け下りていく。 次々に窓ガラスは割れ、部屋はどんどん火に飲まれていく。 「クソッ!クソッ!」 僕は彼女に付いていくしかなさそうだった。 10円玉の女の子はものすごい速さで坂を駆け下りていく。ストライドは僕の方が大きいはずなのに、付いていくのがやっとだ。彼女は通りに出るとすぐさまタクシーを捕まえて後部座席に滑り込

ストレンジャー・ザン・パラダイス 8

「着いたわよ」とザジに起こされる。 どこだここは? もう空は白み始めていて、周囲には杉く…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 9

「はぁ……」と僕は曖昧な相槌を打った。 「言うなればまぁ、何と言いうか君は要石のようなも…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 10

朝食をとった後、キリストとザジは寺の中を案内してくれた。ザジはキリストを「父さん」としか…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 11

そこはもう誰がどう見ても武器庫だった。懐中電灯を持ったザジたちについて歩くと、鈍器から刃…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 12

ザジに連れられてさらに奥へ進むと、真っ暗闇があった。ザジがどこかのスイッチを入れたのだろ…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 13

僕らが戻るとキリストは座禅を組んでいた。 「父さん」と僕から銃を取り上げると、ザジはそれ…

ストレンジャー・ザン・パラダイス 14

「それで、僕はこれからどうするんですか?このままここでひっそりと息を殺して身を潜めるんですか?」 キリストはにこやかに言い放った。「まさか。そりゃ確かにここに潜んでれば迎撃は容易ではある、でも潜伏と迎撃だけで一生が終わる。少なくとも私はそんなの御免こうむる。君はどうだね?」 「僕もそうです」 「ならば話は早い、あいつらを全員ブッ潰そうじゃないか」 「あんた坊主じゃないのか?そんなことして大丈夫なのか?] 「何、どんな宗派にだって破戒僧ってのはいるものだよ。私が特別な