見出し画像

罪滅ぼし・滅ぼし

23歳のディストピアは、音もなく蝕むようにやってきた。人生の生き方を考えるときはいつもいつか死ぬ大前提から始まる。逆張りが生き癖の私だから、どんなあなたでも良いって生き方の口コミが拡がれば拡がるほど、なら一番ずるをして生きてもいいんですねと思ってしまう。生きていくことに真正面から向き合うことから逃げてしまう。本当はどんなあなたでも良いわけがないんだ。生きていくことニアリーイコール自分を少しずつ良くしていかねばならないということ、だと思って生きてきたから、現時点がすべてだと言われてしまうと、なんかもうやけになって、全てどうでもよくなってしまう。あなたが言葉のベクトルを向けた人間全員のうちに私が入っているとして、なら私はそのなかでレベルの底をどんどん掘り下げていきますよ自分を、変えていくことの途方もなさに頭を抱えてしまう。現状で良いと思わざるを得ない気がする。でも好きな人たちは、私の持つ数少ない持ち物にすら気後れしてしまっている。私がよりよくなればなるほど、もう二度と会えない気がする。会いたいよって言い出せなくなる。健康体で働き口があって、実家も友達も恋人も持っているでしょと言われてしまう。どうしたらいいんだろう。生きていくことはよりよくなっていくこと、本当にあっているのか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?