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京極夏彦

何だ、この厚み。
文庫版広辞苑?
枕??

それが、京極夏彦先生と初めて遭った感想である。
「姑獲鳥の夏」である。

時代物はいっそ江戸より前の方が好きだったから、戦後が設定か……と読むのを躊躇した。
戦争よりはイクサがいい。

しかし、この厚さ。気になる。

ちょうど、森博嗣先生の「すべてがFになる」に打撃を受けた後だった。
同じ講談社文庫だし。
あ、昔から本は、できれば文庫で並べたい派です(たくさん置きたいから)。

しばらく迷ったあげく、「姑獲鳥の夏」は我が家の本棚に仲間入りした。
正直なところ、一読では人間関係の把握だけでいっぱいいっぱいだった。
しばらく寝かせてからにしよう。そう思った。

読み返したのは、2冊目、「魍魎の匣」を読んだ後だ。
混乱していた人間関係が頭の中で整理され、前巻も読み直す気になった。

後日、実写化されたのを知った。配役が、当方のイメージ通りの俳優陣だったので小躍りした(結局まだ見てないけど)。


「こりゃあいい。これでやっと普通の密室殺人事件になったじゃないか!」

あとわずか(全体量からしたら)のページでこんな台詞吐かれたら、涙出ちゃうよ!



妖怪も妖精も、大好きである。
しかし怖いのはやはり、生きている人間である。

北国の街も、だいぶ暑くなってきた。
アイスを片手に、ゾクゾクとするような読書が美味しい季節になる。


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