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【サデック】 メコン川支流のレンガ工場へ

旅行日 2017.01


ベトナム南部のホーチミン市から車でおよそ3時間の場所にある、メコンデルタ地方の小さな街「サデック(Sa Dec)」。

花や米粉の生産地として知られるこの街への旅行記を、コチラ☟にまとめていますので、よろしければ。

上の旅行記では
・ホーチミン市からサデックへのアクセス
・花の街 サデックのフラワーヴィレッジ
・名物フーティウ
・映画化された小説「愛人ラマン」について
・ホテルについて
など、まとめています。



そして今回は、個人的にサデック旅行のハイライトだった、レンガ工場の見学について書きたいと思います。


サデックのレンガ工場

ドンタップ(Dong Thap)省のサデックや、アンザン(An Giang)省のロンスエン(Long Xuyen)など、メコン川の支流に点在するレンガ工場。

ベトナムでポピュラーな建築資材であるレンガは、国内各地の工場で作られているのですが、サデック周辺にある工場の景色は、かなり個性的。

メコン川の支流沿いに、中には100年以上前に作られた古く巨大な煉瓦窯が苔むした状態でぽこぽこと、まるでキノコが生えるように並んでいて、独特の魅力を放っています。

壁には売地の文字

この田舎町にレンガ製造業が栄えたときに、たくさんの窯が造られたものの、大量の排気ガスを出すこの窯は技術の発展や時代の流れの中で徐々に衰退。現在ではほとんど旧式の窯は使われておらず、放置されています。


青い空に赤い煉瓦色、つたや苔の緑に覆われた丸みのあるドーム形が並ぶ風景はどこか、ジブリの世界観にも通じるよう。
この風景を魅力的に感じるのは外国人だけではないようで、遺跡のようなフォトスポットとして、最近ではベトナムの旅行者も度々写真を撮りに訪れるそうです。


私が行ったのはココ

私がこの窯の存在を知ったのは、ベトナムスケッチ(2015年8月号)のこの記事
プライベートクルーズツアーの立ち寄りスポットとして掲載されていていて「この景色を一目見たい!」と思ったのが、サデック旅行のきっかけでした。
でも、実際にはどこに行ったらいいのか分からないままサデックへ(無計画)。そして、そのまま最終日になり笑 ダメもとで「レンガ窯が見たいです」とホテルの人に相談。するとすんなりレンガ工場の近くまでタクシーを手配してくれました。

いまは多少撮影スポットとして知られているものの、この当時レンガ窯を見に行く人はほぼいなかったらしく、運転手は繰り返し「ナッシング、ナッシング(あんなとこ何にもないぞ)」と忠告するように言い残して去っていきました。

そうして、到着したのがここ☝︎  MAP
本当にここ?と疑いながら、運転手の「船に乗って」という指示を思い出して、上の写真に映る2軒の間に入っていくと、本当に渡し船がありました。

川沿いにレンガ工場が多いのは、船便の方が運送コストが安く済むからだそう

おおお。レンガ窯も見える!と興奮しながら待機。

小さい川なのであっという間に船が到着し、向こう岸へ向かいます。
市民の足として使われているので、乗船料は1000vnd(約6円)※バイクは2000vndと激安でした。

船がついた場所から一本道を歩いて行くと、見えてきたレンガ窯。
今は完全に使われていませんが、時間が作り出したこの景色はやっぱり魅力的です。


さらに少し歩くと、レンガ工場の入口が。

本当に普通の工場なので「これって日本の田舎の町工場に外国人がいきなりカメラ持ってへらへら入ってくるようなものだよね。不法侵入かな。通報されないかな…」とびびりながら、でも恐る恐る入場。

とりあえず笑顔を心がけながら「写真撮っていいですか?」と何人かに確認すると、手でOKサインの返事がもらえたので、 仕事の邪魔にならないように気をつけながら撮影。

よく見ると、働いている人はほぼ女性。
力仕事もいとわず精を出す女たち、かっこいいです。

現在は巨大なドーム窯ではなく、小さな窯が横に連なる設備が稼働しているよう。天日干ししたレンガを窯の中に積み上げ、最後に入り口を土などで埋めて焼き上げます。


敷地の隅には、使われなくなった古い窯も。
薄暗く埃っぽいレンガ窯周辺は、放置されたバイクや動植物などなかなかワイルドに荒れていましたが、写真を撮る側としては見たことのない景色に会えたうれしさでスキップしてしまいそうな気分。

レンガ窯の内部
天井から陽の光が差し込みます

たしかにタクシー運転手の言う通り、観光地として見ると何もないただの工場ですが、心を動かすオリジナルな景色は、一部の人を強く惹きつける何かがある気がします。

工場内に積まれたレンガ
穴の空いたこの形が一般的で、側面には工場の名前がスタンプされています


実際、ベトナムの若者や観光客も、この景色に魅力を感じて写真を撮りにきているいま、何らかの形で古いレンガ窯を残せないかなと完全な外野ながら勝手に思ってしまうのですが、ある現地メディアによれば、この周辺エリアを観光地として整備するという計画もあるらしいので、さらに見学しやすくなる日を陰ながら期待したいと思います。

レンガ工場の名称や住所は、撮影場所として開かれている場所ではないため記載は控えさせていただきます。※船着場のMAPを載せています


ツアーで見る方法も

今回のように、不法侵入かとびびりながら見る方法も1つですが、調べてみると、現地の添乗員に案内してもらい落ち着いて見学する方法もありそうです。それは、冒頭で触れた4つ星ホテル「ヴィクトリア カントー リゾート」が催行するプライベートクルーズツアー。
メコン川の支流での船上ランチにはじまり、レンガ工場やカオダイ教寺院を含むサデックの街散策。手漕ぎ船でのクルーズやコロニアルヴィラでのランチなど1泊で巡る内容です。ツアー詳細はコチラ(英語)

ツアーの出発地となるホテルは、サデックから約1時間半の場所に位置する街カントー(Can Tho)にあるため、ホーチミン市からカントーまではローカルバスもしくはホテルのオプションでの追加手配(別料金)が必要ではありますが、メコン川とともに息づく人々の生活を垣間見ながら、船上泊で朝晩の景色を堪能するというのもいいかもしれません。

参考:VTC


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